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【ロンドン五輪】フェンシング男子フルーレ団体準決勝!太田、残り2秒から逆転で決勝へ

 ロンドンオリンピック第10日目の5日、フェンシングは、男子フルーレ団体準決勝が行われ、世界ランキング7位の日本は同3位のドイツと対戦。相手にマッチポイントを握られた残り1秒で、太田が執念の一撃で同点に追いつき、延長戦の末、41‐40と、逆転で決勝に進んだ。日本フェンシングは、同種目で初のメダルが確定した。

 日本チームは、北京五輪銀メダリスト・太田雄貴(森永製菓、26)、千田健太(ネクサス、26)、三宅諒(慶大、21)、淡路卓(ネクサス、23)の4選手。この中から3選手が試合をする。

 日本 ○(41‐40)× 中国 

 第1試合は、千田とペーター・ヨピッヒ。準決勝の緊張感みなぎる立ち上がりで、一進一退の攻防が続き、4-4の同点で時間切れ。第2試合は、太田とセバスチャン・バハマン。ここも膠着状態となり4-6で時間切れ。第3試合は、三宅とベンヤミン・クライブリンク。(各試合で持ち越された点数があるため、試合時間3分以内で15点まで取れる)立ち上がり、三宅が2ポイントを連取して6-6の同点とするが、8-8の同点で時間切れ。ここまでロースコアの展開になる。

 第4試合は、千田とセバスチャン・バハマン。ここで、試合が激しく動く。準々決勝2巡目の試合で10点を取り、3回の試合で合計(45点中)20点を荒稼ぎした千田がここでも爆発する。連続ポイントを含む7点をあげ、15-12とリードして時間切れ。第5試合は、三宅とペーター・ヨピッヒ。ここもお互い譲らない攻防が続くが、最後に三宅がリードを広げるポイントを決め、18-14とする。第6試合は、太田とベンヤミン・クライブリンク。太田は立ち上がりから連続ポイントでリードを広げる。

 しかし、中盤からクライブリンクの追い上げにあい、9連続ポイントを奪われ、21-23と逆転を許してしまう。太田がワンポイント返したところで、クライブリンクが左足を痛め、約7分間、治療のため試合が中断する。これで流れが一気に太田にきた。試合が再開すると、太田がいきなり7連続ポイントで29-23と再逆転。その後もポイントを重ね、28-23。

 第7試合は、三宅とセバスチャン・バハマン。三宅は着実にポイントを稼ぎ、31-25。第8試合は、千田とベンヤミン・クライブリンク。クライブリンクが一気に追い上げ、33-30と3点リードで最後の太田へつなげる。第9試合は、太田とペーター・ヨピッヒ。最初のポイントは太田がとるが、そこからヨピッヒが一気に5連続ポイントで逆転。

 太田もここから、38‐38と同点に追いつくが、残り6秒で38‐40の2点差。残り2秒で「アレッ(始め)」と声がかかった絶体絶命の最後の攻撃で、なんと同点に追いつく。止まった時計を見れば残り1秒で延長戦へ。

 延長戦は、1分間で、先に1ポイント取った方が勝利する。2人の剣が同時に伸び、両者が勝利の雄たけびを上げ、両方のチームから歓声がわき起こる。またも相打ち。延長戦で3度目となるビデオ判定へと持ち込まれた。騒然とした場内が一転して静まりかえる。数分の静寂後、両手を突き上げて絶叫したのは太田だった。

 その太田の元へ千田や三宅が駆け寄る。ガッチリと握手を交わすと、コーチやスタッフも太田の元へ駆け寄り、歓喜の輪ができた。史上初の団体戦メダルを確定させた瞬間だった。

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