俳優・阿部寛(48)が14日、東京・内幸町のイイノホールで行われた、東京映画記者会(在京スポーツ7紙)が選ぶ「第55回ブルーリボン賞」で、映画『麒麟の翼~劇場版・新参者』(監督 土井裕泰/配給:東宝 )、『テルマエ・ロマエ』(監督:武内英樹/配給:東宝)、『カラスの親指』(監督:伊藤匡史/配給:20世紀フォックス映画、ファントム・フィルム)と、立て続けに3作品で主役。しかも刑事、古代ローマ人、プロの詐欺師と3様を演じ分けたことが評された。
なかでも、『テルマエ―』では、顔の濃さもあり(?)古代ローマ人を違和感なく演じ、「観るものを納得させてしまうなど、まさに俳優・阿部寛の個性が輝いていた」として、主演男優賞を受賞した。
「テルマエ―」で演じた、ローマ帝国と現代日本の浴場をタイムスリップする古代ローマ人の浴場設計技師・ルシウスを演じた阿部は、「ああいう役に出会えて『自分に出来るのかなぁ』と思ったんですけど、何の違和感もなくやれてしまったのが悔しい」と、笑わせつつ、「役を理由して大人が遊べた。素晴らしい役に出会えました。それを非常に嬉しく思う。賞をいただけるというのは、役者にとって嬉しいことなので、僕の宝物になりました」と、感謝した。
昨年主演男優賞を受賞し、今年は授賞式の司会を務める俳優・竹野内豊(42)から、「ローマ人の話が来たときはどうでしたか?」と問われた阿部は、「竹野内さんも濃い」と、切り返しつつ、「濃い顔に生まれて嬉しかったです」と、笑わせた。さらに、『テルマエ―』の続編『テルマエ・ロマエ2』の製作も決定しているそうで、阿部は、同じ“濃い顔”の竹野内に向かって、「出ますか?」と、“勧誘”していた。
また、ブルーリボン賞は、前年の主演男優賞と主演女優賞を獲得した俳優・女優が、翌年の司会をするが、竹の内から、来年の司会について聞かれた阿部は、「お2人を見ながら、緊張しました。そつなくこなしたいなぁと・・・今日は、永作さんと竹野内さんのお2人が司会ということで、会場に入りきれないほどの人が来た。来年、こんなに入るのかなぁと心配しながら食い入る様にモニター見てました。ビデオもらって研究します」と、来年の大役で頭がいっぱいの様子。
すると、永作が、「大丈夫ですよ、阿部さんのファンじゃない方もいっぱいいますから」と、ポロリというと、阿部は「・・・きついな・・・」と、絞り出すように言い、永作は、「阿部さんとは、ドラマなどでご一緒していて懐かしいなぁと思い、近づきすぎました」と、と、苦笑いを浮かべる。
【各賞の受賞者と作品】
作品賞 『かぞくのくに』(ヤン・ヨンヒ監督)
外国賞作品賞 『レ・ミゼラブル』(東宝東和の新井重人・取締役宣伝担当)
監督賞 内田けんじ(「鍵泥棒のメソッド」)
新人賞 マキタスポーツ(『苦役列車』)
特別賞 故若松孝二監督(三女で若松プロの伊藤宗子が代理で受け取る)
助演男優賞 井浦新(『かぞくのくに』)
助演女優賞 広末涼子(『鍵泥棒のメソッド』)
主演男優賞 阿部寛(『麒麟の翼~劇場版・新参者』『テルマエ・ロマエ』『カラスの親指』)
主演女優賞 安藤サクラ(『かぞくのくに』)
※在京スポーツ7紙・・・サンケイスポーツ、スポーツニッポン、スポーツ報知、デイリースポーツ、東京スポーツ、東京中日スポーツ、日刊スポーツ。