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【ロンドン五輪】バレーボール女子“火の鳥NIPPON”28年ぶり銅メダル!迫田が大爆発

 ロンドンオリンピック第16日目の11日、バレーボールは女子の3位決定戦が行われ、“火の鳥NIPPON”は、28年ぶりのメダルをかけて、永遠のライバル・韓国と対戦し、セットカウント3‐0で下し、銅メダルを獲得した。

 日本は、江上由美・中田久美・三屋裕子を要して挑んだ1984年のロサンゼルスオリンピック以来、遠ざかっていた悲願のメダルをつかんだ。一方、韓国は、1976年モントリオールオリンピック以来、36年ぶりのメダルを逃した。

 これまで日本の31勝29敗と勝ち越してはいるが、ほぼ互角。焦点は、韓国の絶対的エースであるキム・ヨンギョンをどう止めるか。192センチの長身から振り下ろされるスパイクは脅威。5月に行われた2012ロンドンオリンピックバレーボール世界最終予選を兼ねたアジア大陸予選大会では、32点の荒稼ぎをされ、日本は敗れている。

 日本の先発メンバーは、竹下佳江(=JT、34)、荒木絵里香(=東レ、27)、佐野優子(=イトゥサチ[アゼルバイジャン]、33)、大友愛(=JT、30)、新鍋理沙(=久光製薬、22)、迫田さおり(=東レ、24)、木村沙織(=東レ、25)と、準々決勝の中国戦では木村と共に諒エースで爆発したが、イタリア戦では不調だった江畑幸子(=日立、22)ではなく迫田を投入。これがピタリと当たった。

 第1セット、韓国のサーブからスタート。調子の上がらない韓国のミスに乗じて、4連続ポイントと、日本はいい出だしも、途中で韓国に4連続ポイントを取られ追いつかれる。中盤は一進一退のサイドアウトを繰り返す。21-21から日本は迫田のスパイクでポイントをとるが、韓国は日本のスパイクに対して、お見合いしたり、キム・ヨンギョンがバックアタックの時に、ラインを踏んだりとミスが続く。24‐22と2点リートで迎えたゲームポイント。最後はこの日、好調の迫田が決めて25‐22で日本が先制。

 第2セット、第1セット同様、ブロンズメダルマッチのプレッシャーから歯車か噛み合わない韓国に対して、木村のサーブポイントなどで4‐0とリード。さらに、攻撃的なサーブで相手のレシーブを崩し、好調の迫田が決めるなどして8‐1と序盤から大きくリード。中盤から、徐々に韓国も攻撃がかみ合い出し、4連続、5連続とポイントを連取され、23‐21と追い上げられる。迫田のスパイクで24‐21と3点のリードでゲームポイントを握るが、韓国も3連続ポイントでジュースに持ちこむ粘りを見せる。

 いつもなら、ここはエース木村だが、この日は、当たりに当たって、ラッキーガールにもなっている迫田にトスが上がり、これをキッチリ決めて、25‐24と再びゲームポイントを取る。最後は韓国が日本のサーブをレシーブミスして、26‐24で日本が奪い、セットカウント2‐0とし、28年ぶりのメダルへ王手をかける。

 一気に決めたい日本だったが、第3セットは、これまでの2セットとは違い、韓国が4‐7とリードを奪う。しかし、ここでも迫田のスパイクで2点を奪うなど7‐7と3連続ポイントで追いつく。ふたたび韓国に8‐10と引き離されたが、ここで今日はスパイクよりも、サービスポイントや相手を崩すなど攻めるサーブで貢献していた木村が、2連続スパイクを決め10‐10の同点と日本が再び追いつく。

 中盤は、サイドアウトでの一進一退を繰り返しながら、どちらかが2点リードしても、すぐに追いつくと、なかなか引き離せない攻防が続く。19‐19から、きょう、1人で20点以上を決めている迫田や新鍋がスパイクを決め24‐21と、マッチポイントを迎える。最後も迫田がレフトから、2枚とんだ韓国のブロックを打ち抜き、25‐21で第3セットを取る。セットカウント3‐0のストレートで日本が銅メダルを獲得。

 25点目を決めた瞬間、日本チームはコート上で輪になり抱き合ったまま泣き崩れる。そこに、ベンチにいた控え選手スタッフも乗りかかって、“山”のようになる。泣き笑いのような歓喜の渦が起きる。会場に集まった大応援団の「おめでとー」と拍手の歓声に応える日本選手たちは、お祭りムードで銅メダルを獲得した喜びをかみしめていた。

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