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【ロンドン五輪】バドミントン男子シングルス佐々木翔、敗退も世界1位を追い詰めた

 ロンドンオリンピック大会第7日目の8月2日、バドミントン男子シングルスの準々決勝が行われ、佐々木翔(=トナミ運輸、30)が、世界ランク1位で北京オリンピック金メダリストの林丹(中国)と対戦。1‐2で敗れたが、チャンピオンをギリギリまで追い込み、試合終了後には、観客がスタンディングオベーションで佐々木の戦いを讃えた。

 400キロを超える最強のジャンピングスマッシュを武器に、この種目、日本人選手として初のベスト8まで進んだ佐々木。対戦相手は、大会史上初の2連覇を狙う世界チャンピオン。

 佐々木翔 1(12-21、21-16、16-21)2 林丹(中国)

 第1ゲームをセリながらもポイントを落とし、12‐21で落としたが、決してパワーでは負けてはいなかった。

 これが自信につながったのか、第2ゲームは違った。序盤から佐々木がリードする展開。佐々木は、“キャノン”スマッシュとコートの前方に落とすショットなど、硬軟織り交ぜた攻撃でチャンピオンを前後左右に揺さぶる。

 これに対して、林丹はシングルス戦でありながら、ラリー中にガットが切れたラケットを変えるシーンや佐々木のジャンピングスマッシュが2発立て続けに決まった時には、イライラして大声を上げて自分自身に怒るなど、あきらかに精神的に追い詰められていく。

 試合は、常に佐々木が先手を奪い、11-7とリードし、後半に入る。ここから林丹が追い上げ、12-12と同点に追いつかれる。しかし、佐々木も盛り返し、18-14と連続ポイントで引き離し、そのまま第2ゲームを奪う。

 あのチャンピオンから1ゲームを奪ったということで、会場の観客が、2人の試合を注目し出す。

 そんな雰囲気の中、第3ゲームが始まる、序盤は、林丹がリードするが、佐々木も2ポイント差ぐらいで必死に食らいついていく。3、4ポイント離されても1、2ポイント差まで詰めるという白熱した試合展開に、となりのコートで試合をしているにもかかわらず、シーンと静まりかえり、佐々木の試合に一喜一憂する会場。

 後半に入ると徐々に点差が開き、佐々木は劣勢に立つ。一旦は差を広げられたが、佐々木のショットが決まるたびに、“大応援団”が拍手を送る。佐々木は、そのパワーを味方につけ、13-14と1点差に迫る。しかし、ここから、林丹も底力と維持を発揮し、追いすがろうとする佐々木を引き離した。

 試合終了後、会場のファンがスタンディングオベーションで、佐々木の検討を称えた。

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