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樹木希林 感謝の気持ちで舞台あいさつに!原作者・ドリアン助川氏感無量

樹木希林 感謝の気持ちで舞台あいさつに!原作者・ドリアン助川氏感無量
樹木希林が感謝の気持ちで舞台あいさつに立った

 女優・樹木希林(72)、俳優・永瀬正敏(48)が26日、東京・元赤坂の明治記念館で映画『あん』(監督:河瀬直美/配給:エレファントハウス)プレミアム試写会に河瀬監督(45)、原作者のドリアン助川氏(52)とともに登壇した。

 どら焼き屋「どら春」の雇われ店長として単調な日々をこなしていた千太郎(永瀬)。ある日、「どら春」の求人募集の張り紙をみて、そこで働くことを懇願する1人の老女・徳江(樹木)が現れる。徳江の作るどら焼きの粒あんはあまりにもおいしく、みるみるうちに店は繁盛していくのだが、徳江が昔ハンセン病を患っていたということが近所の噂となり、それが彼らの運命を翻弄しだす…。先日、カンヌ国際映画祭ではオープニング作品となり、30ヶ国以上での上映への動きもある、世界が注目する作品だ。

 樹木は、本作で触れられるハンセン病について、「日本では平成の世になってしばらくしてからやっとハンセン病というものが世の中に受け入れられるようになりました。それまでの枠を国が解いてくれました。しかし、それよりもずっと前、大正天皇のお妃の貞明皇后が、所沢の多磨全生園にいらっしゃいまして昭和23年にマスクもせず、手袋もはめず、何も防御服を持たないでハンセン病の人と握手をしているという記録がございます。国よりも先に拓いてくださった、そのことに感謝してここに立っております」と、思いを交えて作品を語る。

樹木希林 感謝の気持ちで舞台あいさつに!原作者・ドリアン助川氏感無量
 

 続けて、ドリアン氏は、「この物語を書こうと決意して20年です。書きだしたのは7、8年前で12回書き直しまして、期待していた大手の出版社からは切られてしまい、この映画に出てくる千太郎のようにひどく酒に酔って道をさまよったこともあります。なぜかと言いますと、ハンセン病の元患者のみなさんのお話を聞くということを通じて、みなさんに物語を書くと約束をしていましたので、それを裏切ることになったんじゃないかと思って、酒に溺れた時もありました。ハンセン病の元患者の人生を描いていますが、しかし、ハンセン病そのものを描いたということではなく、人生をまっとうするということはどういうことなのか。私たちはどうしても何か目標がなければいけない、何かを成し遂げなければいけないという気持ちの中で、日々を送りがちですけど、かえってそれで見えなくなってしまうこともあるのではないか?実は生まれてきただけで世界は与えられているんじゃないかと思って書いた物語です。人類の普遍的なことを書いた物語です」と、熱弁。

 さらにドリアン氏は「日本代表する名優と日本を代表する監督によって、素晴らしい映画となって誕生し、世界の人に観てもらっています。そしていま、日本を代表するような方たちに観てもらうことができ、本当に幸せに思います」と、感無量だった。

 本作では、第68回カンヌ国際映画祭『ある視点』部門でオープニング上映されたが、そのときのことを樹木は、「河瀬監督にすごい拍手で、その後私の方に来るんじゃないかなと思ったら、(河瀬監督が)私の方に手を差し伸べたから、『勘弁して!』というくらい恥ずかしかった」と、テレていたのだとか。

 その拍手については、ドリアン氏が「形式的な拍手ではなくて、心から送ってくださっていた。あのスタンディングオベーションの渦の中にいられたということはとても幸せでした。実は何人の方も追いかけてきてくれて、声を懸けてくれました。この映画ははずみがついていると思います」と、手応えを感じたようだった。

 また、この日はフォトセッションに高円宮妃殿下がご臨席賜り、ほかJOC会長の竹田恒和氏や安倍晋三首相の夫人・安倍昭恵氏も出席した。

 映画『あん』は30日より全国公開!

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樹木希林
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永瀬正敏
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ドリアン助川氏
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河瀬直美監督
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安倍昭恵
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竹田恒和氏
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高円宮妃殿下
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