昨年夏のロンドンオリンピック、フェンシング男子フルーレ団体で銀メダルを獲得し、北京オリンピックのフルーレ個人に続き、2大会連続のメダリストとなった太田雄貴選手（＝森永製菓、27）が31日、都内で行われたトーク番組『フィニアスとファーブのトークしまショー』（ディズニー・チャンネル）のPRイベントに出席した。
同番組は、全国のケーブルテレビ、BS・CS放送などで、放送中のディズニー・チャンネルで、人気NO.1アニメーション『フィニアスとファーブ』から生まれた。実在のスターをアニメーションの中にゲストとして招き、フィニアスとファーブが普段では考えられないトークを繰り広げるアニメーションと実写が融合した5分程度のミニトーク番組。各出演者の様々な特技などをテーマに毎回趣向を凝らしたトークがフィニアスの軽妙な司会によって執り行われる。本番組独自のOPテーマがある。
これまで、サッカー界のスーパースターのデビッド・ベッカム、歌手のテイラー・スウィフトなどが出演。「ビッグネームが出演する番組」として話題を呼んでおり、太田は日本人アスリートとして初めての出演。
キッズMCの菊池時音くん（13）と磯村ミラ（12）ちゃんは、まず、大選手の白いシャツに黒いベスト、ベージュのパンツというファッションスタイルを「おしゃれですねぇ～。かっこいいです」と、持ち上げる。
相手を気持ちよくさせてからの鋭い質問“攻撃”というプロ顔負けのテクニックに、防戦一方で、追い込まれ気味だった太田選手からは、ついつい本音も飛び出した。
番組に出演しての感想を聞かれると、「大変でした。想像を遥かに超えるくらい素晴らしく、しっかり作りこまれた番組でした。アニメーションと何かをすることはなかなかなかった。新しいフェンシングの見せ方が出来たかな」と、満足した表情。
しかし、「ディズニーさんと仕事が出来るということで、企画を見ないで『ウン』と言っちゃった」そうで、「撮影中は慣れてないのでNGだした。噛んでしまったり」と、苦笑い。とにかく、台本を見て、「収録長かったので、疲れていくのが想像できたので、元気で笑顔で終われるように」と、頑張ったそうだ。
フェンシングを始めたキッカケは、8歳の小学校の時だったそうで、「父親から『ゲーム機買ってあげるからやらないか』と言われ、それで始めました。まさか、こうなるとは想像してませんでした」というと、司会者から、「同じ事を言われたら、フェンシングやる？」と問われた時音くんは、「やりませんね」と、あっさり。これには、太田もズッコケ。
オリンピックでの準決勝戦での“起死回生の2秒”を振り返り、「体勢崩れていたので、きれいな突き方ではないけど、気合の入った１点でした。チームメイトのためにというのが大きかった。勝っても負けても他人のせいにしたくないと個人種目を選んだ僕が、仲間のために勝つ、仲間のおかげで勝つ事ができました。まさに、フィニアスとファーブのようなオリンピックでした」と、感慨深げに語った。
番組では、フィニアスにメダルをねだられたり、番組の人気キャラクターであるカモノハシのペリーをイメージしたティールブルーのフェンシングスーツを身にまとい、番組のオリジナル競技である『ペリシング』で対決したという。
「ペリシングとは？」と、聞かれた太田選手は、「映像には出てないんですけど、フェンシングとペリー君が融合したらどうなるのか、ペリシングになるんですね」と、もったいぶる。イベント中に、ペリシングの衣装が初披露されたが、「もともとフェンシングのスーツを改造したので、着心地は案外良かった」としながらも、メダル獲って一番最初に着た衣装だったため、「自問自答がありました。最初は、『えっ！』と思ったんですけど、『似合ってるよ』とスタッフの方がずっと言ってくれていたので、ペリー君になりきって、ペリシングをやりきりました」と、苦笑い。
トークショーの最後には、2人からバレンタインも近いということで、「金のチョコレートフルーレ」がプレゼントされ、「けっこう、重いですねぇ～。商売道具だから似合うでしょ」と、ビシっとポーズを決めた。
キッズMCとのトークショーを終え、本職の記者がまず感想を聞いた。太田選手は、「2人がしっかりしていたので、僕がしっかりしなきゃとおもったぐらい。楽しい会見でした」と、物おじしない子どもたちを頼もしく思ったようだ。
金のフルーレをもらったことで、次のリオオリンピックは、やはり金メダル狙いか？というと、「リオに関してはなんともいいがたい。出場してもしなくても、日本チームとして組織を強くしていきたい。ポジション争いができる組織にしていきたい」と、層の厚さの重要性を上げた。
フェンシングの普及のために、「僕が実際に出かけて行かなければいけないと北京オリンピック後に反省しました。そのため、フェンシングの普及活動である『SUPER FENCING』を立ち上げました。20年後のタネをまいていこうと。父親からチャンスをもらったように、埋もれている才能をあげられればいいな」と、これからのもう一つの目標を語った。
「2020年のオリンピックを東京で！」と、招致活動も佳境を迎えているが、もし、東京で開催されるとなったら、「チャンスがあればトライしたいですけど、日本のフェンシングが強くなっているので、出れるかどうかやってみないとわからない」とし、もし、選手としての出場が叶わなくても、「選手のホスピタリティーが大事なので、選手から最高のオリンピックだったといってもらえるようなオリンピックになるように、携わって行きたい」と、スタッフとしてサポートしていくという。
また、バレンタインの思い出は、「中学、高校と男子校だったので、無縁だったんですよね。母親から義理の義理の義理チョコを何個かもらったぐらい。高校、大学のときは気にもしなくなっていた」と、甘～い思い出は無縁だという。
14日は、「仕事か練習。大きな予定ないです。大きなチョコレートもらったのでお腹いっぱい」としつつ、バレンタインや義理チョコを「ここまで、大きくしたのは森永製菓なので、チャンスがあればあげだいなぁ。感謝の気持ちをこめて、感謝のバレンタイ。でも、ほしいです」と、会社の宣伝も交え、本音を吐露した。
太田選手がゲストとして出演する同番組は、2月8日午後6時より放送。
