俳優・三浦春馬（24）が6日、東京・渋谷のBunkamuraシアターコクーンで舞台『地獄のオルフェウス』（演出：フィリップ・ブリーン）プレスコールを、女優・大竹しのぶ（57）、水川あさみ（31）、三田和代（72）、フィリップ氏とともに開いた。
アメリカ現代演劇界で名を馳せたテネシー・ウィリアムズ氏の暴力的で甘美な名作戯曲。アメリカ南部の古い因習に縛られた町を舞台に、愛のない結婚をし、淡々と日常を生きる女・レイディ（大竹）の前に自由を知るひとりの青年・ヴァル（三浦）が現れ、その愛ゆえにタブーを犯し破滅していくという悲哀ラブストーリー。三浦は本舞台でストレートプレイに初挑戦する。
メディアへ向け2シーンが公開されたが、どちらのシーンも観ているこちらの心が痛くなるほどの心情の流れがやりとりがなされ、その完成度の高さを伺わせる仕上がりを見せた。
プレスコール終了後、囲み会見へ。今回、三浦が演じるヴァルという青年については、「ギター1本で流しをしてやりくりしてきた男なんですが、彼なりに哲学を持ち合わせ、その土地、土地に住んでいる人々を恋ではないですが、翻弄していくような青年です」と、説明。
ヴァルのような自由のシンボルで求心力のある役を演じるにあたって、台本読みの時点から苦労があったそうで、「台本を読み込む力というのが本当に少なかったもので、稽古場でフィリップさんにたくさんの技術的な言葉をもらいまして、本当に魔法をかけられたような、心の上の層だけではなくて、奥底から感情を引き出してくれるようなそういう演出を毎日頂いたので、本当に感謝しています」と、俳優としてまた一歩成長した様子を見せつつ、フィリップ氏に感謝をささげる。
そんなフィリップ氏について、大竹は稽古が楽しかったといい、「夢のような時間で、リフリップとの時間がなくなることが寂しい」と、相当に気に入ったよう。それは三浦も同じだったようで「心にぽっかり穴が開きそうだよねとみんなで言っていて、大きな存在です」と、これから訪れる別れを惜しんだ。
ちなみに、女性陣に向けヴァルのような男性はどうかと問うと、水川は「とても…、魅力的…かな（笑）」と、なぜか笑いが止まらず、これに三浦は「ヴァルはいつもヘビ革のジャケット着てるからそりゃあねぇ」と、苦笑い。すると、水川は、「そういうところもミステリアスで素敵なのかなと思わせるのが三浦春馬くんかなと」と続け、これに三浦は「一気に汗かいてきました」と、緊張したのか本当に汗をぬぐっていた。
同じ質問を大竹に振ると、「すぐに付いていきます！」と即答し笑いを誘ったり、三田は「ヴァルは孤独とか病んでいる部分が理解できるんじゃないかと思うんです。それは生きづらいんじゃないかなと。女の人の隠れた苦しみまですくい取るような感じを持っている。人の孤独まで気づくとしんどいだろうなと思うんですけど、そういうところに私達は惹かれていくんだと思います」と、解説していた。
大竹から、「お芝居がこんなにおもしろくて、胸が衝かれるんだという感覚を味わってほしい。それを表現できるように頑張っていきたい」とPRしていた舞台『地獄のオルフェウス』は東京公演は7日から31日までBunkamuraシアターコクーンにて、大阪公演は6月6日から14日まで上演！
