ぼけ封じ観音菩薩像を祀る玉川大師、認知症予防効果があるとされる「ガンマ波サウンド」を流し「春彼岸会」

　東京23区唯一の“ぼけ封じ関東三十三観音霊場”で「ぼけ封じ観音菩薩像」をお祀りしている玉川大師（東京都世田谷区）が、認知症予防に効果があるとされる「ガンマ波サウンド」を出力するスピーカー「kikippa（ききっぱ）」を使用した玉川大師「春彼岸会」を3月20日の春分の日に行い、その模様を報道陣に公開した。

写真は玉川大師「春彼岸会」で護摩祈祷をする玉川大師・5代目住職の眞保龍言さん

　この試みは、玉川大師で、3月17日～ 3月23日までの春のお彼岸に合わせて開催する「春彼岸会」に、テレビなどの音声に40Hz変調を施した「ガンマ波サウンド」に加工し出力するスピーカー「kikippa（ききっぱ）」を初導入。ご先祖様の御供養に適した春のお彼岸のお中日（春分の日）となる3月20日（水・祝）の御供養、ご祈祷（御護摩祈祷）を報道公開するというもの。

　少子高齢化と参拝の非習慣化に伴う檀家と参拝者の減少など“寺離れ”が進む中、コロナ禍すーが拍車をかけ、コロナ５類移行後も一般参拝者数の回復が鈍い状態が続いている。また、地域によっては、都市部への人口集中や、後継者不足などにより、従来通りの運営が困難な寺院も増えている。
　その一方、A IやD X、メタバース、A R、オンラインイベント、小型ドローン、N FTなど、最先端のテクノロジーを活用した「お寺×テクノロジーでテクノロ寺院」などとも呼ばれ、幅広い世代がお寺を訪れるきっかけづくりへと取り組む寺院も増加している。

　そこで、23区唯一の“ぼけ封じ関東三十三観音霊場”である玉川大師では、認知症予防プログラムなどを提供するクリニックや高齢者施設で使用されているスピーカー「kikippa」に着目。多くの参拝者のご来訪が期待できる春のお彼岸に開催する春彼岸会で、参拝者の皆様 がさらなる御利益を享受いただけるように導入。
　期間中に流す「ご詠歌」の音源を、スピーカーにつなげて40Hz変調を施した「ガンマ波サウンド」に加工し、出力する。なお、同様の寺院での導入は確認できないことから、寺院業界初の取り組みと考えられる。

玉川大師・5代目住職の眞保龍言さんは「kikippa」の導入について、「実は最近『kikippa』の存在を知り、『kikippa』を通じて、ガンマ波サウンドが認知機能を改善する可能性があることに驚きました。認知症は自分ではなかなか気づけない病と伺っております。気づけない不安を気づかない効果で対処する感じが、仏の教えである大慈大悲の関係性に近いものを感じざるを得ません。この『kikippa』を導入することで、参拝者の心の拠りどころとなることを期待しております」と、話した。

　■玉川大師「春彼岸会」報道公開概要
　春のお彼岸は、春分の日を中日として、前後3日間にあたる。ご先祖様に感謝する中日前後、計7日の期間中をご供養の期間とし、ご先祖様を初め、亡き御霊（みたま）へ卒塔婆（そとうば）というお手紙を用意し、ご供養する。また、地下仏殿のご参拝とお彼岸の御供養及び住職のご祈祷を行う。住職のご祈祷の際に参加者限定で散華の授与を行う。

　取材・撮影：(c)ニュースラウンジ／伊藤直樹