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【インタビュー】田中道子、月9ドラマ『絶対零度』でコミュ障な“ロボット刑事”役が難しい!

【インタビュー】田中道子、月9ドラマ『絶対零度』でコミュ障な“ロボット刑事”役が難しい!

 夏ドラマも折り返しを迎え、徐々に佳境に入ってくる時期。第4話まで平均視聴率2桁と健闘している月9ドラマ『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』(フジテレビ、月曜日・午後9時~)に出演している女優・田中道子(28)。「コミュニケーションがすごく苦手な(コミュ障な)女性刑事役」に苦戦中だという。冷徹な感じにならず、微妙な表情の変化を表現するのは難しいという。その悪戦苦闘ぶりとは・・・。

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 ―― 2度目の“月9”ドラマ出演ですが、意気込みを聞かせてください。
 田中 1度目の“月9”ドラマは、『嵐』の相葉雅紀さん(35)が主演だったこともあり、視聴者が(若い)女性の方が中心だったりしたんです。観ている方を意識して出た作品は初めてでした。観ている方が楽しんでいただけるようにと思いながら演技するのが、けっこう難しく課題でした。今回は、その時の課題を乗り越えられるようにと。不安もあり楽しさもありって感じでした。

 ―― 今回の役どころで、演技するにあたってのポイントはどんなところですか?
 田中 私は、警視庁捜査一課刑事で、俳優のマギーさん(46)の直属の部下です。沢村一樹(51)さんは、未然犯罪捜査班(通称:ミハン、表向きは資料課)のリーダーです。マギーさんは、沢村さんたちをちょっと(資料課だから)窓際だろうと下に見ているところがあります。私は、コミュニケーションがすごく苦手な(コミュ障な)女性刑事なんです。それが「ロボットみたいだね」ということから、“ロボット刑事”といわれているんです。ポーカーフェイスで、ツンケンしているように見えるんですけど、コミュ障で表情豊かじゃないだけで、めちゃくちゃ冷徹な感じじゃない。興味がひかれるものには可愛く反応する。でも、自分の思いはうまく伝えられない。ただ、はたからみていると能面、ロボットなど冷たい印象があるんですけど、本人としては(めいっぱい)表情に出しているというところを表現するのが難しいです。

 ―― 具体的なシーンとして、思い当たるところは?
 田中 裏設定で、お酒大好きなんです。2話で沢村さんが「飲み行きましょうよ」というと、マギーさんが、「ふざけんな行くわけないだろ」というシーンがあったんですけど、でも私は行きたそうな顔をしているシーンがありました。
 エリート意識強く、ロボットのように表情を出さないと、冷徹な女になってしまう。監督も「かわいげなく映っちゃうから、それは一番良くない」と。初日は、何回もNGというか、もう一回、もう一回と、撮り直ししたんですけど、難しいですね。
 いままで私がやってきた役は、裏切ったり、裏の顔が出たりと感情表現を出す役でした。それが一切ない役というのは、新しい試みで、難しいですね。

 -- 刑事ドラマとして、参考にした役やドラマはありますか?
 田中 『犯罪の回想』(テレビ東京系、18年放送)が終わったすぐあとなので、刑事役にはすんなり感情を入れられることができました。『犯罪の回想』のときは、松本清張作品でしたので、シリーズを見直したりしました。『絶対零度』もシリアスな場面多く、ミステリアスですので、松本清張シリーズが真っ先に浮かびました。誰の仕業かわからないんですけど、階段を突き落とされる手が映っていたり、犯人がたびたび映っているんですよ。でも、誰かわからない。ミステリー要素はすごくあります。本当に無害そうな優しいおじさんが犯人だったなど、伏線がいっぱいあります。ミステリー色が強く、“月9”ドラマでは新しいかなと思います。

【インタビュー】田中道子、月9ドラマ『絶対零度』でコミュ障な“ロボット刑事”役が難しい!
 

 -- 現場の雰囲気はいかがですか?
 田中 観てる人が面白くなるようにと考えると、みんながちょっとずつ怪しいというのが面白いと思うので、マギーさんとも話して、「ひとつ考える顔を入れると俺も怪しいかな」とか、私も「ポーカーフェイスだけど、あるひとつのワードにひっかかると怪しくなりますね」などと、みんなで控室で話ししています。私もやっと先輩にも物怖じせずに考えを言えるようになりました。マギーさんが優しいからなんですけど。

 --刑事モノと言うことで、念願だったアクションシーンはないんですか?
 田中 刑事モノだし、ついにきたかと思ったら、「きみ、人付き合い不器用だから、ずっとスカートでいいな」と、監督に最初に言われてしまって、これはないなと(笑い)。解決するのは、ミハンの沢村さんたちグループなので、私たちは解決にはあたらず、最後の事後処理だったり、情報提供する側で、最初と最後に出てくるような役なので、犯人を捕まえるぞという部分はミハンにお任せしちゃっているんです。アクションシーンの準備は万端で、いま週イチでアクション習ってます。殺陣と回し蹴り、バク転も習っています。いい感じだと思うんですけどね。いつかやれるように努力します!(感情こもってる)

 ――これまで、西田敏行さん、生瀬勝久さん、マギーさんと、一癖も二癖もある芸達者な役者さんと共演なさっていますよね。アドバイスなどもらいましたか?
 田中 マギーさんとお会いして2日目ぐらいのときに、「どういうモチベーションで仕事して、何をしたときが一番うれしいの?」と聞かれました。私は、「23の時に事務所にスカウトしていただいて、恩返ししたいなというところがあって、期待に答える。ほめられるときが仕事ではいちばんうれしいです」と、答えました。マギーさんは、「人に笑われているときが一番楽しい」らしいんですよ。
マギーさんからは、“間”を言われます。「終わりにかぶせるように話すと、それは威圧感出過ぎるから、一瞬待ってあげたらとか、0コンマ一秒いまのは早かったよ」と、言ってくださいます。また、セリフの前に2人でずっとセリフ合わせをしてくださるような方なので、実際、本番は安心して挑めるようになりました。
 生瀬さんからは、「まばたき一つでも嘘をついている、相手を威圧している、緊張しているとか出せるからね。俺(生瀬さん)も道子ちゃんも瞳が大きいから、まばたきひとつの演技も大事にしなよ」というのを伺っていて、それは気を付けるようにしています。生瀬さんも表情一つで、全部変えられているので、そういうところは参考にしています。

 -- 「女優宣言」から2年経ちますが、女優として着実に成長しているなぁという実感はありますか?
 田中 思います。本当に課題だらけなんですけど。7月2日に放送された『犯罪の回想』は、セリフも多かったので、課題が浮き彫りになり、いろいろアドバイスもいただきました。自分はがむしゃらにやっているので、なかなか成長に気づけなかったりするんですが、周りの方の成長の評価を聞くと、ちょっとずつ成長しているのかなと感じます。最近、楽しめるようになってきました。いままでは不安8割、達成感2割だったんですけと、不安が減ってきました。無難に無難にと思っていたんですけど、失敗するのもお仕事のうちというか、最近は、チャレンジすることも覚えました。いろいろ試すんですけど、「それが面白いよ」と、監督にいっていただくこともあるので、肩の力が抜けた演技ができているんじゃないかなと思っています。

 -- それは誰かにアドバイスされました?「新人なんだから振り切ったほうがいいよ」とか。
 田中 『西郷どん』のときに、セリフもそれなりにあって。一緒にいるメンバーが共演者に高梨臨さん、鈴木亮平さんと、はじめて同年代の方が多かったんです。そういったときに、意見を求められたのが初めてだったんです。「タマちゃん(田中道子の役名)は、どう思う?どっちのほうが面白いと思う」と。そのときに意見を言い合って、みんなで作り上げたというのがすごくあって、本当に楽しかったんです。撮影期間は短かったんですけど、。その時に吹っ切れるようになってきましたね、やっと。

【インタビュー】田中道子、月9ドラマ『絶対零度』でコミュ障な“ロボット刑事”役が難しい!

 -- 今後、やってみたい役どころは?
 田中 これまで、お堅い役やってきて、思いっきりの恋愛ドラマやったことないんですけど、人の感情に入って、揺さぶるという役はやってみたいです。心理カウンセラーのテクニックを使ったり、姑息な手を使ってみたりして、相手をとりこにするような役です。いろんな役やりたいなぁと思っていても警察の役、男の人を手玉に取る。花魁まで行かないけど、薩摩藩の方を手玉に取る役と。真逆な役やってみたいと思います。
 女の子同士でキャッキャしている役とか、女子ばっかりが出演しているドラマとか、キャピキャピしたいまどき女子の役というのが一回もないんです。背高くて、私と顔も似た感じの新川優愛ちゃんは、可愛らしい役、女の子らしい役が多いと思うので、私もそういう役をやってみたいですね。

 -- 共演してみたい役者さんはいらっしゃいますか?
 田中 将来、樹木希林さんみたいな女優さんになりたいんです。樹木希林さんの出ていらっしゃる映画も拝見させていただきました。樹木希林さんの女性としても働き方が話を聞いているだけでも素敵だなと思うので、共演してみたいです。ぜひお会いして、お話したいです。同年代だと、満島ひかりさん、男性だと、まだ拝見できていないんですけど、『万引き家族』に出演されていたリリーフランキーさんと共演してみたい。
 
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 16年に「女優宣言」し、『ドクターX〜外科医・大門未知子〜 第4シリーズ』(テレビ朝日、16年放送)でドラマデビューする直前にインタビューした。あれから2年、すっかり雰囲気も女優さんらしくなっていた。女の子同士でキャッキャしているような、見た目とのギャップがある役をやりたいと言っていたが、ほかにも、「コメディが好きで、コメディ女優もやってみたいです」「映画や舞台もやってみたいです」と、貪欲に語っていた。「演じることが面白くなってきた」という時期だけに、いろいろな役やジャンルに挑戦して、スケールの大きな女優になることを期待します。

 

【インタビュー】田中道子、月9ドラマ『絶対零度』でコミュ障な“ロボット刑事”役が難しい!


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