川崎市出身の俳優・市原隼人が1月13日に川崎市・グランツリー武蔵小杉内で行われた「消防フェア」のイベントに登壇。一日消防団長に就任し、若者に向けて消防団入団促進を呼びかけるとともに、火災の起きやすいこの時期に火災予防の広報を実施した。
(取材・撮影:伊藤直樹©ニュースラウンジ)
消防団とは、市町村の消防機関で、火災や大規模災害などの際に消火や救助活動を行う非常勤の地方公務員組織。普段は他の仕事に就いている地域住民が、災害発生時に地域を守るために活動している。消防団にぜひ入ってみたいという方を募りたいというイベント。近年、消防団員は減少傾向にあり、消防団員の不足がさらに深刻化すると、自然災害等から市民の生活や生命を守ることができなくなる恐れがある。このような現状から、成人の日を迎える若年層をターゲットにした入団促進及び火災予防を呼びかけるため、川崎市出身で俳優の市原隼人さんを1日消防団長として委嘱し、消防団に対する認知度向上を図り、団員の動画活動の活性化につなげることを及び火災予防を目的として行われた。
市原さんは、スペシャルドラマ『252 生存者あり episode.ZERO』(日本テレビ系/08)で消防士役を演じた経験があるほか、2022年秋の火災予防運動週間のポスターに起用されるなど消防行政と深い関わりがある。「私が生まれ育ったこの川崎がさらに魅力を纏い、飛躍することを心から願いながら、郷土愛とこれ以上ない敬意を払い一日消防団長を努めさせていただきます。その中で消防団にご関心いただけること、そしてなにより防火と災害に関して意識を高めていただけることを心から願って、本日は短い時間ですけども、何卒よろしくお願いいたします」とあいさつ。
初めて消防団員と対面した市原さんは「本当に男女問わず年齢の幅も広いですし、いろんな方がいらっしゃるんだなと」と感想を述べ、続けて「制服を着させていただいて、身の引き締まる思いです。私自身、普段から防火防災に関して大切なことだと心得ています。避難経路、キッチンの周りのガスなど、もしもの事態に備えて家族で話し合うことで、家族のコミュニケーションとなります」とかなり防災意識が高いことをうかがわせた。
市原隼人さん、中原区や高津区の消防団の皆さん、中原消防団「機能別消防団員」として広報活動をしている日本社会人アメリカンフットボールリーグ(Xリーグ)『富士通フロンティアーズ』の藤原快選手と前野貴一選手らと、「消防団の存在意義について」「消防団のイメージについて」「消防団に入って大変だったこと、楽しかったこと」の3テーマでトークが行われた。
その中で、「消防士と消防団の大きな違いは、消防はいろんな地域を守るのに消防団はやっぱり地域密着ということで、自分が住んでるエリア、自分が活動するエリアを守っていく、それが大きな消防団の存在意義の1つなのかなと思います」
女性の消防団員の方からは、「消防団といえばおじさんばかり、体育会系というイメージがありましたが、女性も年々増えていますし、若手も増えてきました。どんな方でも活躍できる場があるのは消防団だな」
「自分は大学1年生の時から入っていて、自分が1番若手だろうと思って入ったら、もっと若い人がいたり、年配の方がいたりでとてもいい場所だなと感じます」
「私は子供が2人ます。家事と家の仕事を両立しながらっていうのももちろんできますので、すごく皆さんにも入っていただきたいなっていう気持ちがありますね」
など、様々な感想・体験談が語られた。
最後に新成人たちへも「いつまでもこの川崎という育った街を大切にする思いを持って、その消防団という活動を忘れずにご関心いただけたら幸いです」とアピールした。
川崎市の消防団は、臨港消防団、川崎消防団、幸消防団、中原消防団、高津消防団、宮前消防団、多摩消防団、麻生消防団の八つの消防団により構成されている。
消防団の定員は計1345人だが、団員は2024(令和6)年4月1日時点で計1055人で、充足率は78・4%にとどまっている。また、年齢の内訳もかきのとおりで、若者のなり手不足は深刻な問題となっている。
18歳~19歳 10人
20歳~24歳 45人
25歳~29歳 51人
30歳~34歳 41人
35歳~39歳 65人
40歳~44歳 101人
45歳~49歳 149人
50歳~54歳 204人
55歳~59歳 160人
60歳以上 229人