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【ブルーリボン賞】故若松孝二監督、特別賞!遺作の『千年の愉楽』3月9日より公開

【ブルーリボン賞】故若松孝二監督、特別賞!遺作の『千年の愉楽』3月9日より公開
故ワカマツ監督の三女で若松プロの伊藤宗子さん

 昨年10月17日、12日にタクシーにはねられた交通事故が元で死去した若松孝二監督(享年76)が14日、東京・内幸町のイイノホールで行われた、東京映画記者会(在京スポーツ7紙)が選ぶ「第55回ブルーリボン賞」で、特別賞が贈られた。

 特別賞は、長年に渡り多大な功績を残した方や作品に贈られる賞で、若松監督の三女で若松プロダクションの伊藤宗子(のりこ)さんが代理で受け取った。また、若松監督の作品に数多く出演した俳優・井浦新(38)が付き添った。

 故若松孝二監督は、1963年に成人向け映画『甘い罠』で映画監督としてデビュー。エロスや暴力をテーマに若者の支持を獲得。また、故大島渚監督の『愛のコリーダ』(1976)や神代辰巳監督の『赤い帽子の女』(1982)等をプロデュース。80年代以降、一般映画に進出。持ち前の反骨精神で、『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(2008年)、『キャタピラー』(2010年)など世界的に高い評価を受ける作品を次々に贈り出して来た。昨年10月17日に、12日に遭った交通事故が原因で亡くなったが、原発など次の映画への構想を考えていたという。

 伊藤さんは、若松監督を紹介したビデオ映像が、「(撮影現場で)怒っているシーンばかり出ていましたが、実際は優しくて、普通のおじいさんなんです。現場では役者さんやスタッフに自分の手料理を食べさせるのが好きで、料理していたと聞きます」と、撮影現場を離れた時の素顔を明かした。

ブルーリボン賞受賞者

 遺作となってしまった映画『千年の愉楽』(2013年3月9日全国公開予定)のロケ地である三重県尾鷲市で上映会した時のこと、「映像として綺麗に残してくれてありがとう」と、関係者の方がおっしゃってくれたのが、嬉しかったという。そして、「亡くなってしまいましたけど、大島渚さんとか、仲よかった方とお酒を飲んで騒いでいるのかなと思います。『千年の愉楽』が3月9日から公開しますので、ご覧になっていただければ」と、PRした。

 【ブルーリボン賞】故若松孝二監督、特別賞!遺作の『千年の愉楽』3月9日より公開
故ワカマツ監督の作品に多く出演した井浦新(右)も登壇

 特別賞について伊藤さんは、「(これまでは)ご縁がなかったんですが、今回大きな賞を頂いたのでよかったねって。(『千年の愉楽』を)たくさん宣伝してきます」と、父親の若松監督の墓前に報告してきたという。

 また、若松監督の作品に数多くの出演した俳優・井浦新は、「(ビデオ映像の中でも)監督、見事に怒っていましたが、現場ではあのぐらいの志を持って作品作りをしていた監督です。怒りは全て映画への愛だと思っています。監督は生前、『賞というものは特にいらない』とおっしゃっていましたが、いつも賞をいただくことがあると、喜んで頂いていました。今回は間違いなく、大喜びしているに違いありません。監督のもとへ、賞の報告をしに行きたいと思います」と、静かに語った。

 【各賞の受賞者と作品】
 作品賞 『かぞくのくに』(ヤン・ヨンヒ監督)
 外国賞作品賞 『レ・ミゼラブル』(東宝東和の新井重人・取締役宣伝担当)
 監督賞 内田けんじ(「鍵泥棒のメソッド」)
 新人賞 マキタスポーツ(『苦役列車』)
 特別賞 故若松孝二監督(三女で若松プロの伊藤宗子が代理で受け取る)
 助演男優賞 井浦新(『かぞくのくに』)
 助演女優賞 広末涼子(『鍵泥棒のメソッド』)
 主演男優賞 阿部寛(『麒麟の翼~劇場版・新参者』『テルマエ・ロマエ』『カラスの親指』)
 主演女優賞 安藤サクラ(『かぞくのくに』)

 ※在京スポーツ7紙・・・サンケイスポーツ、スポーツニッポン、スポーツ報知、デイリースポーツ、東京スポーツ、東京中日スポーツ、日刊スポーツ。

 

【ブルーリボン賞】「かぞくのくに」3部門!ヤン監督、井浦&安藤の感謝に涙
3部門に輝いた「かぞくのくに」のヤン・ヨンヒ監督
ブルーリボン賞受賞者
外国賞作品賞『レ・ミゼラブル』(東宝東和の新井重人取締役)


ブルーリボン賞受賞者
監督賞 内田けんじ(「鍵泥棒のメソッド」)
ブルーリボン賞受賞者
新人賞 マキタスポーツ(『苦役列車』)


ブルーリボン賞受賞者
助演男優賞 井浦新(『かぞくのくに』)
ブルーリボン賞受賞者
助演女優賞 広末涼子(『鍵泥棒のメソッド』)


ブルーリボン賞受賞者
主演男優賞 阿部寛(『テルマエ・ロマエ』など)
ブルーリボン賞受賞者
主演女優賞 安藤サクラ(『かぞくのくに』)


ブルーリボン賞受賞者
司会の永作博美
ブルーリボン賞受賞者
司会の竹野内豊


ブルーリボン賞受賞者
竹野内(左)と永作(右)で和やかに式が進行した
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