落語家でタレントの笑福亭鶴瓶(60)が27日、都内で行われた映画『夢売るふたり』(監督:西川美和/配給:アスミック・エース)公開直前イベント【午後の部】の『男と女は〈謎〉』試写会に主演の女優・松たか子(35)、俳優・阿部サダヲ(42)、西川監督とともに出席した。
神田明神でヒット祈願が行われた【午前の部】に続いて、【午後の部】では、同映画にちなみ男女のペア約80組を会場に招待。東京の片隅で小料理屋を営んでいた里子(松)と貫也(阿部)夫妻は、火事ですべてを失ってしまうが、“自分たちの店を持つ”という夢を捨てきれず、結婚詐欺に手を染めてしまい…。
夫婦を追う私立探偵・堂島を演じた鶴瓶は、「僕は試写を夫婦で観て、えらいことになりました。カップルとか夫婦とかで観るのは、なるべく避けたほうがいいと思います」と、芸人らしく笑いをとりつつ、会場に集まったカップルたちに忠告の意味を込め挨拶。
阿部との初共演について、松は「ステキな俳優さんで、いつかご一緒できればいいと思っていたけど、まさか映画で夫婦役とは思いつかなかった。こういう出会い方も面白い。つかみどころがないようでとってもシンプルな人のような、面白い俳優さんでした。一緒にお芝居をしていて楽しかった」とベタ褒め。
MCに「本作を観た人が阿部さんの色気が尋常じゃないとおっしゃってました」と紹介された阿部は、「ちょっとハードル高くなっちゃったな。そんな色気とかないですから。自信もないですし。いまある自分を出しているだけです」と、苦笑い。
09年の『ディア・ドクター』以来、西川監督作品に2度目の出演となった鶴瓶は、「久しぶりで、楽しかったですね」と、再会を喜ぶ。だが、「この映画作る前に『結婚詐欺の映画を作るんだ』って相談されたんですよ。それで、僕が詐欺に遭った被害者の人を知ってたから、監督がその人と電話してるんです」と、西川監督のしたたかな部分を暴露。さらに「その詐欺の犯人が、この前捕まりました」と、予期せぬ発表もあった。
そして、鶴瓶は「阿部さんが連日連夜ひどい目に遭っていた」と、ロケでの壮絶シーンを振り返り、「あのシーン見たけど、止まらへんかったもんな、あの人。終わってもハァ～ハァ～って凄かったで(笑)」と、まだ公開前なので名前こそ明かさなかったが、劇中で阿部を殴った女優の名演技をぶっちゃけ！ これに阿部が「セリフにはないけど、『本当にすいません』と謝ったんで、止まってくれました」と明かすと、場内から笑いが起きる。さらに鶴瓶が「次の日、その人とたまたまタイ式マッサージのエステで会ったんですよ。やっぱり大変やったって言ってましたよ」と、こぼれ話も披露した。
観客からのお悩み相談コーナーもあり、29歳の女性から「付き合って7年の同い年の彼氏が結婚の話に乗り気じゃないです。その気にさせる方法は？」という相談が。これに鶴瓶が「絶対結婚すべきやと思いますよ。あと、絶対ケンカしたらあかん。ウチケンカしたことないもん」とアドバイス。だが、阿部は「僕はけっこうケンカしますね。ケンカしてもいいと思います。それから仲良くなって」と、間逆の意見を。それでも鶴瓶が「ウチはもうケンカしたら終わりですね」と続けると、阿部は「マジですか？ じゃあしないでください」と観客ではなく、鶴瓶にアドバイスしていた。
21歳の大学生の男性からの「今度、気になる後輩の女の子と2人で食事に行くけど、どうアプローチしたらいいですか？」という相談には、阿部が「大丈夫ですよ。誘えば来ますよ。21歳の男性の尋常じゃない色気を出して」と、MCの紹介をネタにすると、場内爆笑！ さらに阿部が「ずっと自分だけで温めてきた一発ギャグとかかましたらどうですか？」と悪ノリすると、鶴瓶が「絶対せんほうがいいよ！ 頭おかしいと思われる」と、暴走を止めていた。
9月8日より新宿ピカデリーほか全国ロードショー。
