
今月5日、スキーロケで左足首を骨折し、全治2ヶ月と診断された女優・釈由美子(34)が23日、都内で行われた映画『リトル・マエストラ』(監督:雑賀俊郎/配給:アルゴ・ピクチャーズ)完成披露試写会に女優・有村架純(19)、筒井真理子(50)、俳優・上遠野太洸(かとおのたいこう、20)、雑賀監督(52)とともに出席。左足にはギプス、さらに包帯を巻いた痛々しい姿で登場した。
舞台は石川県の港町・志賀町福浦。漁獲量も落ち、過疎化が進んでいたが、そこには数十年続くアマチュアオーケストラ“福浦漁火オーケストラ”があった。しかし、老指揮者・吉川が急死してしまい、オケは解散の危機に。急きょ、孫娘の高校生・美咲(有村)が呼び寄せられ、町の人々は「天才少女指揮者リトル・マエストラ出現!」とはやし立てるが…。
骨折後、初の公の場となった釈は同作について、「見終わった後に心がほっこりなるようなステキな作品になっていると思います」と紹介。美咲の最大の理解者で、音大出身のバイオリニスト・みどりを演じているが、バイオリンの演奏は始めてで、一日5時間の猛特訓の日々だったという。「監督に『これは無理ですよね?』って言ったら、『まあ、できるでしょ。女優さんだったら』と、初めからハードルを上げられた。負けず嫌いだったので、頑張りました」と、舞台裏を明かした。
これに雑賀監督は、慌てて「女優さんだったらじゃなくて、『釈さんだったらできるでしょ』と話した」と弁明。釈は「上手い、下手よりもまず心を届けようと思って、一生懸命弾かせていただいた。最後のクライマックスのオーケストラのシーンでは、自分のシーンじゃないのに、皆さんが弾いてるところで号泣しちゃってました」と、並々ならぬ作品への思いを吐露した。
さらに釈は「頑張りすぎてケガしちゃったんですけど」と、報道されているようにドラマ『コドモ警視』(TBS系火曜・深夜0時55分~、MBS系木曜・深夜0時55分~)のロケで左足首を骨折したことを報告し、MCから「大丈夫ですか?」と気遣われ、「はい、大丈夫です」と気丈に返答。舞台上でふらつき、ヒヤリとさせる場面もあったが、観客に手を振り、笑顔を見せた。
イベント終了後、関係者に話を聞いてみると、釈はきょう23日の午前中に病院で診察を受け、医者の許可を得てイベントに出席。現在、松葉杖をついて生活しており、毎週病院でレントゲンを撮ってもらうなど、全治が見込まれている2月中旬に向けて励んでいるという。
また、関係者は「本人が負けず嫌いで頑張るタイプなので、骨折した後しばらく無理していたので、先生に怒られたみたい」と苦笑いしていたが、現在は釈も左足に痛みも腫れもなく、状態は良好のよう。ドラマのほうは、5話以降、当初の設定を変えて調整するようだ。
舞台挨拶前には、有村が劇中の制服姿で登場し、N響メンバーによる弦楽五重奏『威風堂々』を指揮。作品のテーマとなっているエドワード・エルガーによる同曲を、タイトル通り堂々と指揮してみせ、観客から拍手を浴びた。
有村は「凄い緊張しました。劇中とは違ったパートの指揮だったので、リハーサルをみっちりやって挑んだんですけど、映画よりいまの本番が緊張しました(笑)」と笑顔。今回、リトル・マエストラを演じるにあたり、「指揮も振るだけなのかなと思っていたら、全然そんなことなくて。立ち方と振り方、指揮の出し方だったり、本当に細かいとこまできっちりやらなきゃいけなかった」と、主演の苦労を明かした。
すでに舞台となった石川県では先行上映されており、チェロを演奏する高校生役の上遠野は、「金沢の映画館を6ヶ所回らせていただいたんですけど、お部屋を飾ってくれたり、みんなの似顔絵を描いてくれたり、お寿司をとってくれた。めちゃくちゃ美味しかったです」と、地元の方々にお礼を。
劇中でフルートを演奏している筒井は、「私はブラスバンドでフルートをピッコロをやっていたので、タレント名鑑にずっと書き続けていたけど、一度も採用されたことなかった。ありがとうございます」と、雑賀監督に感謝していた。
その他、蟹江敬三(68)、篠井英介(54)、前田吟(68)、『EXILE』のMATSUこと松本利夫(37)らが共演者に名を連ねている。







