5日に急性呼吸窮迫症候群のため亡くなった歌舞伎俳優・中村勘三郎さん（享年57）の本葬が27日、東京・築地本願寺で営まれる。
勘三郎さんの遺骨は同日朝に自宅を出発し、平成中村座の最初の公演があった浅草・隅田公園、松竹本社、新橋演舞場をめぐった。
本葬が営まれる築地本願寺を前に午前10時11分、歌舞伎座へ黒塗りの車が2台停まると、長男・勘九郎（31）が勘三郎さんの遺骨を、次男・七之助（29）が位牌を持ち正面入口に立つ。見守っていた約50人のファンからは「中村屋！」との声が飛ぶ中での、無言の歌舞伎座入を果たした勘三郎さん。
工事関係者や中村屋関係者ら50人以上に見守られる中、約5分となったが歌舞伎座に一番乗りを果たすこととなった。歌舞伎座内から勘九郎らが出てくると、拍手が起こり「中村屋！」「日本一！」などの声が辺りを包んでいた。
その後、勘九郎らが築地本願寺に到着。祭壇にはかねてから親交のあった写真家・篠山紀信氏による遺影と平成17年1月に『十八代目中村勘三郎を祝う会』で撮影された遺影が掲げられ、菊1万8000本、カーネーション1500本、胡蝶蘭150本が添えられることとなった。
弔辞は坂田藤十郎、坂東三津五郎、大竹しのぶ、野田秀樹、片岡仁左衛門ら6人が読み上げることも発表。このあと本葬が始まることとなる。
