声優・羽佐間道夫が16日、東京・有楽町のニッポン放送イマジンスタジオで行われた『チャップリン・ザ・ワールド』声優口演SPECIAL『ヴォイス・オブ・チャップリン』制作発表に声優・野沢雅子、近石真介、千葉繁、宝亀克寿、山寺宏一、井上喜久子、平田広明とともに出席した。
“喜劇王”チャールズ・チャップリンが2014年にデビュー100周年を迎えるにあたり、プレ公演として2013年3月29日、30日に東京・赤坂ACTシアターにて『日本チャップリン協会公認/チャールズ・チャップリン デビュー100周年 プレ公演『チャップリン・ザ・ワールド』声優口演SPECIAL『ヴォイス・オブ・チャップリン』を開催。
まず、羽佐間、野沢、近石、千葉が登場し、チャップリンの『移民』で、口演デモンストレーションを実施! サイレント映画に、声優陣がセリフを入れ、米俳優シルベスター・スタローンの吹き替え(羽佐間)、『ドラゴンボール』の孫悟空(野沢)、『ハイスクール奇面組』の一堂零(千葉)といった慣れ親しんだ声が飛び交い、報道陣も拍手を送った。
今回の声優口演を行うきっかけとなった経緯を、羽佐間が「僕らが7年ほど前に無声映画を観て、これってリップシンクロしてないなと感じて、どうして人がしゃべらないのかなあって野沢雅子と話して、そのうちチャップリンに触れだしてびっくりした。いまの俳優さんがこれを観たら技芸が広がるんじゃないかなというフィルムに遭遇しました。それでみんなに集まって、やりましょうと」と説明。
続いて、宝亀、山寺、井上、平田の4人が登壇し、宝亀が「チャップリンの映画の中で、エリック・キャンベルという憎まれ役というか悪役をやっております」と挨拶すると、羽佐間が「まったく画面と同じ顔だよ!」とチャチャを入れる。
新婚ホヤホヤで笑顔を振りまいた山寺は、29日の『チャップリンの消防士』では、なんと一人でチャレンジ。「羽佐間さんに声を掛けていただいて、6年前から何作かやらせていただいているけど、なんとなく目についた一番しゃべってそうな人にあてるという無茶なやり方をずっとやっています。舞台でやるのは初めて。できるかどうかわかりません」と不安をのぞかせると、野沢が「できます!」と励まし、羽佐間が「7匹の犬が出てくるけど、全部違うんだよ、(声の)色が」と、山寺を絶賛していた。
緊張の面持ちの平田は、「本当にチャップリンに憧れてまして、お話をいただいたときにチャップリンの声って言われて、恐れ多い。実際やらせていただいたら気持ちよかった」と、チャップリン役に喜びもひとしお。
千葉は「チャップリンの間合いの良さは小気味いいというか、おしっこちびりそうなぐらいテンポがいいんですね。ハマったときは本当に気持ちいい!」と、ユニークな表現で報道陣を笑わせた。
井上は、「ご一緒させていただきますのが、私も尊敬している大先輩ばかり。先輩でありながら、なぜかアドリブを積極的に入れられる面白い人ばかり。とても面白い舞台になるんじゃないかと私自身、楽しみにしています」と、本番が待ちきれない様子。ここで羽佐間にあおられ、井上は「声優界では、『井上喜久子、17歳です』って言うと、皆さんが『おいおい!』って言うのがあるんです」と前フリし、羽佐間が「きょうは記者の皆さんに手伝っていただきましょう。井上喜久子17歳!」と報道陣に呼びかけるも、「おいおい」の声もまばらで、場内が微妙な雰囲気に。
野沢が「最初の声優口演から私男性をやらされていたんですけど、この作品で初めて女性だけをやらせていただきました。そしたら、恋わずらいじゃなくて、声わずらいになってしまいました」と明かすと、羽佐間が「いい声だね。とてもセックスアピールがあって」と、またもチャチャを入れ、場内を沸かせた。
この模様を静かに見つめていたナレーション役の近石は、「とにかく口で生まれたような連中ばかり」と呆れ気味になるも、「まあ、稀有な才能ですね。アテレコっていうのは。日本の文化が創り上げた才能じゃねえかなって思うぐらい多彩な人間が育っています」と、声優陣を称賛した。
終盤には監修の日本チャップリン協会の大野裕之会長も登場し、チャップリンの豆知識を披露。最後に山寺が「チャップリンという完成された作品に声をあてるということは、神への冒涜じゃないけども、余計なことするな!とおっしゃる方もいると思います」としつつも、「でも、これを観ていただければわかっていただけると思う。僕も10何回やってるけど、毎回パンツが汗でぐしゃぐしゃになるまで全身全霊でやっています」と、今回の口演にかける思いを過激に吐露した。