ピアニストでYouTuberのハラミちゃんが、11月13日に都内の菅刈小学校を訪れ、「こどもスマイルムーブメント」のアンバサダーとして、第一回特別授業を実施。子どもたちに音楽の楽しさを伝える講義や、ピアノ演奏を取り入れたミニゲームなどを行った。
講演に登場したハラミちゃんは、生徒からのリクエスト曲「天国と地獄」を披露して、子供たちにあいさつ。ピアノを始めたきっかけは「4歳の時です。兄が習っていて、その背中に憧れて始めてからは楽しくて、毎日練習していました」と話すと、「クラシックの曲を習っていたんですけど、音楽室のピアノで当時のドラマやアニメの曲を引いて、みんなが喜んでくれたことがきっかけで、将来はピアニストになることを決めました」と振り返った。
ピアニストを目指す中で、「練習はすごく嫌な日もあったんですけど、ピアノ教室で出してくれるお菓子が食べたくて頑張ってました」と明るく話すも、「音楽大学で自分の実力が足りないことに挫折して、ピアニストになることを一度諦めました」と告白。その後サラリーマンをしていたことを明かすと、「『ピアノの様子をYouTubeに上げませんか？』という誘いがあって、その人との出会いがきっかけでピアノの世界に戻ってくることができました。一度は諦めても違った形で夢はかなうこともあるんだと思いました」と挫折や困難を乗り越えた体験を語った。
現在思い描く夢は「ピアノ教室をいつか開きたいなと思っています」と笑顔を見せ、子供たちに向けて「将来の夢は、見つかっている子も見つかっていない子も正解だと思ってて、どっちも素晴らしいと思います。私はピアニストになることを諦めた過去があるけど、途中で挫折しても、夢は一本道じゃなくて、いつかはたどり着くこともあるから、いろんな人との出会いや環境でまた夢をかなえることもあるんだなということを、覚えておいてほしいなと思います」と子供たちにメッセージを送った。
その後は、全児童と演奏に合わせたリズムゲームを実施。各学年の児童代表からの質問にも答え、好きな授業は「音楽と図工」、好きな音楽の種類は「J-POP」と回答し、「ピアノとはなんですか？」という質問に「“大切な恩人”です。つらい時や悲しい時にピアノを引くと、すごく心が明るくなったり救われることがあったので、いつも助けてくれる存在だと思っています」と思いを口にした。
終盤は、目黒区立菅刈小学校の愛唱歌「菅刈フォーエバー 未来へ」をハラミちゃんの伴奏で児童が合唱し、児童に向けて「皆さんが全力で体を動かしてくれたり、歌声を聴かせてくれたり、素晴らしい質問があったり、みなさんと楽しめてよかったです。『楽しい』って漢字は、実は音楽っていう言葉が先にあって、音楽って楽しいよねってところから楽しいって漢字ができたそうです。音楽は自然と楽しめるものだと思うので、音に触れる機会があるときは、心を解放して楽しんでもらえたらと思います」と話して講演を締めくくった。
特別授業の後の囲み取材では、「音楽の先生になりたかった時期もあったので、お子様たちと音楽の楽しさを分かち合う時間は、自分が夢や希望を与えたかったんですけど、逆に与えてもらうくらい瞳がキラキラしていて感慨深かったです」とイベントの感想を。子供たちとの交流は「みなさん、真剣に話を聞いてくれていたんですけど、音が鳴った瞬間に笑顔になって喜びの表現をしてくれたので、音って無条件にテンションを上げてくれるものだなと思いました」と率直な思いを吐露した。
いつかピアノ教室を開きたいという夢については、「机の上で教えるより、実際に体を動かした方が記憶に残ると思ったので、もし教室を開くことになったら、体験をさせてあげながら学ぶことをやりたいです」と語った。
最後に「今回のような機会があったら、どんな授業をしたいか」という質問に「普段みんなが聞いたことのなるモーツアルトとか、音楽室にある肖像画の人たちがどういう人なのか、人となりを知る機会がないと思ったので、ちょっと身近な例えをしながらクラシックを教えたいなと妄想しています」と目を輝かせていた。
