NO IMAGE

小津安二郎、プロジェクト一覧!現存する作品全37作上映やDVD・ブルーレイ発売

小津安二郎監督、生誕110年・没後50年プロジェクト発表!3大映画祭出品&5作品カラー化で復元
小津安二郎監督「生誕110年・没後50年プロジェクト発表会」

 映画『東京物語』(53年)、『秋刀魚の味』(62)など、日本の人と心を独自の作風の中に捉え続けた映画監督の小津安二郎(満60歳没)さんの「生誕110年・没後50年プロジェクト発表会」が10日、東京・東銀座「東劇」内にある「(株)松竹」本社会議室で行われた。

 現在、決まっている「小津安二郎プロジェクト」として、現存している37作品を全て上映されたり、DVDやブルーレイが発売されたりする。また、これ以外にも全国各地のゆかりの地と連携したイベントや上映・展示などが開催されるなど、今年1年「小津イヤー」としてイベントや上映が目白押しだ。

 1.カラー4作品デジタルリマスター版「Restore OZU Color」
 『彼岸花』(58年)、『お早よう』(59年)、『秋日和』(60年)、『秋刀魚の味』(62年)の4作品を東京国立近代美術館フィルムセンター(NFC)と共同でデジタル修復。

 2.海外展開
 2月7日~2月17日『第63回ベルリン国際映画祭』
 映画『東京物語』デジタルリマスター版海外初上映(2月14日)

 5月15日~5月26日『第66回カンヌ映画祭』
 映画『秋刀魚の味』デジタルリマスター版ワールドプレミアム上映(5月23日)

 8月28日~9月7日『ヴェネチア国際映画祭』
 映画『彼岸花』デジタルリマスター版ワールドプレミアム上映

 3.上映
 6月22日~7月19日 大阪『シネ・ヌ―ヴォ』にて、「生誕110年・没後50年 小津安二郎の世界」と題して、主要な小津作品を一挙上映

 11月23日~1月13日(12月30日~1月13日まで休館) 東京『神保町シアター』にて、「現存する全作品を特集上映」
 映画『東京物語』のデジタルリマスター版、東京国立近代美術館フィルムセンター(NFC)と共同でデジタル修復した『彼岸花』(58年)、『お早よう』(59年)、『秋日和』(60年)、『秋刀魚の味』(62年)のカラー4作品を含む小津作品全37作上映(一部フィルムが存在している3作品を含む)。サイレント作品はすべて生演奏付き/作品によっては活弁あり。特別上映:『生きてはみたけれど 小津安二郎伝』、『小津と語る』

 2014年以降、全国の劇場にて特集上映 企画中

 4. DVD・ブルーレイ
 ブルーレイ第1弾 『東京物語 小津安二郎生誕110年記念・ニューデジタルリマスター』を7月6日発売。
ベルリン国際映画祭で上映された最新のニューデジタルリマスターの画質・音質をそのままブルーレイ化。初の英語字幕や、笠智衆他の貴重なオーディオコメンタリー(1984年)も収録し、初回限定5000セットのみ豪華特典付きで発売。

 デジタルリマスター カラー4作品をブルーレイ化。
 『秋刀魚の味』(62年)、『彼岸花』(58年)を今秋(2013年11月予定)
 『お早よう』(59年)、『秋日和』(60年)を来春に、ブルーレイ発売

 サイレント作品も単品DVD化、全20本をラインナップ
 生誕110年を記念して、7月6日より、一部品切れになっていたDVDボックス商材を再構築し、お求めやすい価格で発売。また、サイレント作品を2枚組にするなどDVD単品商材を拡充して、全20本のDVDをラインナップ。

 5.テレビ放送・配信、特別番組
 企画中

 6.出版・商品化・CM
 出版『蓼科日記 抄』
 今年は、小津安二郎監督生誕110年・没後50年であるばかりか、小津監督の盟友である脚本家・野田高梧の生誕120年、没後45年に当ることを記念し、2人がシナリオ執筆にあたって事細かな出来事を綴った『蓼科日記 抄』が発見され、この夏刊行される。

 1956年の『東京暮色』から、それまで湘南『茅ヶ崎館』に置いたシナリオ執筆の場を、野田氏の山荘『雲呼荘』がある信州蓼科高原に移す。以降、『彼岸花』を除くすべての作品をその地で書いた。

 昭和29年8月18日、小津が初めて蓼科高原を訪れた日から昭和43年9月23日、野田高梧が心筋梗塞で『雲呼荘』で亡くなるその日までの14年間に及ぶ。A5判クロス装のノート全18巻、150万余字に及ぶ膨大な記録である『蓼科日記』から、シナリオ執筆に関わる主要部分を抜粋し、初めて公表する運びとなった。

 それは、小津、野田両氏によるシナリオ作成過程の秘められた部分を初めて明かすものである。小津映画を愛する人たち、小津映画を研究する若者たちにとって、初めて出遭う貴重な文献として、海外からも注目されている。

 「蓼科日記」刊行会 発起人 山内静夫(代表)
 小津ハマ(故人)、野田陽子、大谷信義 他
 協賛:松竹株式会社
 予価:3800円(税別)
 発売日 書店リリースは7月を予定。

 7.展示・イベント
 【イベント】中井貴恵「音語り」

 小津にプライベートでも息子のように愛され、4本に出演作品に出演した俳優・佐田啓二の長女である女優・中井貴恵(55)が2006年から、音楽と朗読を合体させた公演『音語り』を続けている。その一環として、09年から始めたのが、小津安二郎監督の映画を取り上げたシリーズ。
 今回は2013年6月25日、8月27日、9月17日、10月29日、11月26日に『晩春』『秋日和』『東京物語』『お早よう』『秋刀魚の味』の5作品を。会場は横浜新都市ホール。

 8.新たな舞台・映像・その他
 【舞台】七月新派公演 小津安二郎生誕百十年 山田洋次脚本・演出『東京物語』
 出演者/水谷八重子、安井昌二、田口守、石原舞子、瀬戸摩純、井上恭太、児玉真二、英太郎、波乃久里子
 7月13日~21日 京都四條 南座
 7月26日 愛知県知立市文化会館
 7月27日 石川県こまつ芸術劇場
 7月28日 新潟県見附市文化ホールアルカディア

 【関連イベント】
 ニューデジタルリマスター版『東京物語』南座特別フィルム上映会
 6月24日 京都南座

広告