米俳優キーファー・サザーランド（45）が3日、都内ホテルで10月5日から放送される主演ドラマ『TOUCH/タッチ』（WOWOWプライム）緊急来日会見を開いた。
『24 -TWENTY FOUR-』シリーズで一躍人気となったサザーランドの新作ドラマ。2001年の9.11事件で妻を失い息子ジェイクも失語症になるなど、人生を深い悩みの底にいた元新聞記者のマーティン（サザーランド）。ある日、生まれてから一度もしゃべったことのないジェイクが数字をつづり出すこととなり、その数字は世界の人々のつながりを過去・現在・未来とつなぐものだと気づいたマーティンが世界中の人々を救おうと全力を尽くして奔走する物語となっている。マーティンとジェイクの絆を軸にしており、ティム・クリングが製作総指揮を取っている。
ジャケットにジーンズとカジュアルな装いで会見場に現れたサザーランド。『24』では声を荒げるシーンが多く、強面なイメージだが、会見はとても柔和な雰囲気で質疑応答では、質問をした記者をしっかりと見据え、真摯にその思いを語るものとなった。
これまでにドラマの宣伝のためロンドン、ベルリン、ミュンヘン、ロサンゼルスなど各国を飛び回ったというサザーランドの来日は、2年ぶり3度目。サザーランドは「来るたびに、温かさみたいなものに感動するんです」と、日本は落ち着ける空間になっているよう。
本作への出演は、サザーランドにとって意外なものだったそうで、「『24』が終わってから短いスパンでテレビ復帰するとは思いませんでした。美しく繊細な内容に胸を打たれたんです」と、きっかけを話し、「自分の感情を動かす物語があって、この役を受けなければ後悔するだろうなと思いました」と、サザーランドを突き動かすものがあったという。
『24』のジャック・バウアーとの違いを尋ねられたサザーランドは、「共通点があって、ジャックは1日を必死にもがくわけですが、マーティンはジェイクの行動を予測できないけど、それを知ろうとして、そこに善意みたいな部分があると知って行動して、父と子ということを考えても似ている部分があるかな」と挙げ、「面白いジャーニー（旅）をさせてもらってるなという感じです」と、演じてみての思いを口にした。
もちろん今回の来日は、「TOUCHという作品に自信があるので、来たというのもある」と、胸を張りつつも、「『24』というドラマに対して日本、イギリスのファンのみなさんがサポートしていただいた。それがあってあれだけ続けられた部分がるので恩を感じているのもある」と、謙虚に語ることも。
ドラマでは東日本大震災に遭ったジェイクと同じ特別の能力を持つ女性が、日本の遺留品が西海岸に流れ着いたことから展開するという話も描かれるそうで、「そういった形で日本のことをドラマにできたのは素晴らしいことだと思います」とも語った。
すでに米国ではシーズン2の制作に入っているが、「シーズン1では、軍事、ビジネス的な組織に悪用されそうとなる息子を取り戻すということがあって、シーズン2ではより追っ手が狙ってくるので、アグレッシブさが多くなり生と死とみたいなシーンも増えてくる。でも、親子の絆の部分はあまり変わることはないと思います」と、ちょっぴり先のことを明かしていた。
また、この日は、11歳の息子ジェイクと同じ年に生まれ、同じく10月放送（7日、14日）のドラマWスペシャル『尾根のかなたに～父と息子の日航機墜落事故～』という父と子の絆を描いたドラマに出演する人気子役・濱田龍臣（12）もプレゼンターとして登場し、花束を手渡すと、「ジェイクの数字で世界を守ろうとするキーファーさんがカッコ良かったです！」と伝え、サザーランドが「ありがとう」とはにかむ一幕も。
さらに、濱田が、「ハリウッドで活躍したいと思っているんですけど、活躍するには？」と詰め寄ると、サザーランドは、「文化とか言葉の壁を超えられるのが演技だと思うので、若い俳優として経験することは、私が舞台で経験していることと変わらないと思いますので、頑張ってください」と、アドバイスもあったり、ジェイク役への日本のおみやげについて濱田が「東京スカイツリーのパズルみたいなものがるのでいいですよ」と、オススメするなど交流することとなった。
ドラマ『TOUCH/タッチ』シーズン1は10月5日午後11時より全12話で放送開始で第1話は無料放送となっている。
