女優・松たか子(35)が8日、都内で行われた映画『夢売るふたり』(監督:西川美和/配給:アスミック・エース)初日舞台挨拶に、俳優・阿部サダヲ(42)、女優・田中麗奈(32)、木村多江(41)、鈴木砂羽(39)、江原由夏(27)、落語家でタレントの笑福亭鶴瓶(60)、西川監督(38)とともに出席。8月27日、公演中に舞台から3メートル下に転落し、右側頭部および右半身の打撲を負った兄で歌舞伎俳優の市川染五郎(39)について、コメントする一幕もあった。
東京の片隅で小料理屋を営んでいた里子(松)と貫也(阿部)夫妻は、火事ですべてを失ってしまうが、“自分たちの店を持つ”という夢を捨てきれない。再出発のために夫婦が企てたのは、結婚詐欺だった…。
冒頭の挨拶で、松は「まったく関係のないことで恐縮ですが…」と前置きし、「先日は兄の染五郎の事故・ケガに関して、皆様を大変お騒がせし、ご心配をおかけしまして、大変申し訳ありませんでした。おかげさまで順調に回復しております。どうか彼に時間を与えてやってください」とお詫びし、染五郎が回復に向かっていることを報告した。
孤独なウエイトリフティング選手・ひとみを演じた江原は、本業は女優だが、同作のために4ヶ月のウエイトリフティングの特訓を積み、8月19日に行われた関東ブロック大会で2位に入賞。銀メダルを首から下げて登場し、場内から拍手が送られる。これには、鶴瓶も「凄いですね。こういう役をやって、稽古して2位。どないなってんねん(笑)」と感心していた。
そして、「いまだからここにいる人に○○と言いたい」と共通のお題が出され、登壇者全員がフリップに書いて、観客に見せるコーナーへ。「もうムリ…」と書いた江原は、「監督と、ウエイトリフティングを教えてくださったコーチに言いたいんですけど、4ヶ月のトレーニングが本当に苦しくて。1日に総重量6トンか7トンぐらい挙げてた」と、つらかった日々を思い出す。
これに対し、意思が通じたように西川監督も「江原さん、トレーニング頑張ってくれて、どうもありがとう」と書き込んだフリップを上げ、「ぜひ私たちをリオに連れて行ってください」と、2016年の五輪出場に向け、発破をかけていた。
松は「監督 一緒に受験してくれてありがとう」と西川監督に礼を述べ、「この映画である資格が必要で、それを取りに行ったんですけど、監督も一緒に受験してくれた。下手したらテストの回答も教えてくれる勢いで協力してくれて、ありがとうございました」と明かす。だが、西川監督が「一日目の学科試験で、居眠りをする松たか子を初めて見ました」と暴露すると、松が「私も人間なんです！」と弁解し、場内が笑いに包まれた。
阿部は「監督 色々な表情を引き出してくれてありがとうございました」とフリップを掲げ、「火をつけられたり、何かかけられたり、引っ叩かれたり、セックスしたり、そういうことやっているうちにいままで見たことない表情が画面に出ている」と、激しい撮影だったことをぶっちゃけ。西川監督も「毎日、煮たり焼かれたりご苦労様でした」と呼応し、フリップのはじに書いた「阿部さん本当は好きでした」を指差す。そして、「カメラの横で見ながら、ちょっと好きになりそうだった。それを女性スタッフに言ったら、みんな同じこと言ってました」と、阿部に愛の告白も。
ここで鶴瓶が、「『ディア・ドクター』のときはどうだったんですか？ 主役の人を好きになったりしなかったんですか？」と、自身が西川作品に出演したときのことを引き合いに出すと、西川監督は「う～ん…」と困ってしまい、鶴瓶が「もういいです！」と吐き捨て、観客も爆笑！
続いて、結婚したい独身OL・咲月役の田中が、「阿部さんごめんなさい」と謝罪し、「作品の中で、阿部さんの身体が痛いことを私がしています。大丈夫でしたか？」と気遣うも、阿部は「大丈夫だからここにいま立ってるんですけど…。一生の中で、あんなにやられたことないです。男の人でも、女の人でも」と、素っ気なく返答。さらに田中が、「顔ってこんな風に腫れるんだ～と思って。どんどん赤くなって、紫になって、こういう風に膨れ上がるんだ～」と、まるで他人事のように話すと、鶴瓶が「何笑うてんねん！ 『私、あんなんできるかしら～』って言うた次の瞬間にしていた。ほんま怖いわ」と、突っ込んだ。
夫婦を追う私立探偵・堂島を演じた鶴瓶は、「一瞬一連の動作でキスしようと思ってごめんなさい」と謝り、「誰とは言いませんが、顔見つめ合うところがあって、アドリブでキスしたらあかんのかな…って」と、よこしまな気持ちを告白。これに対し、隣の田中が顔を手で扇ぎながら、「暑くなってきました…」と赤面していた。
また、退場時に報道陣が「お兄さんの具合はいかがですか？」と松に声をかける場面も。松はこれには答えなかったものの、笑顔で会釈した。
なお、第37回トロント国際映画祭に加え、バンクーバー、ロンドン、シカゴ、オーストラリアでの海外映画祭での出品が決定したことも併せて発表された。
8日より新宿ピカデリーほか全国ロードショー！
