俳優・山本耕史（36）とシンガーソングライターで俳優の中川晃教（30）が7日、都内で行われた舞台『ロックオペラ モーツアルト』（演出：フィリップ・マッキンリー）制作発表会に、歌手で俳優の高橋ジョージ（54）、人気アイドルグループ『AKB48』の“さやか”こと秋元才加（24、チームK）らとともに出席した。
09年にフランスで初演され、これまでパリでの再演やヨーロッパツアーを含め、計305回公演、通算150万人を動員するフランスミュージカルとして、記録的大ヒットとなった衝撃のロックオペラ。天才モーツァルトと、その才能に嫉妬し狂気へと進むサリエリの姿をロック調に演出した作品。ブロードウェイの奇才、フィリップ・マッキンリーによる新演出を日本人のキャストで公演する。
天才モーツアルトと宿敵サリエリを山本と中川が全公演、交互に演じるダブルキャストという凝った演出が、日本版の見どころとなっているが、山本は、「2役同時期に2つの役やるのは、やったことがない。小学生のようなやんちゃなモーツアルトと、オトナで先生のようなサリエリを演じ分けていこうかなと」と、戸惑いながらイメージを語る。
まず中川は、「19歳の時にウィーンのミュージカルでモーツアルトを演らせていただきました。10年経って、再び、モーツアルトのオペラロックと出会いました。10年経ってサリエリを演じたいと思うようになった時に、お話いただいた」と、運命的な出会いへの思いを語った。
その上で、入れ替わりのＷキャストについて、「どうなるんだろう。耕史さんについていく感覚と、見えてきたものを逃さずにちゃんとキャッチボールできれば役を交代するのもかわれるかな」と、こちらも戸惑い気味ながらも、「耕史さんがやんちゃなイメージなので、モーツアルトのイメージは耕史さんそのもの。公演中も毎日、サリエリとして生きているモーツアルトを見れるので、演じるときにリアルタイムで変化して、生まれていくという気持ちかな」と、貴重な体験を活かすことを考えている。
舞台初出演で、モーツアルトの父・レオポルドを演じる高橋は、「初舞台の緊張よりもエンジョイしたい。大人数のでかいロックバンドだと思っていただけたらいい。芸術的で、格闘技のよう。競い合って、ぶつかり合っていくショー。モーツアルトは、時が時ならば、完全にロックンローラーだったなと思う。父子で破壊と構築をずっと繰り返してきて、作り上げたキャリアに乗っからずに、壊して白いキャンバスにし、最後に白いキャンバスで終えたというのがすごい」と、ロッカーらしい言葉で意気込みを語った。
そして、父親役について、「モーツアルトにとって、父親の存在は大きい。バンドでいうとツインボーカル。僕のなかでは、ジョン・レノンとポール・マッカートニー。音楽プロデューサーのジョージ・マーチンが5人目のビートルズと言われたように、3人目のモーツアルトと言われたい。自分が音楽を目指した中で、父親が一番理解があった。ウチは父子家庭で、父親との密接な関係で、自分のロックンローラーがあるので、気持ちを入れられるんじゃないかな」と、自身の父子の関係とビートルズを比喩に語った。
演出家のフィリップは、「新しい作品にしていこうという試み。モーツアルトをレディーガガがやるならどうなるだろうというと話している。ミュージカルよりはロックショー。表情豊かに情熱的に演じて欲しい」と、語った。
最後に高橋は、「絶対見る価値がある。自分も出てなかったら見にいっている作品で、両方のモーツアルトとサリエリを見たいから2回は行く。チケットも2倍売れる」と、景気いい話しをぶちあげた。
東京公演は、2013年2月11日～17日まで、東急シアターオーブにて。大阪公演は、2013年2月22日～24日まで、梅田芸術劇場メインホールにて。
