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中村勘九郎 勘三郎さん本葬に涙の喪主あいさつ…「本当はお母さんの名前しか言わなかった」

中村勘九郎 勘三郎さん本葬に涙の喪主あいさつ…「本当はお母さんの名前しか言わなかった」
喪主としてあいさつを務めた中村勘九郎

 歌舞伎俳優・中村勘三郎さん(享年57)の本葬が27日、東京・築地本願寺で営まれ、長男の中村勘九郎(31)が、喪主としてあいさつを務めた。

 ■中村勘九郎あいさつ
 本日はお寒い中、また、年末のお忙しい中、父を偲んでいただきまして本当にありがとうございました。

 感謝の気持ちしかありません。葬儀委員長を引き受けて下さったみなさん。弔辞を読んで下さったみなさん。本当にありがとうございます。忘れません。

 父も喜んでいると思います。本当に愛されている人だなと思います。

 きょうも朝9時に家を出まして、父が19のときに江戸の芝居小屋で芝居をしたいという夢を持ち続けて、それを最初にかなえた浅草の地に、父とともに参ったんですけど、どのルートを通ってきたかわからないんですけど、街の方たちが手を合わせてくれて、本当にありがたかったです。

 そして、その浅草の地に行った時に、おみこしが出て、みんなが、涙を流さず、一生懸命担いでくださっている姿を見て、本当に愛されていると思いました。

 それと、出たかった歌舞伎座にも参りました。本当に見せたかったなと思います。そして、きょう、こうやってみなさま方と父の愛を感じて、本当に幸せでございます。こんなに愛されている人の息子に生まれたこと、本当に幸せです。

 この愛されている人の血が、自分の中に流れていると思うだけで、力が湧いてきます。これからは、父が愛した厳しい歌舞伎の道を、しっかり前を向いて進むしかありません。

 けれども本当にこんな偉大な父を亡くしてしまい、七之助と途方に暮れております。どうぞ助けてください。

 そして、人工呼吸器をつけていて声を出せる訓練をしたときに、声を出した時に、この間、父が出ていく(自宅から出棺する)時に、手紙で読んだんです。あれ読んだ時に僕達の名前も入っていたんです。けれど、本当はお母さんの名前しか言わなかったんです。好江って…。(涙ながらに)それだけ愛していた人だった。

 父が愛していたからこそ、強くなれた母だったと思いますし、これから僕達兄弟、(前田)愛も七緒八(なおや)も全力で母を支えていきますけれども、どうか、どうか、どうか、助けてください。

 本当にこんなに愛をくださったみなさまに、父に成り代わりまして…、と言ったら怒られるかもしれませんけど、お礼だけ言わせてください。(声を震わせ)中村勘三郎を、波野哲明を愛してくれてありがとうございます。

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