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【ロンドン五輪】レスリング女子フリー55キロ級、吉田沙保里、屈辱の相手に勝ち決勝進出

 ロンドンオリンピック第14日目の9日、レスリングは女子フリー55キロ級が行われ、昨日の伊調馨(=ALSOK、28)に続いて、オリンピック3連覇を目指す吉田沙保里(=ALSOK、29)が登場。準決勝で、5月に東京で行われたワールドカップで敗退。連勝記録を止められ、悔し涙を流した屈辱の相手にリベンジし、3連覇に王手をかけた。

 今回、オリンピックで勝てば、名レスラーで”霊長類最強の男”と評されたアレクサンダー・カレリン(ロシア、44)の持つ、レスリング世界選手権とオリンピックでの「V12」に並ぶ。

 1回戦 吉田沙保里 ○(1‐0、1‐0)× ケルシー・キャンベル(アメリカ)

 対戦相手のキャンベルは、吉田がこれまで2度勝っている相手。

 第1ピリオド、相手は吉田のタックルを警戒して、頭をぶつけて、腕を取り合い、中に飛び込ませないようにする。しかし、50秒、相手がタックルに来たところを上からかぶさり、そのままバックを取って1ポイント。このまま両者に動きなく、終了。1‐0で取る。

 第2ピリオド、第1ピリオド同様、吉田のタックルを警戒するあまり、両者動きがなかったが、1分、吉田がタックルで飛び込んで、片足を取って場外に押し出し1ポイント。このまま終了し、1‐0で取る。

 準々決勝 吉田沙保里 ○(1‐0、2‐0)× ユリア・ラトケビチ(アゼルバイジャン)

 第1ピリオド、相手は吉田に飛びこませないように、足を使って回る。それに対して、前に出て相手にプレッシャーをかける吉田。そんな中、1分19秒、1度タックルに行くも浅くフェイントをかけ、相手が逃げたところを回り込んで足を取ってタックルに行き、1ポイント取る。このまま1‐0で取った。

 第2ピリオド、手を取って頭をつけ、お互いに相手に飛び込ませない体勢のままこう着状態が続く。1分20秒、相手が仕掛けてきて、吉田は2度ほど足が上がり、身体が回転しそうになるところをこらえ、逆に、バックをとり2ポイント。このまま2‐0で吉田が勝利。

 準決勝 吉田沙保里 ○(1‐0、2‐0)× ワレリア・ジョロボワ(ロシア)

 ジョロボワは19歳で、今年5月に東京で行われたワールドカップで敗退し、58連勝で記録を止められた屈辱の相手。

 第1ピリオド、33秒、吉田のタックルを警戒する相手の足を取って、場外に押し出し、1ポイント獲得。1分40秒、タックルに来られたところ、相手を見てかわす。それを利用して、バックに回ろうとするも早い動きでかわされる。このまま終了して、1‐0で吉田が取る。

 第2ピリオド、吉田のタックルを経過して、組んだり離れたりする相手。しかし、第1ピリオドを取られているため、残り20秒となった1分40秒のところで、タックルを仕掛けてきたところ、吉田が冷静に引き落として、逆にニヤホールで攻め、相手のバックを取って2ポイント。2‐0で決勝進出。

 吉田は、勝った瞬間に、「ヨシッ」と声を出し、気迫のガッツポーズを何度もするなど、この1戦にかけていた意気込みが伝わってきた。

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