『第63回 NHK紅白歌合戦』のリハーサルが29日、東京・渋谷NHKホールで行われ、紅組出場の演歌歌手・藤あや子(51)が登場した。
今年は坂本冬美(45)とともに明治座でダブル座長公演を行うなど、歌手としての活動以外でも注目を浴びた藤。18回目の出場となる今回は、NHKのアニメ『リトル・チャロ』の主題歌となり、自身が作詞を担当した『わすれない』を歌う。
本番衣装については、「着物じゃないです。ドレスを特注しました。透明感のある白です。ドレス初めてなんですよ。藤あや子ってテロップないと分からないくらい変身します」と、希少なものになるそうで、そのフィッティングを見ていた坂本冬美へ、「これを貸してあげるからお嫁に行け」と、ハッパもかけたのだとか。
今年を振り返って、「来年25周年になるので、そのためにも下地づくり、基礎を固めてという意味があった。『リトル・チャロ』とかいっぱい足あと残せたかなと。すごく意味のある1年でした」と有意義だったようで、四半世紀の歌手生活に、「まさか上京して、長くそんなに歌ってられると思わなかった。よくこの田舎者が頑張ってきたなって」と、しみじみと振り返っていた。
今回の楽曲『わすれない』は東日本大震災に関連した曲。「東北の代表選手ですから。東北魂を背負って、元気にみなさんに見せたい。2年経って忘れてはいけない出来事がある。去年と違った意味で、強く思いを残したい。そんな思いで歌いたいです」と、前を向く。
東北復興への実感を尋ねられると、「厳しいと思うけど」と率直な思いを口にしたが、「東北のみなさんは、すごい頑張り屋で、グチを言わない。本当に前向きで、それが東北魂です。私にもその血が流れていると思うと、落ち込んだ時も励みになる。まだ長い道のりだけど、東北代表としてアピールしたい。あんなにいいところで、おいしいものもあるので、ぜひみなさんにきてほしい」と、静かに、かつ熱くPRしていた。
