【川崎市】南武線高架化 説明会に住人続々!令和15年には「開かずの踏切」解消見込み

【川崎市】南武線高架化 説明会に住人続々!令和15年には「開かずの踏切」解消見込み

【川崎市】南武線高架化 説明会に住人続々!令和15年には「開かずの踏切」解消見込み

 川崎市は、「JR東日本南武線連続立体高差事業(矢向駅~武蔵小杉駅間)」について、地域に住んでいる人たちに理解を深めてもらおうと、オープンハウス型説明会を3月23日に旧新川崎・鹿島田周辺整備事務所で、24日に川崎市立玉川中学校で開催した。

 写真は「JR東日本南武線連続立体高差事業(矢向駅~武蔵小杉駅間)」パンフレットの【表紙】に使用された「高架化」後のVR映像(川崎市提供)

 (取材・文:伊藤直樹©ニュースラウンジ/エッジライン)
 (パネル撮影:伊藤直樹©ニュースラウンジ/エッジライン)
 (パンフレットに掲載されている写真は川崎市提供)

【川崎市】南武線高架化 説明会に住人続々!令和15年には「開かずの踏切」解消見込み
鹿島田駅前写真(パンフレットより)
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向河原駅前踏切写真(パンフレットより)
 南武線の矢向駅から武蔵小杉駅間の3駅(鹿島田駅、平間駅、向河原駅)全長約4.5キロ区間に踏切が9ヶ所。そのうち5ヶ所が踏切遮断時間が1時間最大40分以上という「開かずの踏切」状態。朝の通勤通学にとって「開かずの40分」は地獄そのもの。しかも目と鼻の先に駅がありながら、橋のない大きな川が流れているかの如く、反対側の駅舎に行けず、目の前を電車が往復するのをイライラしながらジッと見送るしかない!

 これが毎朝、何年、何十年にもわたって続いてきたのだから、この区間の南武線を利用している人たちにとって「高架化」は悲願!さらに、この「開かずの踏切」が原因で、国道409号等の渋滞や踏切事故も起きており、南武線の「高架化」は諸問題解消にも欠かせない。

 そこで、連続立体交差事業の現在地を目で見て、職員さんから話を聞くために24日の昼頃に玉川中学校の会場を訪問。当日は、2014年2月中旬に発行された「JR東日本南武線連続立体交差事業(矢向駅~武蔵小杉駅間)」パンフレットが配布され、パネル等の展示とともに、職員による取組状況等が丁寧に説明されていた。また、高架化後のイメージ映像が見られるVR体験もできるなど視覚的に「こういう風に変わるのか」と、わかりやすい工夫もされていた。

 まず、驚いたのが、学校の教室の一室を借りての会場なので、履物を脱ぐのだが、靴入れたであろうビニール袋がごみ袋からあふれそうになるほど、ぎゅうぎゅうに押し込められている。午前中だけでかなりの住人が訪れたことが分かり、「10時のスタート時から(この教室が)埋まるぐらい来てくださって、ご説明させていただきました。地域の方からすると、ご期待が多い事業だな」と、事業の関心の高さに職員も驚くほど。そんな説明を受けているそばから、三々五々、1人、2人、ご年配から中年のご夫婦、家族連れ若いご夫婦がドアを開けて入ってくる。(肖像権の問題などで来訪者は移していませんが、本当に盛況でした)。

 熱心に説明を聞き、質問している中には、「平間駅が移動すると聞いたんだけど」と不安げな声で質問する住人の方も。それに、職員さんがパネルを使って、「そんなことはございません。どこから出た話なのか」と訪れた住民からの質問にも丁寧に説明していた。

 ■最新の事業計画
【川崎市】南武線高架化 説明会に住人続々!令和15年には「開かずの踏切」解消見込み南武線連続立体高差事業は、令和5年に都市計画決定を行うということを目標にしてきたが、コロナ禍の影響で、当初計画していた「仮線高架工法」から事業期間の短縮や事業費の縮減が見込まれる「別線高架工法」で取り組む方針に決定。それに伴い都市高速鉄道と都市計画道路が重複する箇所について、国から助言を受け、路法の区域として検討するため、いくつかの課題について再調整が必要となり、都市計画決定が令和5年から令和6年度へと一年後ろ倒しになった。

 このことについて「南武線沿線立体高架事業は期待の大きい事業なので令和5年度で決定できなかったのは申し訳ないなぁというところですけど、いま調整の方もしっかりやっておりますので、おそくとも令和6年度内には事業に着手できるかなぁと思っております」(市の職員)

 事業スケジュール
 2024(令和6)年度 都市計画決定
 2024(令和6)年度 用地取得
 2029(令和11)年度 下り線高架化工事
    下り線切換
 2033(令和15)年度 上り線高架化工事
 2039(令和21)年度 上下線高架化完成
    ※今後の検討で変更となる場合があります。

【川崎市】南武線高架化 説明会に住人続々!令和15年には「開かずの踏切」解消見込み

 となるが、「下り線の切り替えが令和15年です。一線(下り線)だけでも立体高架化できれば、本数は半分で時間は先行的な事例で6割ぐらい減りますので、開かずの踏切は令和15年度には解消できるかな」と、市の職員は見通しを語った。

 また、今回の川崎市の「JR東日本南武線連続立体交差事業」は、矢向駅から武蔵小杉駅となっているが、南武線は鹿島田駅、矢向駅、尻手駅、終点の川崎駅へと続く。 川崎市の都市計画では矢向駅のところで降りることになっているが、矢向も尻手も駅前の状況は変わらない。ならば、なぜ、川崎駅まで「高架化」しないのか。それは、川崎市民以外は、鉄道に詳しい人でないとわからないが、鹿島田駅は川崎市だが矢向駅(※「夜光」という地名は川崎区にある)は横浜市、尻手は駅舎だけ川崎市だが、地名の尻手は横浜市の住所と境界線が入り組んでいる。さらに、尻手駅から浜川崎に向かって南武支線が延びており、尻手駅の次の八丁畷駅から浜川崎駅まで川崎市となっている。

 「私どもの都市計画としては、川崎市の中で完結するような都市計画になっております。ただ、矢向駅の駅前も同じような状況で、横浜市に行ったら南武線の踏切の状況が変わるというものでもない。横浜市さん側も連続立体高架工法区間と位置づけされているので、私どもは用地の取得4.5キロを5年間でと考えています。横浜市さん側は1キロほどと距離も短いので、用地所得する時間も違うだろうということで、その間までには一緒にできるよう協力しておこなっていきますが、今の計画では矢向駅のところで降りるという計画になっております」と川崎市の職員は現状を語る。

 そこで<横浜市のホームページの「市民の声」の公表>の2023年2月に要望受け付けた投稿によると
 (https://cgi.city.yokohama.lg.jp/shimin/kouchou/search/data/35000788.html)
 ■要望
 JR南武線矢向駅における鉄道の高架化や、改札口を駅の上に設ける橋上駅舎化等についての早期の検討を要望します。

 ■回答
 JR南武線におきましては、武蔵小杉駅から尻手駅までについて、川崎市と本市で連続立体交差化について検討を行ってきており、川崎市では、川崎市域内の都市計画決定に向けた手続きが進められています。
 本市域については、貨物線(短絡線)が立体化できないため踏切が残ること等の課題もあり、引き続き、本市域内の事業の効果や有効性を見極めていきます。
また、駅利用者の安全性や利便性の向上に向けて、早期に実現できる改善策の可能性についても、駅利用者の実態を把握し、川崎市や鉄道事業者と協議しながら、幅広く検討を進めていきます。

 としているので、「JR東日本南武線連続立体交差事業」の上下線高架化完成する2039(令和21)年度には、川崎駅までの高架化も併せて実現している可能性もあるようだ。

 

【川崎市】南武線高架化 説明会に住人続々!令和15年には「開かずの踏切」解消見込み
パンフレットより



【川崎市】南武線高架化 説明会に住人続々!令和15年には「開かずの踏切」解消見込み
パンフレット表紙
【川崎市】南武線高架化 説明会に住人続々!令和15年には「開かずの踏切」解消見込み
高さ比較(パンフレット)
【川崎市】南武線高架化 説明会に住人続々!令和15年には「開かずの踏切」解消見込み
施工ステップ(パンフレット)


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パークシティ新川崎前【現況】
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パークシティ新川崎前【将来】


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市立橘高校校門付近【現況】
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