“したコメ”の愛称で親しまれている『第7回したまちコメディ映画祭in台東』内で声優口演ライブ『したコメ meets チャップリン』が13日、東京・浅草公会堂で開かれ声優・羽佐間道夫、三ツ矢雄二、若本規夫、田原アルノ、土井美加、山寺宏一、草尾毅、中野裕斗、したコメ総合プロデューサーのいとうせいこうが登壇した。
浅草、上野という東京随一の下町の魅力をコメディ映画を通じて味わえる、いとうせいこう総合プロデュースのコメディ映画祭。もはやしたコメの風物詩ともいえるイベント（参照記事：“丸刈り”山寺宏一 若本規夫モノマネ！伊瀬茉莉也初口演アドリブで「クソ虫！」）で喜劇俳優チャーリー・チャップリンの無声映画を、観客の目の前で大御所声優らがアテレコするもの。同日の2作品とも羽佐間が監修するという熱のこもった作品となる。
羽佐間を先頭に、電車ごっこのように列をなしてキャストたちが登場するというお茶目さに歓声が沸く中でのスタート！羽佐間は「7回目になりましたけれど、こうやって声優さんを強引に引き立ててきました（笑）」と、陽気な様子に、場内はまたも沸き返ることに。
それぞれがあいさつをすることとなり、若本は「恋はすれども姿は見えずという職業ですが、きょうは全裸でエリックキャンベル役をやらせていただきます」と心持ちという意味での“全裸”発言で場内を爆笑の渦に巻き込み、「声優の仕事は、アニメやナレーションなどいろいろありますが、このチャップリンの作業は難易度では相当難しい。みなやってる時は、お気楽な顔でやっていると思うんですけど、実はハラハラヒヤヒヤしながらやっているんで、そういうものを見透かしながら見ていただけると、よりこのチャップリンが楽しくなると思います」と、見どころを。
さらに、三ツ矢は、羽佐間から「グレーゾーンのところにいますよね」と、三ツ矢のキャラを踏まえてのコメントに、苦笑いを浮かべつつ、「今回初参加で非常に喜んでいます。声優の父親は永井一郎さんですが、育ての親は羽佐間道夫さんなので、いま舞台の真っ最中でながらやってきました。羽佐間さんの言うことには逆らえません（笑）」とのリップサービス。野沢も「オッスおら悟空だ！よろしく！！」とのサービスがあったりと、やりたい放題だ。
いよいよ口演へ。三ツ矢、若本、田原、土井、草尾、中野によって質屋に来る客をチャーリーがさばき最後は詐欺師を退治するという大活躍を描いた『チャップリンの質屋』を演じることに。若本による豪華前振りのナレーションに続いて、ペテン師も演じた若本がいきなり「ドンガバチョ～！」と遊びで叫んだり、チャップリンの声を当てた三ツ矢が「トンガリくんだ」と、『キテレツ大百科』を彷彿とさせるアドリブがあるなど大爆笑となった。
続く2作目は、刑務所から出所したてのチャーリーをコミカルに描いた『チャップリンの改悟』を羽佐間、野沢、山寺で口演。羽佐間がチャップリンの声を当てるという以外、2人はその他の役を全部担当するというものに。それでも、軽妙な掛け合いで観る者をグイグイと引き込みつつ、野沢は「かめはめ波を撃つところだった」とアドリブを入れ、遊び心満載のステージとなった。
2口演を終え、感想を求められた若本は、「全裸になれたのか？半裸か…全裸にはなれなかった」と、少し心残りがある……、かもしれないコメント。山寺は、「7年前に『犬の生活』から始めて、迷いながらでしたけど、最終的に声をかけていただいて、このようにプロデュースして頂いている羽佐間さんに感謝の言葉を言いたいです！」と、総括として感謝の言葉を述べていた。
また、イベントにはほかにもスペシャルゲストとしてチャップリンの孫のチャーリー・シストヴァリスさんとチャップリン協会の大野裕之氏が登場。羽佐間らとともにチャップリントークを繰り広げたり、チャップリン口演についてお墨付きをもらったりするなど、ファンを楽しませることとなった。
