若手俳優・井出卓也(21)が28日、東京・全労済ホール/スペースゼロにて29日より初日を迎える初主演舞台『真田十勇士 カッコ良くなきゃ死ぬだけさ』(演出:伊勢直弘)のゲネプロに出演した。
本作は、歴史において完全なる勝者、徳川家康を幾度となく苦しめた戦国の武将、真田幸村が集めた猿飛佐助を始めとする十勇士が大阪落城まで、命をかけて戦う壮絶にして、愛なくしては語ることのできない戦国の友情物語。
大阪公演も大盛況のうちに終了し、いよいよ9月29日より、東京公演を迎える同舞台は、2011年12月に銀河劇場で公演し大好評だった舞台「真田十勇士~僕等が守りたかったもの~」から、キャスト陣を大幅に入れ替え完全リメイクした作品。
東京公演を迎えるにあたって井出は、「大阪公演を無事に終えていよいよ、東京公演です。場所は変わるけれども僕らの気持ちの置き所は変わりません。2時間15分、どんなときでも激しくテンポ感が気持ち良く、そして十勇士はもちろん、敵対する徳川軍も含め完成されたチームワーク。僕らはもちろん、毎公演同じ本でPLAYをするけれど、一公演ごとに、必ずチームワークは深まり自然と磨きがかかります。何度も観て頂いた人にも確実に新しい『面白さ』を味わって頂けるはずです。十勇士それぞれのキャラクターも個性的。それぞれの目線からみても楽しめる。僕らが普段感じる『面白い』、その見方が一気に幅を広げて皆さんのハートになにかしらの刺激が伝わる事を求めて、新宿スペースゼロを咲かせきり」とのコメントを寄せた。
戦モノということで、前作以上にアクロバティックな殺陣が大きな見どころだが、前半はとにかく笑いが絶えない。幸村が、物語を通して、「どんなときでも大いに笑え」と、繰り返しいうセリフや、佐助に対して、「お前は、ワシの一番弟子だ。なぜならば一番面白いから」とか、佐助に十勇士を探させに行く時も、「腕の立つモノで、面白いヤツを見つけて来い」など、とにかく「笑う」と言うことを念頭に置いたセリフ回しやギャグがふんだんに散りばめられている。
物語が佳境に入ってくると、次第に、幸村を中心とした十勇士の間の「絆」「情」「愛情」「友情」という部分がクローズアップされてくる。それとは対照的に、服部半蔵の「忍びに心は入らない。ただ、殊勲の名に忠実であるべき」というセリフや徳川家康が「薬」を使って人心を腑抜けにし、戦のない世の中にしようとしているなど、徳川方は、「心なきモノ」として描かれていく。
後半は、突飛な部分はあるが、十勇士がひとり、またひとりと倒れていくところは、涙、涙、また涙となっている。熱い男の友情模様、熱き思いのかっこ良さ、そして最後は散っていく、乱世の儚き生き様を描いた、泣けて、笑えて、泣けるストーリーだ。
また、お笑いタレント『とんねるず』の石橋貴明(50)と元モデルである前妻との長女である穂のか(23)が、真田幸村の身の回りの世話をしつつ、武術を習った雪乃を演じ、後半にはキーを握る役どころとなっている。
その他の主だった配役は、根本正勝(穴山小助 役)、伊﨑右典(三好入道清海 役)、伊﨑央登(三好入道伊三 役)、桑野晃輔(根津甚八 役)、白又敦(D2)(由利鎌之助 役)、吉田友一(服部半蔵 役)、森大(海野小平太 役)、鬼束道歩(筧十蔵 役)、城田純(望月六郎 役)、兼崎健太郎(真田幸村 役)、木下ほうか(徳川家康 役)、鈴木信二(霧隠才蔵)
同舞台の東京公演は、29~10月8日まで、同劇場にて。