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【桐山漣インタビュー】舞台『激動-GEKIDO-』!恋心を秘めて川島芳子に仕える執事に挑戦

【桐山漣インタビュー】舞台『激動-GEKIDO-』!恋心を秘めて川島芳子に仕える執事に挑戦
芳子(水川あさみ)との永遠の別れの直前に思いを伝える小方(桐山漣)

 ドラマや映画に立て続けに出演している俳優・桐山漣(28)が、新国立劇場で8月23日から9月2日まで上演される舞台『激動-GEKIDO-』(演出:ダニエル・ゴールドスタイン)で、5年ぶりに舞台に出演している。

 清朝の皇族粛親王の第十四王女清朝の王女として生まれ、戦前・戦中の日本と中国大陸を舞台に“東洋のマタハリ”とも“男装の麗人”とも呼ばれた川島芳子。父親と養父の悲願である「満蒙独立」のため、「日中の架け橋になる」との思いからの行動が、最期は祖国を売ったスパイとして、中国で処刑された実在の人物の波乱に満ちた生涯を描いた物語。

 弊社サイトがインタビューをしたのは、TBS系ドラマ『ぶっせん』のインタビュー(http://japan-newslounge.com/archives/87700)の時期であり、まだ、台本も稽古も始まっていない時期だった。そのため、観劇した印象を織り交ぜつつ、インタビューを紹介する。

 同舞台で桐山は幼少から川島芳子(水川あさみ)を支える執事の「小方圭一郎」を演じている。前半は、学生時代~結婚までで、芳子の身の回りのお世話をしながら、遊び相手、相談相手として、初恋の相手との逢引きを、養父に悟られないように嘘をつくのも彼の務めだった。

【桐山漣インタビュー】舞台『激動-GEKIDO-』!恋心を秘めて川島芳子に仕える執事に挑戦

 また、ある衝撃的な出来事に襲われた芳子から、「何で守ってくれなかった」と非難され、自殺未遂を起こした末に断髪。「今日で女を捨てる」と宣言した時にも、そばには小方がいた。芳子の結婚式の時は、ご主人を差し置いて、芳子からの頼みで、「最後のお勤め」として髪飾りをつける役目を果たすなど、あくまでも「主従関係」を実直に務める執事の姿があった。

【桐山漣インタビュー】舞台『激動-GEKIDO-』!恋心を秘めて川島芳子に仕える執事に挑戦
川島芳子の執事・小方圭一郎役の桐山漣

 しかし、その後、芳子は、陸軍少佐と公私ともにパートナー(結婚はしていない)になり、スパイ活動へと邁進。「男装の麗人」として時代の寵児となり、次々と男性と関係を持ちながら上流階級の華やかな生活を送る。しかし時代は、盧溝橋事件から日中開戦(支那事変)、太平洋戦争(第二次世界大戦)と、戦禍が激しさを増していく。いつしか“時代の寵児”は、「日本人じゃない」と迫害を受け、忘れ去られていく。孤独感と孤立感に蝕まれていく。

 ボロボロになっていく芳子の身を案じる小方。そこには、昔と変わらぬ芳子への忠誠心で助言や身の回りの世話をこなしてはいるが、「主従関係」だけではない、許されざる愛を悟られぬようにひた隠しにしながらも、「想い」が言動の端々に感じられる繊細な演技と存在感が印象に残った。

 終戦を迎え、ようやく、養父・芳子・小方の3人で平穏な生活を迎えられると思ったところ、芳子はスパイ容疑で逮捕され、そのまま死刑が確定する。死刑直前になって、小方は、長年の想いを牢獄の面会所でぶつけるように告白。これまでの押さえた演技を解放する迫真の演技は見どころのことつだ。その激情に芳子も真の心の拠り所に気づいたが、それは時すでに遅かった・・・。

 実在の人物をモデルにした「小方圭一郎」について、「川島芳子がいろいろな男性と関係を持つ中、ひそかに想いを寄せて、それを隠し、溜め込んでいる役回り」と説明。しかし、自身が同じ立場だったらどうするかと聞かれると、「ちょっと僕には無理です……」と思わず苦笑い。

【桐山漣インタビュー】舞台『激動-GEKIDO-』!恋心を秘めて川島芳子に仕える執事に挑戦
最初は、「主従関係」だったが、いつしか小方の心の中には・・・

 その理由は、「ちゃんと付き合っているという関係が成立していない状況で、溜め込んでいるのは僕にはつらいですね。無理だったら諦められるので早い段階で終止符を打って、次の恋に進みたいですね。“ほかにもいるよー”って」と笑いながらオープンに語った。対称的な性格という役どころだが、「理解できない部分、疑問に思う部分は絶対にあると思う。でも真剣に受け止めたい」と真しなまなざし。

 共演の水川とは、昨年放送された『37歳で医者になった僕〜研修医純情物語〜』(フジテレビ系)以来だが、「あさみちゃんとまた一緒にお芝居をするのが楽しみですね。天真爛漫に現場の空気をすごく明るくしてくれる方」と、好印象。

 5年ぶりと久しぶりの舞台だが、その魅力について、「お客さんの笑い声や拍手は舞台じゃなければ感じ取れない。僕は舞台に9割入っていても、1割で“いいぞ”と客観的に見ている自分がいますね」と、澄んだ瞳で語った。

 また、初顔合わせとなったブロードウェイで最も期待される演出家のダニエルについて、「楽しみでもあり、不安でもあります」と緊張気味。「国境を越えて、心の底からぶつかり合っていかないといけないので。セリフの言い回しや伝え方によって受け取り方や感じ取り方が違ってくる。でも、絶対にいい運びになるように自分で努力していきたい」と意気込みを語っていた。

 桐山と言えば『花ざかりの君たちへ〜イケメン☆パラダイス〜2011』や『ぶっせん』でも“大勢の男性に囲まれる女性”という構図の作品が多いが「男同士でワイワイやっているのも楽しいですけど、女性が多い方がいいよね。(男女比が)9:1ぐらいだから、7:3や6:4ぐらいは欲しいなあ」と嘆いて(?)いた。

 同舞台は、養父に別所哲也、スパイとして芳子を取り巻く男性に松尾貴史、細貝圭らが共演している。

 舞台『激動-GEKIDO-』は8月23日から9月2日まで新国立劇場 中劇場で絶賛上演中!

 

【桐山漣インタビュー】舞台『激動-GEKIDO-』!恋心を秘めて川島芳子に仕える執事に挑戦


【桐山漣インタビュー】舞台『激動-GEKIDO-』!恋心を秘めて川島芳子に仕える執事に挑戦
執事・小方圭一郎役の桐山漣(左)と川島芳子役の水川あさみ(右)
【桐山漣インタビュー】舞台『激動-GEKIDO-』!恋心を秘めて川島芳子に仕える執事に挑戦
芳子からの悲願の「満州国独立」を伝える電報を読む養父と小方
【桐山漣インタビュー】舞台『激動-GEKIDO-』!恋心を秘めて川島芳子に仕える執事に挑戦
陸軍に利用されボロボロになった芳子を迎えに来た小方
【桐山漣インタビュー】舞台『激動-GEKIDO-』!恋心を秘めて川島芳子に仕える執事に挑戦
いつでも芳子がピンチの時には、小方が側にいた


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1人の人を一生支え思い続けるも口に出せない
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