NO IMAGE

【ロンドン五輪】なでしこJAPAN、フランス下し決勝へ!悲願のメダル確定に澤は涙

 ロンドンオリンピック第11日目の6日、準決勝でブラジルを下したなでしこJAPANは、世界ランキング6位のフランスとメダル確定をかけて闘い、大儀見、阪口のゴールで2‐1と逃げ切った。悲願だった女子サッカーのオリンピックでのメダルを確定した、1996年のアトランタオリンピックで正式種目となって以降、4大会、16年越しの夢がかなった澤の目には涙が浮かんでいた。

 フランスとはオリンピック前の先月19日に強化試合を行い、高さと速さに圧倒され、0‐2と完敗した相手。今大会、10得点とアメリカに次いで2位の攻撃力は脅威で、これまで1失点のなでしこの守備陣が、どこまで抑えられるかが勝負となる。

 なでしこのスタメンはGK福元美穂(『岡山湯郷Belle』・28)、DFは右から近賀ゆかり(『INAC神戸レオネッサ』・28)、岩清水梓(『日テレ・ベレーザ』・25)、熊谷紗希(女子ブンデスリーガ『1.FFCフランクフルト』・21)、鮫島彩(『ベガルタ仙台レディース』)、MFはボランチに澤穂希(『INAC神戸レオネッサ』・33)、阪口夢穂(『日テレ・ベレーザ』・24)、右サイドに宮間あや(『岡山湯郷Belle』・27)、左サイドに川澄奈穂美(『INAC神戸レオネッサ』・26)、2トップに大野忍(『INAC神戸レオネッサ』・28)、大儀見(旧姓:永里)優季(女子ブンデスリーガ『1.FFCトゥルビネ・ポツダム』・25)の11人と、ベストメンバー。

 左から右に攻めるなでしこのキックオフで前半スタート。なでしこは細かいパスを回しボールを支配しながら、川澄を使って左サイドをえぐる攻撃やロングボールでDFの裏を狙う攻撃を仕掛ける。しかし、フランスは、ゴール前でブロックを作り、なでしこにシュートを打たせない。

 一方、フランスの攻撃も日本の組織的なプレスに苦しみながら、得意の右サイドからクロスを上げて攻撃を仕掛けてくる。こう着状態を破ったのが、なでしこだった。

 前半32分、大儀見へのファウルで得たFK。宮間のキックにGKが飛び出し、DFと交錯してキャッチしそこなう。こぼれたボールに大儀見が体勢を崩しながら左足で押し込む。なでしこは最初のシュートで、待望の先制点を奪う。

 これで、フランスが攻撃的に前に出てくる。前半35分から約10分間、なでしこは自陣にくぎ付けとなり、フランスのシュートを体を張ってボールをクリアし、前半を1‐0で終了する

 後半は、なでしこが右から左に攻める。

 後半もなでしこはいい形で入り、開始2分で、カウンターから大野が宮間へパス。宮間が切り返して左足でシュートを打つが、ゴール上に大きく外れる。

 そして、後半4分、中盤左からのFK。先ほど得点につなげるボールを蹴った宮間が、ゴール前にボールを入れる。阪口がDFのマークをかわし、中央付近に走り込んできて、ヘディングシュート。これがゴール右隅に決まり2‐0。

 ここまでフランスは、ボールが回らず、攻撃は単発となる。なでしこは、フランスの攻撃の起点であるネシブにボールが入らないようにマークし、仕事をさせない。

 後がなくなり、早めに1点返したいフランイスは、なでしこの中盤がやや間延びし、前線とDF陣の距離が開いたところで、攻撃に人数をかけてくる。中盤を支配し、高い位置からボールを奪い、ボールが回り出したフランスは、再三、いい形を作る。CK、FKなどからセットプレイ、ミドルシュートと、次々に波状攻撃を仕掛けてくる。

 後半26分、右サイドからグラウンダーで入れたクロスに、ネシブが巧みなトラップで岩清水をかわしてシュート。GKの福元が左手一本でスーパーセーブ。後半31分、フランスが右サイド深くに攻め込み、マイナスに中央へ折り返すと、そこに走り込んできた選手に豪快にたたき込まれて、フランスに1点を返される。

 これで勢いが出てきたフランスは、後半33分、左からペナルティーエリアにドリブルで入ってきた選手に阪口がファウル。PKを与えてしまう。ところが、これを外し、なでしこは命拾いをする。

 得点を取って以降、攻められっぱなしだったなでしこは、後半36分、カウンターから左サイドを駆け上がった川澄がクロスボールを入れるが、GKが飛び出しクリア。そのボールを拾った澤が、キーパーの頭の上を狙ったループ気味のロングシュート。これはGKが下がりながらキャッチされた。

 さらに、キーパーとDFを2人残して全員で攻撃を仕掛けてくるフランスに対し、なでしこは、1トップで残る大儀見にロングボールを入れるカウンター攻撃。後半44分には、自陣でボールを奪った熊谷が大儀見にロングパスのカウンター。DFに競り勝って抜け出した大儀見は、GKと1対1になり、シュートを放つも右ポストを直撃し、決定的なチャンスを逃す。

 アディショナルタイムは4分間。なでしこのゴールに向かって怒とうの攻撃を仕掛けるフランス。ロングボールを蹴ってしのぐのが精いっぱいのなでしこ。ここまで好セーブを連発の福元も焦って、ペナルティーエリアを超えないミスキック。これがフランスの選手に渡ってしまい、大ピンチとなるが、ここも体を張ってシュートを防ぐ。大きく蹴り出したところでタイムアップ

 1996年のアトランタオリンピックで正式種目となって以降、日本女子サッカー界にとっては悲願のメダル獲得となった。また、なでしこは、昨年のW杯を制しており、史上初のW杯とオリンピック連続優勝の偉業に挑む。決勝は米国-カナダの勝者が相手となる。

広告