NO IMAGE

内柴正人被告 30分で結審で釈明機会与えられず

 準強姦(ごうかん)罪に問われ、1審で懲役5年とされたアテネ、北京両五輪の柔道金メダリスト・内柴正人被告(35)の控訴審初公判が4日、東京高裁(金谷暁裁判長)で開かれた。

 1審判決で、内柴被告は2011年9月、当時コーチを務めていた九州看護福祉大の女子柔道部の合宿に同行し、東京都八王子市のホテルで、泥酔して抵抗できない部員に乱暴したとされる。「合意があった」という内柴被告の供述と「酔って寝ている間に乱暴された」との被害者証言が食い違い、2月の東京地裁判決は被害者証言の信用性を全面的に認めた。内柴被告は有罪判決を受けた後、即日控訴していた。

 5日付のスポーツニッポン、日刊スポーツ、東京中日スポーツ、スポーツ報知、サンケイスポーツ各紙が報じており、審理は30分ほどで終了したが、弁護側は控訴趣意書で「1審判決は不都合な証拠を無視し、極めて安易に事実を認定した」と指摘。事件当時、2人がいたホテルの部屋を他の部員が訪ねた際、被害者があえて部員を遠ざけた、などと例を挙げ「客観的証拠と矛盾する被害者証言を犯罪の根拠にするのは許されない」と批判したという。これにより少女の供述の信用性を認めた1審判決を破棄すべきと訴え、新しい証拠の採用や被告人質問を求めたが、告人質問は実施されず、釈明の機会はなかったという。

広告