俳優・千葉真一（74）、谷隼人（67）、女優・福永愛実（25）、小島よしお（32）が4日、東京荒川区「朋友柔道整復専門学校」で行われた映画『ベルリンファイル』（監督：リュ・スンワン／配給：CJEntertainment Japan）の大ヒット祈願イベントに登場した。
1968年から1973年まで放送されたスパイアクションドラマの草分けとして人気を博した『キイハンター』（TBS系）。千葉は同作のボス役で、2006年に亡くなった丹波哲郎さんから、その1年前に、『キイハンター』の映画化を持ち掛けられ、脚本も半分以上完成していると、その構想を初めて具体的に明かした。
同作で共演した千葉と谷が公の場で“共演”するのは、約40年ぶり。テンガロンハットにトレンチコート姿で登場した千葉は、「よそ様の（映画の）宣伝をするのは、芸能活動53年で初めてなので、何を話していいのか戸惑っています」といいつつ、「非常に、技術的に世界のレベルになっている。15分ぐらいして、ハリウッド映画だっけ？韓国映画だっけ？と思うぐらいレベルが高い。いいテンポと雰囲気を醸し出している」と、水準の高さを認める。
黒のスーツ姿で登場した谷は、「先輩のその姿、丹波さんを思い出すなぁ」と感慨深げになりながら、「韓国映画の中でもアクション好き。『シュリ』、『ブラザーフッド』、『JSA』、『シルミド』とか観させてもらっていて、すごいなと。南北が同じ人種なのに分けられているというのが根底にある。アクションもハリウッド映画に負けない」と、絶賛した。
イベントでは、映画のワンシーンを、「千葉の指導のもと実践しよう」という企画で、世界を目指すアクション女優・福永愛実と9人の子供たちが登場・・・と、その中に、なぜかお笑いタレントの小島よしおが混ざっていた。
小島は、「アクションをヒントに世界的ギャグが生まれればいいなぁと思って紛れました。世界的な芸人を目指します。日本の活動はクリアした。世間的にも僕のことクリアされていると思っているので、世界に目を向けて」と、自虐を混ぜながら語る。
福永は柔道2段で、子どもたちに教えているという経験者だが、小島は、「小学校1年から3ヶ月ぐらいで黄色帯です。ギャグの黒帯を目指して」と言うも、小島が何者か把握していない千葉には通用せず、「舐めた程度。やったといえない」と、バッサリ。
イベントでは当初、同映画の1シーンを題材に千葉が子供たちにアクションを指導することになっていたが、徐々にヒートアップした千葉は、トレンチコートを脱ぎ、『JAC（（Japan Action Club））』弟子を道場に挙げて、アクションについて、実践しながら解説を始める。最後は、小島を相手に、パンチ・裏拳・ヒザ蹴りを打ち込むアクションの流れを実演した。
イベント終了後の囲み取材で小島は、「（千葉さんの）熱い気持ちが伝わってきたので、英語しゃべれなくても、そんなの関係ねぇ。そんなの関係ねぇ」と、持ちネタを振り付きで披露すると、千葉がいきなり、「それキミがやっていたんだ」と、相好を崩し、いきなり親近感が沸いたようだ。気を良くした千葉は、なんと、「そんなの関係ねぇ」と、振り付きでモノマネ。小島も、「世界的なギャグになりました」と感動。
さらに、「千葉さんが74歳で、ご高齢ということで、まだまだ若いものも頑張ろうと思いました」というと、千葉が、「年なんて」というと、小島は、「そんなの関係ねぇ」と、即席ながら、息もピッタリ。
千葉は、「日本に映画革命起こさないと。かつては東南アジア最高のものを誇って、全て先端なものを行っていたのに、中国、韓国、インドにも先を越されようとしている。悔しいというか、なんとかしなきゃ」と、日本の映画界の現状を憂えると、自分で脚本を執筆したものを含め、現在、世界に通用する企画が8本ほどあるという。
その中には、映画版『キイハンター』も含まれているという。実は、2006年に亡くなった“ボス”の丹波哲郎さんから、「映画撮っていこうよ。脚本はお前やれ」と言われたと衝撃的な事実を明かす。
千葉は、「実は、本は半分出来上がっている。キイハンターが捕まえた犯人の子どもたちが成長して復讐にくるという内容で、タイトルは『ニューキイハンター 救出』。ニューキイハンターと旧キイハンターが中国に乗り込んでいく。襲ってきたやつを救出すると、さらにその裏には巨大な敵がいる。コンボイの上で大立ち回りしますよ。東映さんが協力してくれないと……」と、今すぐにでも撮影に入れそうなほど具体的に語り、映画会社にラブコールを送った。
それを横で聞いていた小島は、わざとらしく何度も大きくうなずきながら、「ぜひ参加したい。ぼくもいまの芸能生活から救出してほしい」と、切実に訴えると、千葉は、「下ネタはいいだろう。パンツ出す下ネタに近いのは、俺の趣味じゃない」と、バッサリ。
それでも、「今日見た限りでは面白いなぁ」と千葉が言えば、谷も、「これも何かの縁だからね」と、まんざら可能性がないわけでもなさそうだ。
映画『シュリ』から14年、陰謀の舞台は朝鮮半島から世界へ。北朝鮮諜報員と韓国情報院のエージェントが、かつての分断都市“ベルリン”に仕組まれた巨大な罠に巻き込まれていく。すべてを欺かなければ生き残れない、ハイブリッドスパイアクション。
同作は、7月13日より、新宿ピカデリー、丸の内ピカデリーほか全国ロードショー。また、2回目以降の鑑賞を1000円で観られるリピーター割引の実施が決定している。
