女優・岩下志麻（72）が29日、大ファンという韓流スターのイ・ビョンホン（42）が主演する映画『王になった男』（監督：チュ・チャンミン／配給：CJ Entertainment Japan）の「大ヒット祈願押印式」に応援で駆けつけ、イベント終了後に、念願叶って初めて対面した感想を語った。
岩下が、自分が出演していない映画のイベントに出席するのは珍しく、「20代のころ、アラン・ドロンさんのファンだったので、来日したときに花束を持ってうかがったことがあります。こういうイベントに出るのは久しぶりですね」と、数十年ぶりのことだという。
それほどまでに、大ファンというビョンホンに会った印象を尋ねられると岩下は、「一度お目にかかりたいと思って、念願かなった。笑顔もすてきで、思ってた通り誠実ですてきな方でした。私のイスを出したり引いたりと細やかな気遣いもなさって」と、語る姿に、大女優という風格はなく、完全にいちファンという様子。
もちろん、俳優としても評価が高く、「アクションの映画もスタント無しでおやりになって凄いなぁと。役作りで、役へののめり込み方が凄い。肉体改造までなさるんです。ボクサー役なら、ボクサーみたいな身体になる。どの役やっても、どの作品をやっても、ビョンホンさんと、役柄が一体化して見える。役作りが素晴らしいなぁ」と、同じ俳優としてのリスペクトしている。
岩下が、ビョンホンのとりことなったきっかけは、「ビョンホンさんが、ドラマ『オールイン 運命の愛』に、お出になっていた時に、『すごくチャーミングな俳優さんが韓国のテレビドラマに出ている。ストーリーが面白くなりそうだから』と、勧めてくれたのが篠田です。それで、私も見だして、ハマりだして、夫婦で毎回、観ていました」と、夫で元映画監督の篠田正浩（81）氏の勧めによるという。
それ以来のファンで、10年以上という岩下。そのファンぶりは相当なもので、好きな作品を、「温かい役柄では映画『我が心のオルガン』（1999年）や映画『夏物語』（2006年）、ちょっとハードなのでは映画『甘い人生』（2005年）など、ドラマ『IRIS-アイリス』（2009年、KBS）も全部観ました」と、お気に入りの出演作をスラスラと出てくるほど。
今回の作品は、ビョンホン初の時代劇で、王と影武者という初の一人二役に挑む。実在した李氏朝鮮の第15代国王・光海の史実とフィクションを交え、歴史から消された15日間の秘密を描いた、絢爛豪華な宮廷歴史大作。
映画の感想を聞かれた岩下は、「二役は私も2度ほどやっておりますが、本当に難しいんですよ。ビョンホンさんは、王と影武者の2役を見事に演じられていて、素晴らしかったですね。王様の風格、影武者の方は、動作、言葉遣い、業務を覚えながら成長していくプロセスがよく描かれていて」と、演技も映画としても絶賛した。
「いずれは共演したい。ずっと思っている」という岩下の思いを知っている関係者が、実現のために実際に動いたことが、何度かあったそうで、「周りのプロデューサーさんとかが、そんなにファンなら共演したらいいんじゃないとおっしゃってくれて。動いてくださったことはあったんですが、なかなか交渉して実現には至らなかったですね」と残念そうな表情を見せた。
また、本作にからめて、自身が一人二役を演じた篠田監督作『心中天網島』のサイン入りDVDをビョンホンに渡したそうで、そのお礼として『王になった男』のパンフレットにビョンホンのサインをもらったという。岩下は、「（サインは）遠慮してたんですけど、こんな機会もめったにないですから。せっかくだからいいかしらと思って」と、恋する少女のように、うっとりした表情で振り返った。
そんな岩下に、報道陣から、「ビョンホンさんは岩下さんにとって（心の）恋人ですか？」と、問われると、「恋人は無理ですよ。義理の母親といった感じかしら」と、笑ってみせた。
同映画は、2月16日より新宿バルト9、丸の内ルーブルほか全国で公開される
