アメリカンフットボール・日本社会人XリーグのX1 SUPERに所属する富士通フロンティアーズは10日神奈川・川崎市等々力陸上競技場で行われた「2023 ライスボウルトーナメント」準決勝でオービックシーガルズを24-17で下し、来年1月3日に東京ドームで決勝として行われる日本選手権、ライスボウル出場を決めた。3年連続日本一を目指す富士通の相手はパナソニック インパルスで、3年連続で同じ顔合わせとなる。
心強いサポーターとして、前日（9日）の天皇杯で優勝したサッカーJ1「川崎フロンターレ」マスコット「ふろん太」くんが応援に駆けつける中、試合が始まった。開始早々オービックにタッチダウン（TD）とポイントアフタータッチダウン（PAT）を決められ0-7とされたが、富士通フロンティアーズは、反撃を開始する。7分34秒に、クオーターバック（QB）の高木翼選手（#18）の34ヤードのパス、ランニングバック（RB）のトラショーン・ニクソン選手（#2）のランでボールを進め、ワイドレシーバー（WR）のサマジー・グラント選手（#4）のタッチダウンランと納所幸司選手（#5）のPATで同点に。さらに12分54秒、18ヤードからクオーターバック（QB）の高木翼選手（#18）からワイドレシーバー（WR）の松井理己選手（#85）へのロング倍が決まり、キッカー/パンター（K/P）の納所幸司選手（#5）のフィールドゴール（FG＝Field Goal）が決まり10-7と3点リード。
このまま波に乗るかと思われたが、オービックのディフェンスが厳しく、なかなか突破できない。富士通もディフェンス陣が強く、一進一退の攻防が続く。オービックは残り1ヤードで4ダウンゴールでFGではなくTDを狙いにいって失敗したこともあり、10-7と富士通リードで前半終了。
後半の第3Q 10分過ぎにオービックにFGFを決められ10-10同点に追いつかれたが、13分38秒に富士通が、クオーターバック（QB）の高木翼（#18）とワイドレシーバー（WR）のサマジー・グラント選手（#4）連携でチャンスを作り、最後は6ヤードのタッチダウンパスをWRグラント選手（#4）が飛びながら左手だけでワンハンドキャッチ！グイッと胸元に引き寄せ、両腕を高々と掲げアピール！そのあとのPATも決まり、17-10とオービックを突き放す。ところが、オービックも粘りをみせる。第4Q 8分21秒にTDとPATを決められ同点に！どちらも1月3日の決勝戦は譲れないとばかりに手に汗握る白熱した試合に、両チームの応援もボルテージがあがる。
しかし、富士通のディフェンス陣は、早い出足で、オービックのQBにプレッシャーをかけ続け、時にはQBサックに成功するなどQBに余裕あるプレイをさせなかった（6回走って、-6ヤード、ファンブル1回の数字からもわかる）ことで、相手の攻撃の起点を摘んでいく。そしてついに、富士通は12分43秒に、ラインバック（RB）のトラショーン・ニクソン選手（#2）のランを中心に攻める富士通フロンティアーズ。最後は、混戦からスッと真ん中に道ができたように見えるほど中央を突破したニクソン選手が16ヤードの決勝タッチダウンランを鮮やかに決め、そのあとのPATも決まって24-17と勝ち越し。これが決勝点となり、富士通はパナソニックが待つファイナルへ出場を決めた。
山本洋ヘッドコーチは「オービックさんとのゲームは、毎回このようなゲームになります」と厳しい試合を振り返り、３連覇をかけて３年連続同カードとなるライスボウルへは「パナソニックはディフェンスもしっかりしているし、新しい外国籍選手も入り非常に力のあるチームですからしっかりと準備をして望みたい。決勝戦もチャンスは少ないと思う。しっかりとスコアーにつなげることが大切になると思う」と語った。
決勝点となったニクソン選手の16ヤードタッチダウンランを決め喜びを爆発！（富士通24-17オービック）
