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【ロンドン五輪】体操男子団体総合決勝!日本「物言い」で4位から銀メダルに内村「後味悪い」

 ロンドンオリンピック大会4日目の30日、男子団体総合決勝が行われ、2大会ぶりに金メダルを目指す日本は、1度は4位と発表されたが、監督とコーチが抗議。これが「審議」の末、受け入れられ、逆転での銀メダルを獲得した。

 日本のメンバーは、エースの内村航平(=コナミ、23)、田中和仁(=徳洲会、27)、田中佑典(=コナミ、22)、山室光史(=コナミ、23)、加藤凌平(=順大、18)。

 予選での悪夢を忘れ、新たな気持ちで「ライバル中国」を打倒したいところだったが、山室光史(=コナミ、23)が2種目目の跳馬で足を痛めるアクシデントが起きる。それでも一丸となり、みんなでカバーしていく。

 その結果、日本は5種目を終え、中国に次いで2.577点差で2位。3位のウクライナと3.760差で最終種目の「あん馬」に逆転をかけたが、先に演技を終えた中国は275.997と得点を伸ばし終了。

 逆転するには高得点を出すしかなかったが、けがした山室に代わり出場した田中(和)が落下。この時点で、実質、日本の金メダルは消えた。続く加藤が成功し、最後の演技者であるエース・内村が13.966以上だと、日本の銀メダルが確定するという状況。

 誰もが、日本の「銀」は確定したと思われたが、フィニッシュの着地が乱れるミス。結果、13.466の合計271.252で、イギリスの271.711、ウクライナの271.526にも逆転され、まさかの4位でメダルなし。NHKも速報で「日本4位」と打ったほど。

 しかし、内村の点数は「フィニッシュの難易度が認定されていない。内村のフィニッシュは、倒立で上がった時点でC難度は認定されるべきだ。ミスはその後であって、倒立までは認めるべきだ」と主張(していると解説者)。

 「C難度」が認定されると、0.5点か0.6点になるという。そうなると、イギリスに逆転されることなく2位で銀メダルとなる。

 この主張に、審判団が集まり、パソコンの画面を静止画にするなどして、審議されている様子がテレビ画面に映し出される。日本チームはもちろん、イギリスもウクライナも、会場中が固唾を飲んで見守る。

 内村を始め日本男子体操チームは、椅子に座ったままガックリと肩を落とし、じっと結果を待つ。重苦しい空気の中、「C」と口が動き、うなずくコーチの顔のアップや「審議が受理された」との電光掲示板の映像がテレビ画面に映し出される。そして…この主張が認められトータル271.952となり、逆転銀メダルを獲得した。

 会場は、イギリスのメダルが「銀」から「銅」にかわり、ウクライナがメダルを逃したということで、ブーイングが起こる。日本チームもほっとした表情はあるものの笑顔はない。ウクライナも、内村の点数が1度表示され、歓喜しただけに複雑。しかたないという選手の苦笑いの表情が映し出された。

 内村は、「メダルは取れましたけど後味の悪いチーム戦だったなと思いました」と、振り返った。

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