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【ロンドン五輪】男子66キロ級海老沼匡!前代未聞、旗判定が覆り準決勝へ

 ロンドンオリンピック大会3日目の29日、柔道は男子66キロ級の海老沼匡(=パーク24株式会社・22)が登場した。

 準々決勝では、延長の末、一度、旗判定で0-3と「負け」たが、会場からの大ブーイングが起き、協議し直し、判定をやり直すという前代未聞の出来事が起き、今度は3-0と大逆転で準決勝進出となった。

 2回戦 海老沼匡 ○(内股 一本)× サーシャ・メフメドビッチ(カナダ)

 海老沼は、メフメドビッチに奥襟を取られ、何度か投げられて体が浮くも、上手くかわす。そして、海老沼がしっかり前襟と弾き手を取った瞬間だった、1分35秒に腰車で「有効」を奪うと、2分には背負い投げで「技あり」を奪い、最後は、2分53秒、内股で「一本」。

 3回戦 海老沼匡 ○(一本背負い投げ 技あり)× セルゲイ・リム(カザフスタン)

 投げ技で攻める海老沼。2分10秒に、「帯を長く持ち過ぎた」として、リムに「指導」。4分過ぎには、リムの内股でヒヤリとしたが、うまくしのぎ延長へ。

 そして、延長2分04秒、これまで何度も背負い投げを掛け続けた海老沼の一本背負い投げが、相手の腰に乗っかり、きれいに回って、「技あり」で勝負あり。

 準々決勝 海老沼匡 ○(判定 3-0)× チョ・ジュンホ(韓国)

 開始20秒、チョの袖釣り込み腰でヒヤリとする場面をこらえる。その後も袖釣り込み腰を狙うチョ。前襟を取らしてもらえず、なかなか技が出ない海老沼は「指導」を受ける。

 ここから、攻める姿勢を前面に出した海老沼は、小内巻き込みと、背負い投げで前後に揺さぶりをかける。すると、それを嫌うチョは、ムリな体勢なのに技を出す戦法でかわしに入るが、これが掛け逃げと取られ、「指導」を受ける。

 ポイントもなく両者「指導」で互角となり、決め手がなく、海老沼は3回戦に続き2戦続けて延長戦へ。

 ポイントが入った瞬間に決着するゴールデンスコア方式で行われる延長戦。

 延長1分28秒、海老沼の小内刈りが一度は「有効」と判断され、海老沼が勝ったかに見えたが、協議の結果、取り消されて、試合続行。

 3分間の延長でも決着つかず旗判定へ。結果は、「青3本」上がり、チョが喜びの雄たけびを上げる。ところが、海老沼が「敗退」と思ったが、会場からいっせいに大ブーイングが起こる。

 館内が騒然とする中、センターテーブルのジュリー(ビデオを見る審判委員)が主審・副審を呼び、「もう一度、競技しなおすように」と、前代未聞の旗判定のやり直しを支持。

 畳の中央で、再度主審と副審が競技をし、再度の判定結果は…「白3本」の旗が上がる。今度は、納得いかない韓国サイドだったが、審判たちは畳を下り、判定は覆らず。

 海老沼の準決勝進出が確定したが、後々に、物議をかもしそうな一戦となった。

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