『第22回冬季ソチオリンピック』(以下、ソチオリンピック又はソチ五輪)が7日、午後8時14分(日本時間:8日午前1時14分)よりロシアのソチ市に建設されたフィシトオリンピックスタジアムで開会式を行い開幕した。
聖火リレーのハイライト映像が流れ、地球の映像が映し出される。徐々にアップになっていき、地中海当たりがクローズアップされる、光の柱が上り、フィールドに白い橋が伸びていく。フィールドしたから選手団が緩やかなスロープを上がって、フィールドに顔を表すという選手入場。
トップは、オリンピック発祥の地であるギリシャ。続いてオーストラリア。キリル文字の順番に出場国と地域が呼ばれ、それに伴い白い橋の下の地球の映像は、その国や地域のーが映しだされていく。
日本は開催国ロシアの直前、最後から2番目に入場。白いフード付きのダウンジャケットを着て背中に「JAPAN」の文字が入っている。旗手はカーリングの小笠原歩選手(35=北海道銀行)が務め、日本選手団主将の葛西紀明選手(41=土屋ホーム)らが笑顔で、ロシアと日本の小旗を振りながら行進。安倍晋三総理大臣も、貴賓席から立ち上がって選手たちに手を振っていた。
行進を終えると、騎手を務めた小笠原選手は笑顔で(おそらくカーリングのチームメイトだと思われるが映像が後ろ姿だったため確認できず)興奮したように話していた。また、開会式の様子をスマートフォンで撮影したり、音楽に合わせて身体を動かすなどリラックスムード。
今回のソチオリンピックでは、選手の入場がいつもの大会よりも早い。これは、選手が入場したら、「そのままスタンド席に座って、ユックリと開会式を観てもらいたい」という意図によるもの。日本選手たちも、リラックスムードで写真やビデオを取りながら観覧していた。
各国の国・地域の選手団がスタンドに着席し終わると、大会マスコットキャラクターたちが登場。身長8メートルあるホッキョクグマがスケートで、野うさぎがスキーで、雪ヒョウがスノーボードを履いて登場。コミカルな音楽でフィールドを回る。
ここからロシア建国の歴史物語がギリシャ神話から始まる。古代ロシアを映像で紹介。終わると、会場内に雪が舞う中、白い電飾のトロイカが真っ赤な太陽を運んでくる。トロイカはロシアでは「希望と物を運ぶ手段」で重要。
太陽が氷を溶かし春になると、赤の広場にある玉ねぎ頭のような、ソフトクリームの渦巻き状のドーム型の建物であるロシア伝統の建築様式をモチーフにしたオブジェが、色鮮やかな衣装を着た子どもたちとともに登場し、「くじら」を形作る。くじらは、昔のおとぎ話の中で巨大なロシアを現す。
「目覚めの」祭りを200人を超える体操選手ダンサー、ボリショイサーカスのメンバーで魅せる。続いて、波と船が映像でフィールドに映し出される。映像が動くのに合わせて、その上を人が歩き、上から見ると立体的に見えるという演出方法が斬新。時代は中世ロシアから帝政ロシア時代に移る(ピョートル大帝の時代)。トルストイの『戦争と平和』の一場面が演じられ、戦争へと突き進む中、時代に翻弄されていく人々をバレエダンサーたちの踊りで象徴する。
激動の時代。度重なる戦争で帝政ロシアは力を失っていくのを雪で表現。20世紀の革命の時代へ。蒸気機関車が上空を走り、赤いライトと赤い衣装の人々が登場し、ソビエト連邦の共産主義時代を象徴する。
その一方で、巨大な蒸気機関車、機械的な動き、「ロシア・アバンギャルド」といわれた 当時の活躍した芸術家の作品をモチーフにした歯車のオブジェなどで工業化を表していく。
動きが止まり発色の光!戦闘機の音!第二次世界大戦!そして、工事の音で街が再建されていく。赤の広場を行進する少年団。赤い航空機をもっている人々(東西冷戦を象徴?)の一方で、世界初の有人宇宙飛行に成功のロケットが交差点に置かれたり、車が走り、ベビーブームがありと、明るい部分(?)を現す。
冒頭に登場した少女のルボフちゃんが赤い風船を手に空中に浮かび、パッと手を話すと赤い風船だけが上空に消えていき、ソ連の崩壊を暗示したところで、ロシアの歴史絵巻は終了。