神奈川県川崎市で行われた全国初となる国道横断歩道橋「川崎ハローブリッジ」（川崎区）に天然芝を敷く芝生緑化社会実験セレモニーが10月8日に行われ、華道家の假屋崎省吾氏、福田紀彦川崎市長、宮本久仁彦 国土交通省横浜国道事務所所長、藤倉茂起川崎市副市長とともに出席した。
（取材・撮影：伊藤直樹©ニュースラウンジ）
トップ写真は、実証実験サインボードにサインして記念写真に収まる左から国土交通省横浜国道事務所所長・宮本久仁彦、華道家の假屋崎省吾氏、川崎市長・福田紀彦
会場となった国道横断歩道橋「川崎ハローブリッジ」（川崎区）は、10月19日から開催される「全国都市緑化かわさきフェア」のメイン会場のひとつである「富士見公園」（同区）とJR川崎駅を結ぶ市役所通り・富士見通りと国道15号線の交差点にそびえるエレベーター付きの大きな立体横断歩道橋。
人がせわしなく渡るだけという“無機質な”歩道橋が、「全国都市緑化かわさきフェア」に合わせ、「川崎ハローブリッジ」の中央モニュメント｢飛翔｣の下やその周囲に約100平方メートルの芝生が敷き詰められた。また、真下を通る国道15号の中央分離帯等に植栽や装飾が完成。明るく華やかな印象に変わった。
今まで歩道橋に天然の芝生がなかったことについて、国土交通省 横浜国道事務所長 宮本久仁彦氏は、「歩道橋は幅が狭かったり色々な環境状況で、そういう空間がないということなどがあったのではないか。今回は非常に広い歩道橋だったので、できた取り組みじゃないかと。特に法令上問題があったというよりも、技術的な問題とかそういうのだった」と説明。
下からプラスチックボード（2mm）、排水マット（2cm）保水マット（4cm）、軽量土壌（3-4cm）を敷きつめた深さおよそ10センチのアルミスタンドの上に4cm～6cmセンチほどの芝を植えるという先駆的な緑化技術（薄層芝生緑化、芝改良品種）を活用して敷設された。芝生は行き交う人が自由に踏み入れることができる。
宮本久仁彦 国土交通省横浜国道事務所所長
「今回、全国都市緑化かわさきフェアの開催に合わせまして、川崎市様と連携させていただいて、この歩道橋に自然の芝を設置するという全国初めての取り組みをさせていただくことができました。道路空間をより魅力のある空間にしていく、賑わいの場、憩いの場、さらには歩きたくなる歩道空間を目指してまいりたいと思っております」
福田紀彦川崎市長
「全国で初めてこの国道にかかる横断歩道の上に芝生化されたということで、見たことのない光景が広がっているということにびっくりしました。今回の緑化フェアのテーマの1つが、「緑で繋げる、みんなが繋がる」ということですので、この国道の上の歩道橋も、みんなが繋がる、緑で繋がったその瞬間のスポットになるのではないかと思っています。ちょうど駅から富士見会場に向かうまでの中間地点のようなところに、こういった緑のスポットができるということは、本当に歩いてフェアに向かう人たちのワクワク感を駆り立てていただけるのではないかなと思います」
華道家で全国都市緑化かわさきフェア国道花のボランティア応援団長を務める假屋崎省吾氏は、
「私はいつも花から始まるライフスタイルは、心のビタミン、これをモットーとしているんですけれども、こういった無機質な人工的な空間に、自然の色、色彩豊かな色が人々を迎えてくれることは、とっても幸せなことに結びつくんじゃないかと。そしてまた、川崎市が100年、200年、300年と、人々の暮らしがこの道を通りながら明るい未来に向かっていくというお手伝いを花を通してさせていただくことができれば、とっても嬉しいなと思っております」
全国都市緑化かわさきフェアは2024年10月19日から11月17日まで、富士見公園・等々力緑地・生田緑地をコア会場として開催される。「みどりで、つなげる。みんなが、つながる。」をキャッチフレーズに、川崎ならではの花と緑の祭典。
