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【ソチ五輪】女子モーグル上村愛子、2大会連続4位!「結果はメダル獲れなかったけど、清々しい気持ち」

 「女子モーグル」日本代表の上村愛子選手(34=北野建設)が、8日行われた「フリースタイル 女子モーグル・決勝」(ロザ・フトル・エクストリーム・パーク)に出場し、2大会連続4位。長野オリンピックから4大会連続で1つずつ順位を上げてきたが、5大会目は順位をひとつ上げることが出来なかった。

 1番目スタートでメダルをかけた決勝3回目を滑る。第1エアのヘリコプター。ミドルセクションのカービングターンもスピードにのる。第2エアはアイアンクロスのバックフリップ。最後の最後でこの大会で一番速い自己ベストの滑りで30秒46という好タイムを叩き出すも、得点は20.66と伸びず。

 得点は伸びなかったが、30秒台のタイムは、後続の選手たちやメダルが有力視されている上位選手にプレッシャーを与えいく。2番目と3番目にすべった選手は、さっそく上村選手の滑りにプレッシャーを感じたのか、メダルを取るためにムリしているのか、バランスが崩れて得点が伸びない。

 3人終わってトップのままの上村選手。あとひとり、あとひとりで・・・しかし、デュフォーラポイント姉妹が上村選手の得点を上回る。

 最後の滑走は、ハナ・カーニー(アメリカ)。前回大会のバンクーバーオリンピックで金メダル。ワールドカップ(W杯)では2011~12年に16連勝を飾った。種目別は昨季まで3連覇している。今季も種目別ランクで首位という「女王」だ。

 しかし、決勝1回目では7位とらしからぬところもみせ、コースにフィットしていないようにもみられていた。

 そして、第1エア後のミドルセッションで脚を大きくすべらせる。さらに、もう一度、左足がずれてバランスを崩すシーンが見られる。しかも、スピードも上村選手よりも遅かった。これはひょっとしてと・・・だれもが思ったが、得点は21.49と、上村選手の得点20.66を0.83上回った。

 今回も上村選手は、ほんのわずかメダルには手が届かなかったが、タイムは決勝に残った6選手の中でトップだった。

 競技終了後、上村選手はNHKのインタビュアーが待つエリアに笑顔でやってくる。今の気持ちについて、「ゴールしたときに、こんなに何本も本番で滑れるオリンピックは初めてなんですけど、自分でも体力持つか、全部がいい滑りできるか。自信あるないというよりは、とにかく、全力で滑らなきゃいけないと思っていて、全部終わった時に得点も見ずに泣いていました」と、振り返った。

 続けて、「メダルは獲れたかな?3番に入ったかな?と思ったんですけど、点数は点数で、あっそっか、また4番だったんだなと。結果はメダル獲れなかったというだけなんですけど、すごい清々しい気持ちで。ソチまで準備してきたことやこうやって滑りたい。失敗なく攻めて滑りたいというのが、3本全部叶ったので清々しい気持ちになるんだなぁと思いました」と、自分自身では納得行く滑りができたという。

 決勝は渾身の滑りだった?「それがみなさまに伝わるような滑りができていたら、いままでにデキなかったことなので、すごくうれしいです。

 ソチオリンピックに向けて自分らしい滑りを何度もしたいとおっしゃってきましたけど、自分らしい滑りできましたか?「たぶんデキてるんじゃないかなぁと思います。『自分らしい』といつも言っているんですけど、自信を持ってスタートに立って、とにかく目の前のコースで、自分のできるパフォーマンスを最大の力を出して滑るというのが『自分らしい』と思っている私の理想だったと思うんですけど、それが今日はたくさんデキたので、自分としてはすごくうれしいてすね」と、満足した表情。

 笑顔が印象的ですけど、「泣いたり笑ったりで今日は忙しかったです。バンクーバー終わって、また、ソチ目指してがんばりたいなぁと思った時に、また、ギリギで(メダルを)獲れるとか獲れないという場所に、まさかちゃんと戻ってこれるという自信も持てていなかったので、こんなにメダルを狙うんだとか最後の滑りでもしかしたら獲れるかもというところまで来れたのが、すごくうれしいなぁと思います」と、笑顔。

 最後に今後については、「きょうが終わったら休めて。今日は滑り終わった時に、ほかの選手のコーチもみんな、『いやー、長いこといっぱい滑ったねぇ』とたくさん言ってくれて、オリンピックの舞台で何回も何回も滑れたことが本当に嬉しい。今回、最後だと思っているので、オリンピックの想い出はいい想い出で追われるんじゃないかと思っていて。メダルはないんですけどね。そこは申し訳ないとしか言いようがないんですけど、頑張ってよかったなぁと思っています」と、充実感に満ちあれた笑顔で答えた。

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