【川崎市】33名の小学生たちが大型自動車専用船に乗船!「クジラやサメが出てきたら?」など船長やクルー、スタッフたちに質問攻め

【川崎市】33名の小学生たちが大型自動車専用船に乗船!「クジラやサメが出てきたら?」など船長やクルー、スタッフたちに質問攻め

【川崎市】33名の小学生たちが大型自動車専用船に乗船!「クジラやサメが出てきたら?」など船長やクルー、スタッフたちに質問攻め

 川崎市内の小学校に通っている子供たち33人が8月9日に川崎市・川崎港の外貿ふ頭で荷役を行っている大型の自動車専用船『HARMONY LEADER』(日本郵船)に体験乗船する見学会「川崎港を見てみよう︕ 外航船見学会」に参加した。

 (取材・撮影:伊藤直樹©ニュースラウンジ)

 トップ写真は、船の前で船を案内する日本郵船の方々と記念撮影する子供たち

 川崎市では、海の月間(※1)を記念して、毎年夏休みの時期に、市内の子供たちを対象に、川崎港の外貿ふ頭で荷役を行っている大型の自動車専用船に体験乗船する見学会「川崎港を見てみよう︕ 外航船見学会」を実施している。

 この見学会は、将来を担う子どもたちに国際物流の現場を体験してもらうことにより、貿易や海運に対する関心を高めてもらうことを狙いとし、平成23(2011)年度から行っており今年度で13回目の開催となる(コロナ感染症により中止となった年度あり)。

 川崎市7地区(川崎区、幸区、中原区、高津区、宮前区、多摩区、麻生区)のこども文化センター(※2)が地区ごとに順送りで乗船体験会に参加しており、今年は多摩区のこども文化センターから33名の小学生が参加した。

 今年も日本郵船(NYK)の協力のもと大型の自動車専用船『HARMONY LEADER』に乗船する。川崎市の職員ですら船内を見ることができない(この1年1回の体験会のみという貴重なもの)だけに、引率したこども文化センターの職員の方からは、「うちのお父さんが羨ましがって…」といった声が上がるほど。

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自動車との対比で船の大きさが!

 33名の小学生たちは、そんな貴重体験とは露知らず、船の大きさに目を奪われる。「長さが200メートル、幅が32メートル、13階建てで5000台以上の車が積みこまれていき、北米の方に向かって出航する」ときかされると、「すごーい!」と驚くばかり。

 船内に入ると、まず5階部分に相当する陸地(ふ頭)から船内に車両が積み込まれていく場所に次々と入ってきては、ビタッと止まる車の動きに、「スゴイ」と声をあげる子供たち。スタッフさんは、「運転手さんは、ひとり何百台(1日)もこういう作業をしているので、慣れていてめちゃくちゃ運転上手です」「普通の自動車からフォークリフトのような特殊車両の運転免許も持っていて、なんでも乗りこなせる」と説明を受けると、驚いていた。

 また、車が入っていく船内奥にはスロープがあり、それを見つけた子供が「坂道になってる」というと、「大きなデパートやスーパーの駐車場は坂道を登って上に行くでしょ。12階建ての駐車場みたいになってる」と分かりやすい例えを使って説明するスタッフさんたち。5階から12階まで全部車で埋めてから出航すると説明。
 さらに、「サメがでてきたら?」と問われると、「サメはあまり(水面に)出て来ない」というと、「もし出てきたら?」と追い質問。これに、「もし出てきたとしても船のスピードが速いから追いつけない」というと、別な子が「クジラは?」と、サメ、クジラなど怖い“海獣”たちに遭遇した場合に興味津々。「“万一”クジラがぶつかると、クジラがあたると凹んじゃうんだよ。船は鉄の塊でできていて、壁も鉄板だけど、厚さが1センチから2センチしかないからぶつかったら凹んじゃう」と説明していた。

 このあと、子供たちは13階まで上り操縦室へ。5階から13階までの階段は人が一人通れるくらいの横幅しかなく、さらに一段のステップ間隔が大きく、子供たちにとってはかなり大股で登っていかなくてはならず、さらに下が丸見えなのでかなり不安定で、「怖ーい」と泣き出す子も。「下を見ないで上見て」とか「大丈夫だよ、ゆっくり」と声がかかる。記者は日ごろの運動不足と50歳過ぎという年齢から、息が切れし、最後には膝が笑ってしまうほど脚にきて (翌日軽く筋肉痛に) …。ほうほうの体で13階まで上ると地上よりもさすがに風も通って気持ちよく、景色もいい。子供たちもすぐに手すりのところに行って海を眺める。

 そのまま操縦室へ いろいろな計器を興味深げに眺め、羅針盤や操舵輪、受話器のような無線機などなど見るものすべてが珍しく、「これはなんですか?」と質問攻め。船長さんにごあいさつして質問を、「何歳ぐらいから船乗りを目指したの?」と問われると、「君たちと同じぐらいから。なぜならお父さんも船乗りだったから」と、父親の影響だったという。
 他に、「好きな食べ物」「好きな国」「機械はここに何個?」「部屋の数は?」などほのぼのとした質問がある中、「事故などの問題があった時どうするんですか?」と、突っ込んだ質問に、船長は、「基本的にそういう事故がないようにするのが船長の務めだから事故はないです」と…これには大人たちは苦笑い。

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船長へプリザーブドフラワーのプレゼント

 最後に船長さんにプレゼントを渡し、操縦室を後に。食堂や娯楽室を見て回る。娯楽室で大きなテレビを発見すると、「ゲーム機はないの?」とすかさず質問。すると、「4ヶ月ほど船内で生活するから」と、テレビゲームもしっかり備わっているよというと、「4ヶ月」に反応し、「酔わないのかなぁ」など、それぞれ感想を。

 さっきの階段今度は下りも歩幅を要するため、滑られないように注意しながら降りていき、地上へ。スタッフさんやクルーのみなさんに「ありがとうございました」の元気な返事をし、船を後にした。

 今日の感想を事前にいろいろと調べてきて、積極的に質問していた小学校5年の男の子に聞いてみると、「船がもともと好きで、あの重さで浮かんでいることが不思議で、いろんなこと教えてもらってよかったなと思っています。船長に質問できたことが印象に残っています。将来、船(に関する)のお仕事をしたいと、より強く思いました」と、船への興味が一層沸いたようだ。

 【実施概要】
 ○ 実施日:令和6年8月9 日(金) 13 時30 分〜15 時30 分
 ○ 参加者:多摩区内の小学校1年生から6年生までの児童33人(引率者除く)
 ○ 内 容:自動車専用船「HARMONY LEADER」に乗船
 (日本郵船株式会社様(東京都千代田区丸の内2-3-2)に御協力いただきました。)

 【船 名】HARMONY LEADER
 【建造年】2011 年
 【船 籍】バハマ
 【全 長】200m
 【積載可能台数】6400RT
 *1RT=車長4.125mx 車幅1.550mx 車高1.420m
 * RT とは、乗用車1 台分の寸法を表した単位

 ※「海の月間」(7/1〜7/31)には、広く国民に「海」に対する理解と認識を高めてもらうために、全国各地で海に関するさまざまなイベントが行われている。

 ※こども文化センター(児童館)は、児童が健やかに育ちゆく願いをこめて、児童の地域での遊びの拠点として、また児童の健全育成を目指して設置されている。
対象
 0歳から18歳未満までの児童(未就学児の利用は、保護者の同伴が必要です。)
 青少年の健全育成、市民活動に携わる地域の方

 

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新車が続々と船内へ
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いよいよ見学のために船内へ

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新車数千台の積み込みを見学
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新車数千台が積み込まれていく

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指さしながら質問をする
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13 階の甲板から海を臨む

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船舶の機器に興味津々
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ブリッジにて船長に質問

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