出渕裕総監督、西井正典チーフメカニカルディレクター、今西隆志CGディレクター、バンダイホビー事業部企画開発チーム・岸山博文氏が12日、千葉・幕張メッセの『2013第53回全日本模型ホビーショー』内ステージにて開催された『「宇宙戦艦ヤマト 2199」たっぷりヤマトーク ホビーショー出張版』に登場した。
38年ぶりに全26話で現代風リメイクを果たし、9月末でその航海を終えた『宇宙戦艦ヤマト2199』。本イベントでは、劇中に登場した艦載機や戦闘機などのプラモデル化するにあたっての苦労話が展開されることとなった。
まずは、岸山氏がヤマト愛から本作の企画が動く前から熱心に出渕総監督へアプローチしていたということが明かされつつ、2007年に350分の1の宇宙戦艦ヤマトの模型ができ監修のため模型の展示に呼ばれたという出渕総監督は、「見てみんなでけちょんけちょんに言ったんですよ。ここもダメとか、庵野秀明とかもそのときにいて」と、当時の思い出を語る。
その苦い思いから出発した、岸山氏は「あのときできなかったことを、『ヤマト』大好きな大先輩方へ尽くそうと思いました」と、一念発起しいまに生かしているそう。そのような形でスタートを切った『宇宙戦艦ヤマト2199』では1000分の1スケールモデルをそろえて出すという初の試みもされているとのこと。そのスケールがなぜ1000分の1になったのかについては今西氏の助言があったとも明かされた。
トークはマニアックな方向へ進み、ガミラスの多層式宇宙空母の話題になった際は、出渕総監督は「基本的には長期航行に向いていないんです。パイロット以外でも整備とか載っていないといけないから、人が住めるのは横の部分の厚みしかないんですよ。パッと見るとカッコイイけど、七色星団で沈んで当たり前ですよ」と、設定から物語につなげることも。その多層式宇宙空母が沈む際には、こだわりが出ており、今西氏によるチェックがあったといい、「後ろのエンジンが火を噴くということだったんで、『本当はこういう爆発だけど出渕さんはこうだよね』と、もうワンバージョン付けてくれる今西チェックがありました」と、裏話も話していた。
また、テレビシリーズの最終回では完全新作の劇場映画が2014年に公開されることが発表され、その続報が気になるところだが、最後のあいさつで、岸山氏は「来年劇場版もあるということで盛り上がっていくので、プラモデルという部分でも愛を注いでやっていきたいと思っています」と、宣言。
続けて「どうやらヤマトはまだ終わってないようで、いろいろ打ち合わせをやっています。引き続きお願いします」（今西氏）、「作品作りは終わったんですが、最終回の終わりに劇場と出ましたよね。ですからわれわれとしては終わっていない状況です。それも、みなさんの期待に添えるような作品作りにしたい。内容はまだ明かせませんけど楽しみにして下さい」（西井氏）と、メッセージを。
そして、出渕総監督からは、まずは26話までやり終えたことにひと息つきつつ、「また、モチベーションをもう一回高めなおして臨まなきゃいけないヤマトが出てきしまって、そのときに登壇すると思います。そのときはよろしくお願いします」と、思いの丈を語り、その場を後にしていた。
