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【インタビュー後編】森崎博之 初ミュージカル主演も歌わない!?本番までに心変わりある?

【インタビュー後編】森崎博之 初ミュージカル主演も歌わない!?本番までに心変わりある?
「こんな素敵なバス会社が帯広にあるんだよと東京で伝えたい」

 前編ではミュージカル『KACHI BASU(カチバス)』(演出:北澤秀人)にかける熱い思いを語った演出家で俳優・森崎博之(41)。しかし、インタビューを続けていくうちに、ミュージカル主演ということにある致命的な事実を告白しだすことになり……。

※                   ※                  ※

 ミュージカルと森崎というのは、なかなか結びつかないですが――。
 「2008年くらいから、それまで観ていなかったミュージカルを勉強したくて、アメリカのブロードウエイに行ってきたんです。2週間で16本観ましたね。それまでミュージカルが何となく嫌いで、きっとどう楽しんでいいのか分からなかったんです。ミュージカルに対して不自由だったんですよね。でも、期間を集中して観ることで、自分の中にこれは好きこれは苦手、これは派手これは地味と自然と座標軸ができて、その作品を当てはめる事ができるようになっていった。それがハマったのかな。ミュージカルに対して、自由になれました。そのうち自分がミュージカルを楽しむためにどういうふうに身を委ねていればいいか分かったんです。敷居が高いようにも思っていましたが何も難しく臨むことはなく、勝手に音楽に自分の心をついていかせれば楽しめるんだと理解しました」

 実に3年ぶりのNACS以外の舞台出演がミュージカル主演ということには――。
 「いやー、笑っちゃいますね。笑っちゃうでしょ?ミュージカル舞台に立つなんて初めてですよ!僕の人生にそんなことが用意されているとは思っていなかったんです。僕ね、厄年で後厄だったんです。『役者は厄払いしない』って言葉がありまして、役者が厄祓いをしないというのは、普通“やく”をもらえないのに、その“やく”を自分から引いてどうするという縁起担ぎです。いまはナンセンスだと言って厄祓いする役者さんが多いらしいですが。でも、僕はしませんでした。『厄祓い』という言葉が好きじゃなくて、僕にとっての“厄(やく)”は役者の“役”であり躍進の“躍”です。僕にとって最大の“やく”が、後厄の最大の最後に来たんですよ!こんなの平常な年なら絶対もらえない仕事です!よかったかどうか、今は分かりませんが(笑)」

 どこか及び腰な発言だが、これには訳がある。実は森崎は歌があまりうまくないというのだ――。
 「僕は歌がどれだけ下手だと思っているんですか!?うちは5人組で、1人を除いてそこそこ歌がうまいですよ。5人ユニットで歌手としてデビューしてもいいけど、僕がいるためにかないません(笑)。下手なんです。平成のジャイアンとも大泉洋に言われました。なのにメンバーやスタッフさんとカラオケに行くと、なぜか僕がシメに『15の夜』を歌うんです。『じゃあ、リーダーそろそろ』って言われて、歌うというか叫んでいるという形です。そういう儀式です。何曲も歌った彼らより、僕が喉を潰して帰る(苦笑)」

 そう熱弁するがミュージカル主演だけに歌を歌うのでは――。
 「お話を頂いた時に、歌がすごく苦手ですので、もしも許されるのならば演技のみに集中させていただいて、歌わないのでしたら…と相談したんです。そうしたら大丈夫と言われて…」

 えっ!?主役が歌わない――。
 「わはは。歌わないんです!まさかそれでOKが出るとは思いませんでしたが。でもメンバーやいろんなところから『主演が歌わないってありえねーぞ!せっかくミュージカルっていう機会なのに歌わないってなんだ!?ちゃんと心を込めて唄ってこい!』って言われています(笑)でもそうは言っても、お客さんに感動を伝えたいのに、迷惑をかけてしまいそうなので、いまのところは歌わないぞと思っています。ですが、私はこれまで心変わりで生きてきました(笑)コロコロ長いものに巻かれて生きてきたんです」

 そうニヤリと記者の方に目を向け、まだまだ歌唱の可能性を残す森崎。ただしそのことにかけて、モチーフになった『十勝バス』の野村社長にもメッセージがあるそうで――。
 「会った時には『観に来ないでください』と言いたいと思っています。社長に『オレはあんなに歌が下手じゃないぞ』と怒られちゃうかもしれないので(苦笑)。とは言うものの、本拠地の帯広公演もあるのでやりづらいですよ」 

 冗談めかしながら語る森崎に本公演のポイントを挙げてもらう――。
 「こんな素敵なバス会社が帯広にあるんだよと東京で伝えたいし、東京でいっぱい拍手をもらってきたよと北海道で言いたい。赤字だった会社がどうやって立て直っていったのか0から始まっていく。1つ1つのアイデアは決して大きなものではないですけれど、それを思いついて実践した十勝バス、そして野村社長は素晴らしい。それが舞台でも再現されるので、ワクワクしています。そこに自分らしさをプラスして、お客さんにワクワクを届けたい」

 インタビュー中も終始柔和で、ときには冗談を言いながら応じてくれた。彼が“心変わり”をしてソロで歌うのかどうかは2014年1月5日からの本公演に足を運んで確かめていただきたい。

 インタビュー前編はコチラ

 ■公演詳細
 ○キャスト
 ・森崎博之(TEAM NACS)/東川町出身:吉沢文太(十勝国際バス社長)

 ・川村ゆきえ/小樽市出身:吉沢由美(文太の妻)
 ・青柳塁斗/札幌市出身:樋野ワタル(バス会社の運転手)
 ・脇知弘:大平隆(帯広観光タクシー社長)
 ・竹森巧(アップダウン)/茅部郡出身:園田健一(バス会社の社員)
 ・阿部浩貴(アップダウン)/札幌市出身:高橋秀人(バス会社の社員)
 ・小此木麻里:佐藤小雪(バス会社のバスガイド)
 ・近江谷太朗/帯広市出身:中村五郎(バス会社の古参の部長)

 ・今拓哉:塙洋平(塙ガーデン社長)
 ・阿知波悟美/今金町出身:田中麗華(元バスガイドのお局事務員)

 ・小野寺昭/帯広市出身:吉沢文一(文太の父、先代の社長)

 ○公演日
 ・東京公演:2014年1月5日(日)~13日(月・祝)下北沢本多劇場13回公演
 ・北海道公演:2014年2月12日札幌市民ホール、2月14~15日帯広市民文化ホール

 ○チケット情報
  ・一般発売日:2013年10月20日(日)
料金:全席指定6,800円(税込)※未就学児入場不可
 ≪取扱いプレイガイド≫
 ・イープラス0570-06-9993(eコード:111198)
 http://eplus.jp/kachibus/(PC・携帯)
 ファミリーマート店内Famiポート

 ・チケットぴあ【発売日初日特電】0570-02-9940(10:00~23:30)
 【発売日以降】0570-02-9999(Pコード:432-510)
 http://pia.jp/t/kachibus/(PC・携帯)
 チケットぴあ・セブン-イレブン・サークルKサンクス

 ・ローソンチケット0570-084-003(Lコード33374)
 0570-000-407(オペレーター対応10:00~20:00)
 http://l-tike.com/kachibus/(PC・携帯)
 ローソン・ミニストップ店内Loppi

 ・北海道公演一般発売日:2013年11月24日(日)料金:全席指定5000円(税込)※未就学児入場不可

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