【川崎市】ブルーインパルスパイロット江尻卓さん「羽田空港が近いので関係各所のご協力があって飛べた」【中村憲剛FROとトークショー前編】

【川崎市】ブルーインパルスパイロット江尻卓さん「羽田空港が近いので関係各所のご協力があって飛べた」【中村憲剛FROとトークショー前編】

【川崎市】ブルーインパルスパイロット江尻卓さん「羽田空港が近いので関係各所のご協力があって飛べた」【中村憲剛FROとトークショー前編】

 7月1日に市制100周年を迎えた川崎市が6月29日に中原区の多数のスポーツ施設群を有する都市公園・等々力緑地で川崎市市制100周年記念事業「かわさき飛躍祭(ひやくさい)」が開催された。敷地内に設置されたステージトラックで、「中村憲剛FROとブルーインパルスパイロット江尻卓さんのトークショーが行われた。2回にわたってお届けする。

 (取材・撮影:伊藤直樹©ニュースラウンジ)

 中村憲剛FRO(以下、中村) 皆さんこんにちは。FROです。今日、江尻さんの話、僕もいっぱい聞きたいんで、たくさん話して。よろしくお願いします。

 江尻卓(以下、江尻) はい。皆さん初めまして。11飛行隊ブルーインパルスの飛行隊長をしております江尻と申します。本日はよろしくお願いします。

 中村 言ってみたいっすね。ブルーインパルスの飛行隊長。言ってみたいです。1回は(といいつつも)いま言いました。ありがとうございます。(と、スタートから憲剛節で笑いを取って雰囲気を和ませる中村FRO)

 中村 (「飛躍祭」「100フェス」の目玉企画のひとつがブルーインパルスの展示飛行について)すごかったですね。感動しました。

 江尻 私は飛んではいないです。私は地上でやり取り、上空のパイロットとやり取りをしていました。

 MC 皆さんが見てこういう風に感動してくださるっていうのは、やっぱりこの上ない喜びとか、そういう感情なんでしょうか。

 江尻 そうですね。やはり我々自衛官っていうのは、なかなかこう、国民の皆様に 喜んでもらえることっていうのはないので。ただ、ブルーインパルスはもう皆さんを笑顔にするというのがもう1つの目的でもありますので、直接ファンの方と触れ合う時間等もありますし、我々としてはすごく力にもなりますし、嬉しいですね。

 MC 憲剛さんもプレイヤー時代はそうでした?

 中村 それはそうだと思います。エンターテイメントっていう言い方が正しいかどうかわからないですが、見てくださっている皆さんが喜んでもらえるっていうのがね。

 今回は、7月1日に川崎市政100周年を迎えるお祝いとして、今日(6月29日に)ブルーインパルスが展示飛行を行った。何かお祝い事があると飛ぶそうで、その回数は、「年間で20から25回ぐらい」(江尻さん)と、月2回ペースで、日本全国どこかの市町村の上空を死んでいるという。

 江尻 (飛行を決めるのは)実は我々ブルーインパルスの飛行隊で決めてるわけではなくて、もうちょっと上の方…航空自衛隊の…なんていうんですかね、中枢と言いますか、そういうところで決めて、我々はそれに応じて、日にちが決まって、そこに向けて訓練をするという風になっていますので、我々がここに行きたいだとか、そういうのは直接は選べないんです。

 MC 川崎市の市政100周年のために飛んでくださったのが嬉しいですよね。(会場に向けていう)

【川崎市】ブルーインパルスパイロット江尻卓さん「羽田空港が近いので関係各所のご協力があって飛べた」【中村憲剛FROとトークショー前編】
ブルーインパルス パイロット江尻卓さん

 江尻 い、いえ、こちらこそ呼んでいただいて。実はこの周辺って、羽田空港が近かったんで、なかなか飛ぶことができない。厳密な調整をしていただき、関係各所いろんな方のご協力があったので、我々が今日、事に飛ぶことができました。我々だけではとても飛ぶことはできなかったし、今ここにいるファンの皆様をはじめ、色々な方のご協力があったので、我々は飛ぶことができました。ありがとうございます。

 MC ビッグハート(を描いた)の時って、2機だったですよね。他の4機はどこにいるんだろうって私、思っていたんですけど、その後ちゃんと4機出てきましたよね? ずっとどっかで待機しているんですか?(という素朴すぎる疑問をグイグイとぶつける司会者に中村FROも「確かに聞きたかったですけどねー」と、苦笑い。)

 江尻 タイミングを全て測ってるんですよ。待機と言いますか、そのハートが終わるタイミングで4着が(等々力野球場の上空に)入って来れるように、上空でのパイロット同士のやり取り、ボイス喋ってやり、喋りながせでとか、 あとはもう綿密に計画を立てて経路を決めて、何秒後に入るかとか、そういったところも全て計算をしてやってますので、

 MC 何日間ぐらい練習されるんですか?

 江尻 今回のプログラムを組んでやったのは、実際は3、4回ぐらい。それまでの一連の流れでの訓練はやっていますので、そのパターンの組み合わせを変えたりですとか。ただ、3、4回は結構、実は多い方なんです。

 MC 昨日、(大雨と)天候が悪かったから、予行演習ができなかったんですそうですね。それは結構大きなことではあったですか?

 江尻 大きいですね。やはり予行練習をすることで綿密さも、最後ほんとに見たいというわけではないですけれども、侵入方法を決めたりですとか、最終調整を大体いつも我々どこに行ってもおこなっています。そういったところができなくて、今日なかなかちょっとズレたんです。みなさんはなかなか気づかないでしょうが、そういったところの修正をちょっとやりつつやったというのが実はあった。

 MC 全然わかんなかったです。ものすごい揃っていた感覚でしたけど。

 江尻 そう言っていただけると嬉しいです。

 MC 下から指示を出していらっしゃったとおっしゃっていたんですけど、サッカーと同じで、ブルーインパルスの皆さんも、やっぱりコミュニケーションとか。チーム力がすごく大事なんだなっていうことが今のお話でもわかったなと思うんですが、憲剛さん、どうですか?

【川崎市】ブルーインパルスパイロット江尻卓さん「羽田空港が近いので関係各所のご協力があって飛べた」【中村憲剛FROとトークショー前編】
中村憲剛FRO

 中村 もうサッカーと全く一緒ですね。いやむしろサッカーは別に揃えなくてもいいんですよ。その並びとか。順番とか揃えなくても別にいいので。そういう意味で言うと、ブルーインパルスのフォーメーションを揃える方が、多分すごく難しいのかなっていう風には思いましたね。サッカーはこう、アドリブの連続なところもちょっとあるので、もちろんチームでは決め事はあるんですけど、その中で半々ぐらいでやっています。だって、アドリブきかせると絶対ダメじゃないですか。ブルーインパルス一機でもなんかどっか行っちゃったりしたらまずいじゃないですか。

 江尻 そうですね。それはないですよね。

 中村 そうですよね。当たり前ですけど。いや、だからっていうと、やっぱりブルーインパルスの方が色々と、多分もう規則性だったりとか、決め事だったりっていうのは多いのかな。だから、コミュニケーションをいっぱい取る。

 江尻 まさに中村さんのおっしゃる通りで、コミュニケーションを取るっていうのがやはり非常に重要なので、私をはじめみんな積極的にコミュニケーションをとってます。実際、あの時どういうことを考えてた とか、あの時もう少しこうしてほしかったとか、ほんとに言い合えるような関係性を築けるように普段から心がけてますね。
私も飛行隊長ですので、リーダーとして1番機で飛ぶんですけど、そこがちょっとずれたりとかすると、みんなに影響がでる。実は1番機に乗ってる人は、2番機も3番機も4番機も乗れないんですよ。操縦できないんです。1番機は2番機のポジションには絶対に入れないんです。

 中村 1番機は1番機しかできない。ポジションチェンジはしない。

 江尻 ポジションチェンジしないです。唯一無二の存在で、テストで常にもう息はぴったり合うように日々訓練しています。1番機が2番機、3番機の位置に入ることは絶対にないです。1番機だけではなく、2番機が3番機に入ることもありません。みんなそうです。
(メンバーの入れ替えについては)実はですね、我々3年に1回しか入れ替わらないんですけど、基本的には そうなので、2番に入った人はもう2番しか飛びませんし、次来る人も2番要員として来るので、その後の3番で飛ぶなんてことはありえないです。
なので、メンバーの入れ替えっていう意味で言うと、新しい次の人が来るっていうことはありますが、ポジションが変わるっていうのは絶対にないです。

 中村 ポジションチェンジはサッカーでは頻繁ですからね。ディフェンダーが中盤やることもあれば。そこは違うんですね。

 江尻 そこは違いますね。自分のポジションを一生懸命3年間やる。

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