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【編集長コラム】Kalafinaに見る音楽ランキングの見方!新曲が3週目も21位に

 7日に発表された5月14日付「オリコンランキング ウィークリーチャート」の注目は、アイドルグループ『AKB48』からソロデビューした“さしこ”こと指原莉乃(19、チームA)の『それでも好きだよ』(エイベックス・トラックス)と、公式ライバル『乃木坂46』の2ndシングル『おいでシャンプー』(ソニーレコード)が、5月2日の同日発売となった同門対決。

 連日、「オリコンデイリーチャート」での熾烈な争いが報じられ、初日にほぼダブルスコアで完敗したさしこが差を縮め、逆転とはいかなかったが、約3万枚差にまで盛り返した。CD不況といわれるレコード業界にあって、話題を提供し、盛り上げることは重要だ。今の音楽業界をけん引しているのは、間違いなく、ジャニーズ、AKB48プロジェクトであり、K-POPである。

 ランキングの信ぴょう性や付加価値をつけ、一部のコアファンをターゲットに複数枚買ってもらおうとする、いわゆる“AKB商法”に批判があることは承知の上だが、良くも悪くも、話題にすら上らなくなった時が本当の危機だろう。それは出来レースと言われながらも賞レースが華やかだった70年代、80年代と、今の現状を比べればわかることだ。

 それよりも、もっと別なランキングの見方がある。 発売当日の「デイリーチャート」や初週の「ウィークリーチャート」は、いわば「基礎票」。しかし、このコアファンをターゲットにした楽曲は、2週目にはトップ10から大きく順位を下げ、中には、トップ30位にすら入らないのもある。いわば瞬発力勝負の“短距離ランナー ”といえる。どのぐらい熱烈な支持者がいるかの確認作業だ。

 何週にも渡ってチャートインし、大ヒットやミリオンにつなげていくためには、「基礎票」にどれだけ「浮動票」を上積みできるかが勝負。ここに、事務所やレコード会社は戦略を立て、CMやドラマ、TV番組のオープニング、エンディング曲などタイアップを取る。また、何か別な話題性を仕掛け、アーティスト名を覚えてもらい、楽曲を広く聴いて、知ってもらう「企業努力」をする。 そこで、今回のチャートを見てみると、トップ30のうち、2週以上連続チャートインしているのは12曲で18曲が新曲。
 4位 『祈り?涙の軌道/End of the day/pieces』Mr.Children(4月18日発売) 8位 『さかさまの空』SMAP(4月25日発売)
 11位 『ハルウタ』いきものがかり(4月25日発売)
 12位 『10年後の君へ』板野友美(4月25日発売)
 14位 『ひとり長良川』水森かおり(4月4日発売)
 21位 『to the beginning』Kalafina(4月18日発売)
 22位 『夜明けのブルース』五木ひろし(4月25日発売)
 23位 『月火水木金土日。?君に贈る歌?』ソナーポケット(4月25日発売)
 25位 『オレンジ』GReeeeN(4月25日発売)
 27位 『Lady ダイヤモンド』Sexy Zone(4月11日発売)
 29位 『スピード アップ/ガールズ パワー』KARA(3月21日発売)
 30位 『生きてる生きてく』福山雅治(3月28日発売)
 これが、3週以上となると、さらに半数の6曲となる。そんな中、3人組の女性ボーカルユニット「Kalafina(カラフィナ)」が3週目で21位に残っているのは大健闘といえ、地力がついてきて、確実にファンが増えてきているということが認識できる。

【編集長コラム】Kalafinaに見る音楽ランキングの見方!新曲が3週目も21位に

 デビュー曲から10枚連続15位以内を達成した新曲『to the begining』は、TVアニメ『Fate/Zero』2ndシーズンのオープニングテーマ曲。アニメの主題歌も今のランキングには欠かせない要素だが、アイドル楽曲と同じで、コアファンをターゲットにしているため、たいていは、2週目以降に、大きく順位を下げる傾向にある。

 4月18日に発売された同シングルは、デイリーで2位を獲得。初週が11位で翌週が12位と、ほぼ横ばい。発売から10日経った28日もデイリーチャートで9位、それ以後、29日が9位、30日が11位、5月1日が23位、2日が21位、3日が20位、4日が16位と、順位を盛り返し、6日が22位と、20位を割ってから、盛り返しているのがわかる。 梶浦由記という実力派音楽プロデューサーが提供するクオリティの高い楽曲と、美しいハーモニーと抜群の歌唱力は、他のアーティストにも引けを取らない。それが、TVアニメなどのタイアップでグループの知名度を上げ、地道なライブ活動によってリピーターを増やしてきた事が実を結んでいるいい例だろう。

 このように、自分の応援しているアーティストのランキングに一喜一憂するのも大事だし、トップ争いが注目ニュースとして話題を集めることも重要なことだが、中間ランキングのアーティストの動向を数週間単位で追いかけていく、さらに、デイリーチャートの動向も追いかけて行けば、次にブレークしそうなアーティストや、その成長度合いがわかる。音楽ランキングは、アーティストの実力を量るひとつのバロメーターとしては、やはり欠かせない。