
人気アイドルグループAKB48の“さやか”こと秋元才加(24、チームK)が30日、都内で行われたミュージカル『ロックオペラ モーツァルト』(演出:フィリップ・マッキンリー)の公開げいこに、俳優・山本耕史(36)、シンガーソングライターで俳優の中川晃教(30)、歌手で俳優の高橋ジョージ(54)、俳優・鶴見辰吾(48)、女優・キムラ緑子(51)、演出のフィリップ・マッキンリーら、オールスターキャストと共に参加した。
さやかは、2012年11月7日の制作発表の時に、「『しょせんアイドルだったね』といわれないように、AKBの看板を背負っていますので頑張りたい」と、持ち前の負けん気の強さを全面に出す発言をしていたが、この日の公開げいこでは、その気迫が全面に出て、モーツアルトをめぐる姉妹のバトルのシーンを、迫力満点の表情と歌唱力で、堂々とした歌劇を披露した。
モーツァルトの妻となるコンスタンツェ役の秋元は、モーツアルトの初恋の相手で、交際していた“永遠の恋人”であった姉のアロイジア役のAKANE LIVと共に、モーツァルトをめぐる女性同士の嫉妬心のバトルを、劇中歌『冷たい土の中へ』で表現する場面に登場。
睨み合う姉妹。すれ違いざまにコンスタンツェの足を引っ掛けるアロイジア。負けじと睨み返すコンスタンツェ。至近距離から睨み合う2人の目からは火花が散り合うような迫力あるシーンを披露した。
稽古後の会見でさやかは、「海外の演出家に演出をしてもらうのは初めてだったんですけど、稽古のときは集中して稽古をし、楽しむときは楽しむというアメとムチのようなことが初めてだった」と、驚いたという。

山本は、マンハイムの酒場で楽しく自由に音楽活動をするモーツアルトの心情を歌った『トラブルメーカー』を、そしてダブル主演の中川晃教は、アロイジアと別れ、母と2人、パリにやってきたモーツアルトだったが、全く受け入れてもらえないというシーンでの『君の胸のタトゥー』を披露。
山本は、「10分ちょっと披露させていただいただけですが、汗が止まりません。あっという間に終わってしまうような、パワフルで休むまもなく展開していくような作品になっています」と、充実感を口にした。
モーツアルトと宿敵サリエリを山本と中川が全公演、交互に演じるダブルキャストという凝った演出でも話題になっているが、中川は、「稽古の一番つらいところは、この2役を同時に、フィルの合図によって切り替えなきゃいけないこと。さっきまでサリエリやっていたのに、次の瞬間にはモーツアルトを演る。その逆もしかり。耕史さんと2人で役を作って行かなければならない」と、初体験に戸惑い気味。
マッキンリーの演出に山本は、「アメリカ人なので日本語は分からないはずなのに、『もっと滑舌をよく』と指摘され、バレないだろうと思っていたのに、バレていて驚きました」と、笑わせるエピソードを語る。

中川も、「僕もなぜ日本語が分かるんだろうと思っていましたが、マッキンリーが、『みなさん、僕は日本語のセリフを全部アルファベットにしてもらった台本を持っています』とおっしゃって、なるほどと。あまりみてないようで、凄く見られているので、意識していないことを見ぬかれている。俳優としては楽しいだけの現場ではない」と、明かした。
また、舞台初挑戦の高橋は、「稽古中に『滑舌が悪い』ってアメリカ人に言われたくないですよ」と冗談を飛ばして笑い取ると、「命や、人生についての思いが込められた作品ですので、ぜひ橋下徹大阪市長に見てもらいたい。教育問題でいろいろと大変みたいだけど、この作品を見れば人生観が変わると思う。招待状を出そうと思っています」と、時事ネタを絡めて発言し、場を盛り上げた。
同作は、09年にフランスで初演され、これまでパリでの再演やヨーロッパツアーを含め、計305回公演、通算150万人を動員するフランスミュージカルとして、記録的大ヒットとなった衝撃のロックオペラ。天才モーツァルトと、その才能に嫉妬し狂気へと進むサリエリの姿をロック調に演出した作品。
人気映画を舞台化し、ブロードウェイで話題となった『スパイダーマン』の演出を担当した奇才、フィリップ・マッキンリーによる新演出を日本人のキャストで公演する。
マッキンリーは、「ブロードウェイと比較しても、スタッフもキャストも全く引けを取らない方々が集まっています。本公演では脚本に新たなセリフが追加されていて、モーツァルトとサリエリの関係がより伝わるようになっています。このヴァージョンでの上演は世界初になるわけです」と、確かな手応えを感じているように自信たっぷりに語った。
同ミュージカルの東京公演は、2月11日~17日まで、東急シアターオーブにて。大阪公演は、2月22日~24日まで、梅田芸術劇場メインホールにて上演。また、プレビュー公演が2月9日・10日の両日に行われる。













