「男子スノーボード」日本代表の角野友基選手(17=日産X-TRAIL)が8日、「スノーボード・スロープスタイル・準決勝」(ローザ・フートル・エクストリームパーク)に出場した。
新種目の「スノーボード・スロープスタイル」男子準決勝。同種目の出場選手の中で2番目に若いという角野選手。日本、メダル第一号の期待もかかる中、決勝進出なるか注目される。
スロープスタイルとは、コース上に前半に3つのジブ(レール、ボックス、ウォールなどの障害物)、後半に3つのキッカー(ジャンプ台)が配され、トリックの難度とスタイル(美しさ、カッコよさ、スムーズさ等)を競う種目。
昨季W杯のスロープスタイル最終戦で初優勝するなど、「普通に滑れば決勝進出、いやメダルに手が届く実力がある」と言われる角野選手。開会式前の6日に行われた予選では、緊張やキッカーへ入るスピードが出過ぎたり、回し過ぎたりして着地で尻餅をついたり、バランスを崩すなどで点数が伸びずなかった。
予選で上位8人に入れなかった21人が、決勝進出に勧める上位4人を目指す準決勝。5番目に登場した角野選手は、「セ~ノ」と、言うとおじぎして、「エーイ!」と、明るく気合を入れると、コーチやスタッフとハイタッチ!
グーフィースタンス(前足が右で後ろ足が左の選手のスタンス)から入り、前半のジブを順調にクリアしていく。レギュラースタンスから巨大なマトリョーシカに軽くタップ(ボードを当てる)。
1つ目のキッカーで、1260(トゥエルブシックスティ=3回転半)。レギュラースタンスから1080(テン・エイティ=3回転)。1260(トゥエルブシックスティ=3回転半)。いずれも着地を成功させ、ゴール後にガッツポーズ。1回目のスコアは84.75。
バランスを崩したり、転倒する者が続出。他の選手は最後まで滑りきれず点数が伸びない。角野は一回目を終えて、決勝へ進む第3位。
2回目も「セ~ノ」と、言うとおじぎして、コーチやスタッフとハイタッチ!大きくジャンプして入る。リズムよくジブをクリアし、巨大なマトリョーシカはボードでかするようにタップも決める。1つ目のキッカーは、グーフィースタンスからスイッチで入り、ボードをつかんだキャブ1260(=得意とは逆の足を下にして踏み切り3回転半)。2つ目は、レギュラースタンスから1080(テン・エイティ=3回転)。最後の3つ目に、大技の1440(通称フォーティ=4回転)を繰り出すも、着地で手をついてしまう。
観客からも「フォー」という歓声があがる。メットを取って、両手を高くバンザイして応える。2回目の得点は80.50で、1回目に滑った84.75の第3位のまま。
16番目に登場した同種目の第一人者、マーク・マクモリス選手(カナダ)が89.25をたたき出し、3位に入る。これで角野は4位に。決勝進出ギリギリのラインで結果を待つ。
20番目のセッペ・スミス選手は、細かいミスがあったものの、キッカーで1260(トゥエルブシックスティ=3回転半)を連発。審査にも時間がかかり、息を呑む時間が長く続くが84.50と、わずか0.25及ばず。角野選手の決勝進出が決まった。
決勝は予選から直接進んだ8人と合わせ、計12人で午後5時45分(日本時間)からメダルを掛けた争いが行われる。