韓国の李明博大(イ・ミョンバク)統領が10日、日韓両国が領有権を主張し韓国が実効支配する島根県の竹島(韓国名・独島)に上陸した。
韓国大統領が竹島を訪問するのは初めて。日韓関係への配慮などからこれまで慎重に避けてきたものだった。この事態に、日本の野田佳彦首相は「極めて遺憾」と批判したが、森本敏防衛相は「韓国が内政上の判断で決めた。他国の内政にとやかくコメントすることは控えるべきだ」と述べ、野党が政府見解に反するとして反発している。
11日付のサンケイスポーツ、日刊スポーツ、東京中日スポーツ、スポーツニッポン各紙が報じており、李大統領は午前、ソウルを出発し、午後2時ごろヘリで竹島に到着。現地で警備隊らから報告を受けたとのこと。
同行した韓国記者団によると、1時間10分の滞在中、「独島は間違いなくわが国領土で、命をかけて守らねばならない価値がある」と、コメントしたという。
この李大統領の行動について、来年2月に任期切れを迎え、実兄や側近が不正資金事件で逮捕されるなどレームダック(死に体)状態になっており、日本の植民地支配からの解放を祝う「光復節」の15日を前に支持率回復へ向けたアピールしたものとみられている。