サッカー男子日本代表(SAMURAI BLUE)の森保一監督と、元サッカー男子日本代表の鈴木啓太氏が2024年12月26日に東京・銀座のKDDIのコンセプトショップ「GINZA 456 Created by KDDI」で行われた「未来人財共創ワークショップ”未来のサッカーを考える日本代表”になろう。」に参加した。
(取材・撮影:伊藤直樹©ニュースラウンジ)
このワークショップは、未来人財である小中学生を対象に、サッカーの未来を考える機会を提供するワークショップ。二部構成で実施され、事前に応募した中から、第一部は小学4〜6年生のサッカー競技者が32名、第二部は中学生、高校生の女子のサッカー競技者3名が参加。サッカー日本代表の森保一監督(第一部参加)をはじめ、元サッカー日本代表の鈴木啓太氏(第一部参加)、元なでしこジャパンの近賀ゆかり選手(第ニ部参加)によるトークセッションをはじめ、元サッカー日本代表とともに「どうしたら日本のサッカーが強くなるのか」、「どうしたら日本のサッカーが盛り上がるのか」など、サッカーの未来を考えるイベント。
現役時代に日本サッカーを盛り上げるために意識していたことを聞かれた鈴木氏は、「目の前の試合に勝つことだけしか考えてなかった」とキッパリ。その理由として、「やっぱり勝つとファンの方が喜んでくれる。あとは日本代表になると、そのサッカーを知らない人も一緒に盛り上がってくれるんですよ。だから“国を背負って戦う”っていうのは、ものすごく責任感とか重圧とかがあるんですけど、その勝つということで盛り上げていきたいな」と考えていたという。
一方、選手としてだけでなく監督としても日本代表を率いて好成績を出している森保監督は、「国を代表して戦うということは勝ちたいと思っていますし、勝たなければいけないっていう期待も感じています。プレッシャーはありますけど、でも責任としては、選手であっても監督であっても、自分ができることにベストを尽くそうっていう考え方は変わってないですね」と語る。
ここで、小学生の子供たちにうまくなるコツを森保監督が日本代表選手たちの考え方を引用しながら伝授する。「選手たちは監督の言ったことだけ聞いてやるって感じじゃなく、まずはチームの決まったことをみんな実践してくれようとします。でも、その過程で自分はどうしたらいいのか、グループとして味方がどう繋がったらいいのか、チームとしてどう戦うのかっていうのは、すっごくみんな聞いてきますし、質問してきます。最終的にこう決まったら、チームのために、仲間のために頑張る。なので、自分が出られなかったら『なんで出られない』ってみんな聞いてきます。みんなにもこれは本当に思ってもらいたいことだけど、どの選手もこのポジションは俺が1番と思っているんです。その中で実際監督が決めたんだから仕方ない。でも、今日はスタメンじゃないけど、サブから繋げて勝っていこうっていう気持ちは持ってますけど、まずは自分が1番(上手い)から入ってるんで、これはめちゃくちゃみんなに持ってほしいとこですね」と、心の持ちようの重要性を説く。
最後に1つMCから質問。本日のイベントでは、「日本のサッカーの未来を考える」をテーマにしています。ずばり、日本サッカーが男女問わず盛り上がるための課題は?
鈴木氏 もちろん1人1人そのサッカーを好きになってもらうってことは当然なんですけど、そのためにはやっぱ僕は日本代表に勝ってもらうっていうことが 1番なんじゃないかなと思うんですよ。日本国中を巻き込んでいってくれる。これがサッカーの強化につながったり、認知であったり、知ってもらうっていうことからだと思うんですけれども、森保さんに全て丸投げみたいな感じになりますけど。(笑い)
森保監督 いい選手とスタッフがいるんで勝ちます。世界の中でも勝っていきます。まずは勝利は大切だと思います。

<小学生からの質問>
どういうきっかけで。日本代表のオファーっていうのはいつ来るんですか。
鈴木氏 日本代表にオファーというか選ばれましたっていうのは前触れもなく急に来ます。なので、ずっとやり続けるということが大事です。みんなね、この場所に来てるよね。サッカーうまくなりたいから来たんでしょ。で、これみんな行動できるってことは素晴らしいこと。素晴らしいんだけど、この行動することを次に継続するっていうのは難しいんだよ。うまくなりたいと思ってちょっと練習する。でもうまくいかないな。でもその後、練習を続けていくとできるようになる。これをずっと続けていくと、いつか日本代表に選ばれたっていう電話がかかってくるかもしれません。そのためにね、プロサッカー選手になるとか、その前にずっとね、サッカー続けてるってことも大事ですけど、そういうチャンスがいつか必ず来ます。継続してください。僕はそう思っています。
森保監督 まずは上手くなるために、鈴木さんが言われたみたいに、継続するっていうことをずっと積み上げてうまくなることが大事。(質問した子がセンターバックと聞いて)センターバックで俺が日本で1番って思うことずっと。それを周りもそう認めること。そうすれば日本代表に選ばれます。あとは、これ言おうと思って言う前に手を挙げてくれたんだけど、日本代表選手たちの集まりだったら手がもっといっぱい上がってる。何を言いたいかっていうと、みんな多分聞いてみたいと思ったことあった人が多かったと思うよ。でも、ちょっと 俺が今ここで手あげたらちょっと恥ずかしいなとか、ちょっとシャイな気持ちになったりとか、そこを勇気を持ってこう手を挙げてくれたっていうのは、もう絶対的にうまくなる。チャレンジすること。勇気を持って自分がうまくなるために失敗を恐れずにチャレンジすることが、さっき言ってくれた鈴木さんの継続にチャレンジし続けるっていうことがうまくなることだと思うので、日本代表にも近づけると思います。できると思います。自分の可能性を信じてどんどんチャレンジしてください。
ゲストトーク後には「サッカーを楽しむ人を増やすには?」をテーマにワークショップを実施。グループ毎に熱心に取り組む中、森保監督、鈴木氏も積極的に子どもたちに声を掛けながら、自身の経験を伝えました。
参加した子どもたちからは「サッカーを身近に感じてもらう」、「男女平等にするために環境を整える」といったアイデアが発表され、鈴木氏も「子どもならではのオリジナルな意見が多く、自分も勉強になりました。」と回答するなど、サッカー界の将来向けて熱い意見が飛び交う中、第一部が終了した。
最後に、本日のワークショップを振り返って、鈴木氏は「今日学んだことを活かして、いつか皆さんが日の丸を背負って戦う姿が見られることを楽しみにしております!」と、未来の日本サッカーを担う子どもたちに熱いメッセージを送った。
サッカー競技者を対象にKDDIが218名を対象に事前に実施したアンケート(*)では、『大人になってもサッカーを続けたいと思いますか?』という問いに対し、『続けたい』と回答した人が、男子82.9%、女子77.1%という結果になりました。ともにサッカー継続意向は高かった中、『男子選手と女子選手が競技を続ける中で「環境差」を感じたことはありますか?』という問いに対し、『よくある』と回答した人が、男子が13.4%と低くなったのに対し、女子は43.8%と高い結果となり、プレー環境における調査で差が見られました。
そのような調査結果を踏まえ、事前に応募していただいた中から、第一部は小学4〜6年生の男子サッカー競技者が31名、第二部は中学生、高校生の女子のサッカー競技者が3名が参加し、「サッカーを普及させるためには」をテーマにワークショップを実施。ワークショップの開催にあたり、KDDIの坂本伸一(ブランドコミュニケーション本部 ブランドマネジメント部 部長)より、「私たちKDDIは、みなさんとともに、2030年に「つなぐチカラを進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる」ことを目指しています。みなさんと一緒に日本サッカーの未来を描いていきたいと思います。」と参加した子どもたちに挨拶しました。
