歌手・坂本冬美（45）と藤あや子（51）が1日、東京・明治座でダブル座長となる明治座9月『坂本冬美 藤あや子 特別公演』初日を開催した。
2大歌姫競演という普段では見れない公演で2部構成。第1部では山本周五郎原作、2人の男性の成長を描いた『さぶ』を2人の女中という設定で坂本と藤にアレンジしなおした時代劇『おさんとおしの』（演出：田中林輔）。2部は『冬美とあや子の麗しのショータイム』で、その美声を存分に堪能できる、盛りだくさんの公演だ。
『おさんとおしの』では、藤が「私達の2人の間柄をそのまま作って下さったような感じで、泣けてくるんです。強く生きていこうねという真実が有るんです」という通り、財布を盗んだというおしの（藤）の濡れ衣を晴らすために必死に奔走するおさん（坂本）の、まるで姉妹のような人情劇にファンは惜しみない拍手を送る。
ショーでは、初日で劇の緊張が和らいだのか、13曲目の『星のフラメンコ』で坂本が歌詞を忘れてしまうこともあったが、「忘れてしまいました」と、その場でお茶目に苦笑いするなど、舞台ならではのハプニングに観客は拍手で応援。藤が新曲『わすれない』を、坂本がシンガーソングライター・谷村新司（63）が手がけたという『人時』を披露し、坂本が「初日ですが千秋楽のような気持ちです」と、デュエット合わせて全20曲を熱唱し初日を終えた。
終了後の会見では、明治座の1ヶ月公演は初めてという藤が「プレッシャーがあったんですけど、冬美ちゃんが隣にいるので、安心感がありました」といえば、坂本も「右に同じです」と合わせ、笑みを見せる。ショーでは息の合った掛け合いだが、台本はなく打ち合わせもなしだったそうで、坂本が「思ったことを口に出しているんです」と、完全にアドリブなのだとか。「構成だけ、お酒を飲みながら打ち合わせて、翌日見たらこれじゃダメだよってなって、1からやり直してというのを繰り返しました」と、坂本からエピソードを明かした。
舞台ではシリアスなもので疲れるそうだが、報道陣が「17、21歳という設定ですが？」と、尋ねると、「そこを突きますか！」と、2人で苦笑いしつつ、坂本が「舞台ですからね。化粧を濃くしていますが、3階の方はごまかせるかな」と、ほほ笑む。9月に入りそろそろ、年末のNHK紅白歌合戦出場も意識する時期となってきたが、草履と帯の色という微妙にしか変わらない2人は「この衣装で出る？」と藤が言えば、「本当にバーターになっちゃう」と、坂本は笑うこととなった。
また、最近、演歌界では歌手・小林幸子（58）の事務所社長解任騒動や日本コロムビアとの契約解除など本業以外の話題が多く出るが、藤が「大先輩ですから寂しいですね。でも、きょうも幸子さんがアイスクリームを差し入れてくださって。お手紙で舞台頑張ってくださいと入っていたんです。福島の方から取り寄せてくださったそうで」と気遣いをされたそうで、2人で「ありがとうございます」と、頭を下げることも。小林が新曲を自主レーベルから出すことについては、坂本が、「きょうの公演で『もしも明日が…。』はユニバーサルさんからで、所属もしていないのに歌わせてもらったんです。あまりこだわらなくてもいいのかなと思います」といえば、藤も「一日も早く歌いたいと思いますよ」と、エールを送っていた。
「人間同士のつながりというか、人とのつながりや縁を大事にしたいなと。それぞれにあるドラマ、その中でみんなが強く頑張ろうねというメッセージがあります」と、藤からアピールがあった特別公演は1～27日まで全40回公演で明治座にて開催！
