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【ソチ五輪】羽生結弦、まさかの転倒もフィギュア男子初の金メダル!パトリック・チャンもミス連発で

 「フィギュアスケート男子」日本代表の羽生結弦選手(19=ANA)が、14日(日本時間:15日)に行われた「フィギュア男子フリープログラム」に登場し、冒頭の4回転サルコウで体制を崩し、トリプルフリップで転倒するという失敗。緊張感とは無縁と思われていたが、やはりオリンピックには魔物が住んでいるようだ。

 しかし、その直後に滑った最大のライバルのパトリック・チャン選手(カナダ)もジャンプでミスを連発。点数が伸びず、羽生選手の金メダルが決まった。その瞬間、インタビューを受けていた羽生選手は、「えっ?」というような口ぶりの後、顔をほころばせた。

 日本の冬季オリンピックでの金メダルは、2006年トリノオリンピックの荒川静香さん(32)以来8年ぶりの金メダルで、10代の金メダリストとなった。

 曲は映画『ロミオとジュリエット』。最初の4回転サルコウはまさかの転倒。不安な立ち上がりとなったが、次の4回転トゥーループはきれいに決める。しかし、次のトリプルフリップは着氷で詰まるようにバランスを崩し、両手をついてしまう。やはり、オリンピックの金メダルがかかったフリー演技ということで、団体でも個人でも完璧な演技をしてきた羽生選手に緊張があるのか。

 その後のステップシークエンスも、なんとなくスピードやキレがないように見える。それでもビールマンスピンなど、体の柔らかさを生かしたスピンを決める。トリプルアクセルからトリプルトゥールーを成功させ、今度こそ波に乗ったかと思ったが、トリプルアクセルをこらえて、ダブルトゥーループの連続ジャンプをなんとか成功させる。

 このあと、トリプルループは決めるも、トリプルルッツ+シングルループ+トリプルサルコウの3連続ジャンプを飛ぶが、シングルからトリプルが飛び直しにも見える。最後のジャンプであるトリプルルッツはきれいに決める。イナヴァウアで身体の柔らかさを魅せて、ステップとスピンでフィニッシュ。

 羽生選手は演技後、しばらく氷上にガックリとうなだれたままのフィニッシュ姿勢から、しばらく動かない。これが、ガックリしたためなのか、疲れたためなのかはわからない。ようやく立ち上がると、スッキリした表情で、観客席に向かって深々とおじぎ。苦笑いを浮かべながらキス&クライに戻る姿が映った。

 得点は178.64点(技術点89.66点、演技構成点90.98点、減点2点)で、ショートとフリーの合計が280.09点。

 しかし、パトリック・チャン選手も4回転トゥループで両手をつき、トリプルアクセルではバランスを崩す。さらに、ダブルアクセルではバランスを崩すなど、体勢を崩したり、転倒するなどミスを連発。得点は178.10点(技術点85.40点、演技構成点92.70点)でショートとフリーの合計275.62点。羽生選手を超えることはできなかった。

 その瞬間、ミックスゾーンで世界のメディアからインタビューを受けていた羽生選手は、「えっ?」という口ぶりで画面を見る。続いて、嬉しそうな顔でホッとした表情をしめす。

 団体戦から日本を、チームを、世界ランク1位をと、いろいろなものを背負ってきた「フィギュア男子日本代表」羽生結弦選手から、19歳の羽生結弦に変わったような笑顔で喜んだ。

 残りの選手の滑走を見守り、金メダルが確定すると、ちょっと照れたようだがうれしそうな笑顔になった。

 フラワーセレモニーのために、リンクに再登場した羽生選手は、首を振って、ちょっと照れるような仕草で現れる。表彰台に上がると、満面の笑み。2位のパトリック・チャン選手にも祝福の言葉をかけら、笑顔を見せた。日の丸を掲げて場内を一周。世界のメディアから記念撮影やインタビューなどを受けていた。

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