秋篠宮ご夫妻の次女、佳子内親王殿下が11月1日に神奈川県・川崎市の「カルッツかわさき」で行われた「令和6年度 全国都市緑化祭」の開会式にご臨席され、おことばを述べられた。式典には、市の関係者などおよそ600人が招待・出席した。
(取材・撮影:伊藤直樹©ニュースラウンジ
トップ写真は、「令和6年度 全国都市緑化祭」の開会式にご臨席された佳子内親王殿下
「全国都市緑化祭」は、国土交通省などが毎年開催している、緑豊かなまちづくりを目的としたイベント。今年の「令和6年度全国都市緑化祭」は「第41 回全国都市緑化かわさきフェア」の中心的行事として開催された。
ブルーの2wayツイードプルオーバーと同色のフレアスカートというお召し物、髪を後ろで一つにまとめたお姿でご臨席なさった。ごあいさつでは、「この催しに先立って、川崎市で、ボランティアによる活動や、子どものための自然体験教室、事業所の緑化などが行われてきたことを知り、都市でみどりを育むことの意義を改めて感じました。<中略>このフェアをきっかけに、長年にわたって築かれてきた都市の貴重なみどりを大切にする活動が次の世代に引き継がれ、みどりあふれる街で、人と人とがつながっていく姿を思い描いております」とおことばを述べられた。
【佳子内親王殿下おことば】
本日、「令和6年度全国都市緑化祭」が、「第41 回全国都市緑化かわさきフェア」の中心的行事として開催され、皆様とともに出席できますことを大変うれしく思います。
花と緑は、私たちに、うるおいや安らぎをもたらしてくれます。また、地球温暖化の緩和、防災に大切な役割をはたすとともに、多様な生き物をはぐくむ場となっています。このかけがえのない花や緑を、皆様がいつくしみ、守り育てていることは、誠に意義深いことと思います。
ここ川崎市では、都市の開発が進み多くのみどりが失われた中、市民や教育機関、企業などが、みどりの保全や育成に積極的にかかわってきました。この催しに先立って、川崎市で、ボランティアによる活動や、子どものための自然体験教室、事業所の緑化などが行われてきたことを知り、都市でみどりを育むことの意義を改めて感じました。
「第41 回全国都市緑化かわさきフェア」は、市制100 周年の事業として、「みどりで、つなげる。みんなが、つながる」をテーマに、全国初となる秋と春の2期間にわたり開催されます。市内の三大公園である富士見公園、等々力緑地、生田緑地を中心に、駅周辺や商業施設、区役所など市内全域でみどりに関わる催しが行われています。今回のフェアに向けては、川崎市立の全ての小・中・特別支援学校、全170 校が花づくりに参加し、また幅広い年代の方々、地域団体、企業などが花壇づくりに携わり、その中で新たな交流も生まれているとお聞きしています。私は先ほど、地元の高校生がデザインした壁面緑化と、ピンクの花々が広がるメインガーデンを見て、いきいきとした草花が集まって作り出す、美しい風景を楽しみました。このフェアをきっかけに、長年にわたって築かれてきた都市の貴重なみどりを大切にする活動が次の世代に引き継がれ、みどりあふれる街で、人と人とがつながっていく姿を思い描いております。
終わりに、この催しに関係していらっしゃる方々や、このあと表彰を受けられる皆様をはじめ、全国各地で都市の緑化に力を尽くしてこられた方々に深く敬意を表しますとともに、このたびの全国都市緑化祭をひとつの契機として、ここ川崎市から、緑化推進の輪が、さらに大きく広がっていきますことを願い、式典に寄せる言葉といたします。
続いて、川崎市立宮前小学校6年生の児童7人が「私たちの住む街・川崎市はことし市政100周年を迎えました。川崎市は工業・産業で発展してきた街であるとともに、多摩川や多摩丘陵など豊かな自然が広がり、四季折々の姿を見せてくれ、私たちを和ませてくれます。市内のいろいろな場所では、市民の方々が緑化活動に取り組み、緑と花を守り、育てる活動を積極的に行っております。私たちの宮前小学校は川崎市役所や川崎駅前の商店街のある学区にあり創立100年を超えた歴史と伝統のある小学校です。高い建物に囲まれた校庭には欅と楠2本の大木がシンボルツリーとなって、私たちの学校生活を見守ってくれています。<中略>都会の中にありながら花や緑に囲まれたこの学校から自然を大切にする気持ちを広げていきたいです。私たちはこれまで緑化活動に関わってきた川崎市の先人たちの思いを大切にし、このかけがえのない花や緑を<守り、育て、次の100年につなげていくことをここに宣言します>」と3分半にもわたる長い宣言を暗記し、ひとりひとりパートを分けて順番に都市緑化宣言を行った。
佳子内親王殿下は、可愛らしくも堂々とした宣言の様子を柔和な笑みをたたえながら見守り、宣言が終わった時には大きな拍手を送られていらっしゃった。
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