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【ロンドン五輪】サッカー女子なでしこJAPAN、猛攻実らず銀メダル!決定機ハズす

 ロンドンオリンピック第14日目の9日、準決勝でフランスを下して悲願のメダルを確定させた“なでしこJAPAN”は、昨年のW杯で決勝を戦って勝ったアメリカと対戦。

 女子サッカー史上初というW杯とオリンピックの「連覇」に挑んだなでしこJAPANだったが、アメリカよりも多く作った決定機を決めきれず1‐2で惜敗。銀メダルを獲得した。アメリカは3大会連続の金メダルとなった。

 レフェリーも日本が優勝した昨年のドイツW杯と同じで、なでしこにとっては、ゲンのいい「再現」となった。

 なでしこのスタメンはGK福元美穂(『岡山湯郷Belle』・28)、DFは右から近賀ゆかり(『INAC神戸レオネッサ』・28)、岩清水梓(『日テレ・ベレーザ』・25)、熊谷紗希(女子ブンデスリーガ『1.FFCフランクフルト』・21)、鮫島彩(『ベガルタ仙台レディース』)、MFはボランチに澤穂希(『INAC神戸レオネッサ』・33)、阪口夢穂(『日テレ・ベレーザ』・24)、右サイドに宮間あや(『岡山湯郷Belle』・27)、左サイドに川澄奈穂美(『INAC神戸レオネッサ』・26)、2トップに大野忍(『INAC神戸レオネッサ』・28)、大儀見(旧姓:永里)優季(女子ブンデスリーガ『1.FFCトゥルビネ・ポツダム』・25)の11人と、ベストメンバー。

 前半、左から右に攻めるなでしこ。立ち上がりからアメリカが前線にロングボールを放り込み、ワンバック、モーガンの2トップを使う得意の形で猛攻を仕掛ける。なでしこは、ワンバックは抑えるも、モーガンを抑えきれず、チャンスを作られる。

 前半8分、左サイドからのボールを受けたモーガンが中央に折り返し、後方から走り込んだロイドがヘッドで決めて、アメリカが先制ゴール。0‐1。

 いきなりの失点だったが、ここからなでしこは落ち着いて立て直し、徐々にパスが回り出し、再三、左サイドの川澄を経由して、アメリカのゴール前に決定機を作っていく。

 前半16分、大儀見、澤とつないだボールに川澄が抜け出し、シュートを放つが、DFがブロック。こぼれ球に大儀見が詰めるが、GKとDFにこれもブロックされる。

 前半17分、左サイドから川澄のクロス。中央に走り込んだ大儀見が倒れながらヘッドもGKが触り、こぼれたボールに大儀見が立ち上がってシュートを打つが、ゴール右に外れる。

 前半33分、鮫島から川澄へのパスで左サイドを突破。ペナルティーエリア内左でパスを受けた大野が粘ってキープし中央へ。後ろから走り込んできた宮間がシュートを放つが、クロスバーをたたく。日本、またしても決定機を決められない。

 前半38分、ペナルティーエリア付近でボールを大儀見が落とし、走り込んだ大野がミドルシュート。ボール1個分ゴール右に外れる。

 前半45分、大野へのファウルで得た左からのFK。宮間がゴール前に放り込み、澤が飛び込むが、DFにクリアされる。

 前半を0‐1とアメリカにリードされて終了。なでしこのほうが、アメリカよりも攻撃の形を作り、アメリカの守備陣を左サイドから崩し、多くのチャンス・決定機を作ったが、あとわずかのところで、得点にならなかった。

 後半、右から左に攻めるなでしこが、前半からのいい形を持続し、アメリカのゴールに迫る。

 後半1分、大野がファウルを受け左からのFK。宮間がボールを入れるもGKがパンチングではじく。後半2分、鮫島からのパスで川澄で左サイドを抜け出す。川澄が中央に折り返すがDFがクリア。後半7分、左サイドから川澄が中央に折り返し、走り込んだ宮間がシュートもゴール左に外れる。

 ところが、 後半9分、中央やや日本陣内でボールを受けたロイドがドリブルで前へ進み、そのままペナルティーエリア付近右からミドルシュート。決まってしまい、アメリカに0‐2とリードを広げられる。

 しかし、最後まであきらめないなでしこは、ココから、さらに反撃を開始。後半14分、ボランチの阪口を下げ、田中明日菜を投入。もう一人のボランチの澤をよりFWに近い位置でプレイさせる。

 これが功を奏し、後半17分、バイタルエリアから宮間、大野とボールをつなぎ、中央で待つ澤へ折り返す。澤がシュートを放つもDFにふさがれるが、こぼれたボールが、再び澤へ。これを澤は落ち着いてゴール前左にいた大儀見にパス。大儀見が押し込み、日本が1点を返す。

 さらに、後半20分には、宮間がペナルティーエリア付近からシュートを放つが、ゴール上に外れる。

 対するアメリカは、後半23分、ファウルで得た右からのFK。蹴ったボールが、GKと至近距離にいた選手の足元へ。シュートを放つが、GK福元がファインセーブ。

 今度は、後半27分、相手DFのハンドで得た右からのFK。GKがパンチングではじき出すが、こぼれ球がゴール前で混戦となる。誰かが蹴り込めば1点というところも、熊谷が詰める際にファウルをとられる。

 後半30分を過ぎたところで、佐々木監督は、DFの鮫島に代えて、FWの岩渕真奈を投入。守備の選手を一人減らし攻撃の選手を入れる。これにより、3‐4‐3と3トップ、3バックの攻撃的布陣をひく。さらに、相手のFKやCKでも、前線の3人は守備をしないで、トップに残らせる。アメリカも、日本のカウンターを警戒し、セットプレイでも人数をかけてこない。

 この佐々木監督の選手交代がまたも当たり、後半38分、アメリカ陣内の深い位置でDFがボールを持った瞬間に、岩渕が左サイドからチャージをかけてボールを奪う。そのままドリブルでペナルティーエリア内に入る。キーパーと1対1になるも、GKがファインセーブ。しかも、右から大野がこぼれ球を狙って詰めていたが、これも見切ったうえで、安全なところにはじくキーパーの守備力の高さが光る超ビッグプレイ。

 なでしこは、前後半合わせて、何度目かの決定機をまたも決められず、同点機を逸する。

 佐々木監督は、後半41分、FW大野をFW丸山桂里奈に代える最後のカードをきる。

 後半42分、岩渕へのファウルで得たハーフウェーライン付近からのFKを宮間がゴール前に放り込む。田中が競り合うが、DFがクリア。

 アディショナルタイムは2分。日本は最後まで前線にロングボールを放り込み、なんとか1点と、必死の攻撃をするが、アメリカもゴール前に人数をかけ、日本に決定機を作らせない。試合はこのまま、1‐2でなでしこが敗れた。

 終了のホイッスルと同時に、ピッチに座り込み、号泣する選手たちだったが、表彰式の入場のときは、全員が1列になり、前の選手の肩に手を置きつながって、笑顔で入場。ピッチに入ると、全員が手をつなぎ表彰台へと向かった。

 メダルを授与される1人1人の選手は、カメラに向かってVサインや銀メダルを掲げるなどおどけた表情で、悔しさの中にもやりきった満足感でいっぱいの晴れ晴れとした表情をテレビ画面にアピールした。

 表彰式を終えた大儀見選手のコメント
 残念ながら結果的に負けてしまいしたけど、自分たちが積み重ねてきたものは次につながるので、銀メダルは価値のあるものだと思います。(今日も追い上げる1点をとり、大会通算3ゴール目)周りのみんなが自分を活かしてくれた点なので、みんなには感謝の気持ちでいっぱいです。(最後まであきらめない姿勢を示してくれましたが)これが自分たちらしいサッカーです。これをベースにして、高いレベルになって、もっともっと上手くなって、アメリカにも勝てるよう練習していかなければいけない。(今後について)W杯、オリンピックと、これからも続いていきます。自分個人としては、日々のトレーニングからレベルアップすること。高いレベル目指してトレーニングに励んでいきたいと思います。

 キャプテンの宮間選手のコメント
 金メダルをとりたかったと思いますが、銀メダルを獲れたのも素敵な仲間たちとだったので、誇りに思います。

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